第5話 城って凄い!!!-その2

〔階段をゆったりと降りてくる様すら優雅な男。名はニコテス。美しいブロンドの長髪に甘いルックスを持ち、数多くの女性を落としてきた、、、etc。〕

(おそらく、ニコテス本人に自己紹介させれば、こういった馬鹿げたことを言うのだろうなぁ)と外見と少しの発言から思うモモであった。

「やぁ、お嬢さん。今宵は一緒に?」

「絶対ないわ。」

「モモさん?」

「ブロンドヘアは良いけど、あなたは白馬の王子様ではないわ!!」

モモのブチ切れには、アヤカですらついていけなかった。ましてや、自分をイケメンだと思っているニコテス本人は尚更、はてなだった。

「どういうことだ?白馬?確かに私は白馬を持っているぞ。乗りたいのか?そういうことなら、明日、、、」

「良いから、帰って!夢が壊れるでしょ!!」

「そういうことだ。帰るんだ、ニコテス。」

「ケロルに言われるとはな。ふん!お嬢様方は疲れているのだろう、、、では、また!」

ニコテスは指をパチンと鳴らし、踵を返すように城の奥に消えていった。

「なんなの?アイツ。」

「大賢者ニコテス。私に匹敵するほどの賢者ではありますが、女癖が悪いことで有名なのです。そして、極度のナルシスト。」

「ナルシストのどこがイイんだか。アタシは勘弁だね。」

「ワタシも。ついに白馬の王子様が迎えに来たと思ったのに、なんかキモくてやんなっちゃうよ(怒)」

「そうでしたか(笑)。では、気を取り直してお城を案内しますね。」

「いやぁ、悪いんだけど。今日はもうお開きにしてくれよ。疲れちまった。」

「確かに、お疲れのご様子。部屋に直行しましょう。」

「わしはこれにて。もう限界じゃ。」

ゼルリッチは皆に挨拶をし、静かに帰っていった。



「あれれ??部屋が焦げてる??」

着いた部屋の片方は黒こげになっていて、今もうっすらと煙が見える。

「ニコテスの八つ当たりか何かでしょう。彼は雷を使うので、あり得ます。部屋を戻しますね。」

「いや、良いよ。ケロルも疲れてるだろうし、アタシたち二人一部屋で充分!」

「ワタシ一人じゃ、眠れないからその方が助かる。」

「では、お風呂にでも入って来てください!私はメイドさん達と協力してベットメイキングしておきますので。」



メイドさんに案内され、二人は大浴場に着いた。銭湯三店分くらいの大きさの浴場には大小種類も様々なお風呂がある。

「やった!最高じゃん!!」

「二十四時間使えますので、ごゆっくり。着替えはここに置いておきます。」

「ありがとうございます!」

素早く服を脱ぎ、タオル片手に風呂場へ入る。そして、備え付けのシャンプーの匂いを二人で吟味しながら、互いに身体を洗った。

二人はまず、一番大きい浴槽に向かうとそこには一人、先客がいた。目に涙が浮かべた女の子が。




つづく

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