第二章 お隣さんとは仲良く同盟!
第13話 みんな仲良く!レッツ同盟!!-その1
エールランドとの一件から、一ヶ月。アヤカとモモも異世界生活に慣れてきていた。それに反し、セレティアは疲弊していた。エールランドが国内でも有数の城を落としたのだった。これにより、セレティアの防衛能力は著しく低下し、今まで攻めてこなかった他の隣国たちでさえ侵攻準備しているという噂が絶えない。
そんな中、二人は釣りにハマっていた。なぜかというと、初陣での無鉄砲さを知ってしまったケロルが出来る限り、戦場に行かないように自分の釣り場に招き入れたのである。最初は反発していた二人であったが、ケロルが魔術で入れ食い状態にしてからは、ハマりまくっている。
「ほんと、楽しいよね釣り。」
「うん。けどさ、この国大丈夫なの??」
「うーん。わかんない。」
池の魚はパクパクと魚が口を空けている。
「私、聴いちゃったんだよね。あれ以来勝ててないって。」
「え!?デビューの時から??」
「うん。ちょっとジュンヌのとこ行ってくるか?」
「さんせーい!行くぞ!!」
二人はポテポテとジュンヌのいる城へ向かった。
街中には敗戦の余波を受けてはいなかった。しかし、たびたびすれ違う兵士の顔は皆暗かった。
「なんか兵隊さんたち、テンション低いね。」
「だね。ねぇ、モモ。あれはジュンヌじゃない?」
城へ続く大通りから少し外れたところにある自然公園にジュンヌの姿があった。
「ジュンヌちゃん!久しぶり!」
「あっ、どうも。お元気ですか?」
ジュンヌの顔は疲労感満載だった。
「どうしたの?顔色悪いよ。」
「薄々気付いてるのでしょう。今この国は各国から狙われているのです。早く降参しなくてはならないのですが、お姉様が了承してくれなく、、、」
「諦めんのはまだ早くねぇ?アタシたちがいるぜ。」
「ピンチなら他の国に助けてもらえないの??」
「どこもかしこも、面会拒絶です。やはり、もう、、、」
「暗くなんなって。じゃあ、アタシたちが直接会いに行ってやるよ。」
「へ?まず、どこの国に??」
「やっぱりー、一番大きいとこ!!絶対強いじゃん!!」
ジュンヌの肩をさすり、励ましていたカタクラが口を開く。
「この大陸で一番大きな国、ペールマン帝国は軍主導の政治で警備も頑丈だぞ!」
「うーん、どうにかならないかなぁ?」
悩む二人のもとにいけすかない自称イケメンが現れる。そう、ニコテス。
「やぁ、お嬢さんたち!俺様に任せなさい!!」
「なんで、あんたが来んの?」
「ワタシは絶対無理!」
あまりにも冷ややかな返しに心を砕かれるニコテス。だが、めげずに続ける。
「我が祖父、ゼルリッチはペールマン帝国出身だ。ゆえに道案内が出来る。加えて、私は一緒には歩かないから。あくまで護衛として行くなら、良いだろ??」
「じゃあ、良いよ。」
「ワタシには話しかけてないでね!」
二人の承諾に歓喜の表情を露わにする。カタクラをはじめ、ほかの将軍たちはあたふたしている。
「良いんですか?ジュンヌ王女!」
「はい、これしか方法がありませんから。くれぐれもお気をつけて!」
勢いで決めてしまう二人には、さすがのジュンヌもびっくりしてしまったが、これが自分には足りないとつくづく痛感するのであった。
つづく
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