第6話 良い湯、良い友、良い女王??-その1

大きな浴槽で目を腫らす小さな少女。

「大丈夫?」

「はい、大丈夫です。心配かけてすみません。今、出ますので。」

「ちょっと、待ちな!」

アヤカがギュッとその子の腕を掴む。

「なんですか?私、何か悪いことでもしましたか?」

「いや、泣いてる子をほっとく訳にはいかないだろ。」

「アヤカちゃん、イケメン♪」

少女は諦めたらしく、再び湯船に浸かった。彼女は全体的にほっそりしていて、洋服を着てしまえば男の子にすら見えるだろう。

「私の名前はジュンヌといいます。いつもはこの城のメイドさんとして、働いています。」

「メイド服似合いそう!肌も凄く綺麗✨」

「こら、モモ。少し引いてるぞ。」

「ごめんなさい。」

「とんでもないです。そんなこと言われたことないので、照れてるだけです、、、」

照れて顔を火照らせる姿はいかにも女の子らしく、可愛いかった。

「アタシはアヤカ。それで、、」

「モモだよ!!」

モモは思いっきり立ち上がりながらの自己紹介となった。ジュンヌはモモの大きなソレに目を奪われていた。

「じゃあ本題になるけど、なんで泣いてたんだ?」

「あっ、はい。最近、ミスばっかしてしまっていて。それで、自分がどうしても情けなく思えてしまったんです。」

「そっか。誰にでもミスあるつーけど。それじゃ、解決にならねぇし。モモは?何かある?」

「気楽が一番だよー。あとはお花とか眺めてリラックスしたり、恋をするとか!」

「殿方と??そんな、私には早いです、、」

「今、いくつ?」

「16になります。」

「一個下かぁ。じゃあ、お姉さんたちに胸を借りるつもりでじゃんじゃん聞いちゃって!16くらいなら、そろそろ恋して良いと思うけどなぁ。」

「アヤカちゃんなんて、16でねぇ。カレと、(笑)。」

「うるせぇ!ヤッてねぇよ。」

「えーと、私には好きな殿方はまだいません。家が厳しいもので。」

「そりゃ、大変だな。オトコにうつつを抜かすのも良くないし、いつかは出来るよ!」

大きくグットマークするアヤカに、ジュンヌほのかに微笑む。その後も恋愛トークを中心に盛り上がった。ジュンヌにとってはとても新鮮で楽しい時間であった。

「しかも、ジュンヌは可愛いからモテそう。泣いてちゃ、可愛い顔がもったいないよ。」

「そうですか(照)」

「なぁ、モモ。って、あれ?」

「ブクブク💧」

「のぼせてる!」

モモは真っ赤なゆでダコのようになっていた。アヤカは急いで風呂からモモを上げ、担いで更衣室の方へ向かった。

「コイツ、のぼせちゃったみたいだから、先上がるね。じゃあ、また!」

ジュンヌは颯爽といなくなった二人を見送った。その目にはもう涙はなかった。



風呂から直行で部屋に運ばれたモモはタオルで身体を巻かれた状態でベットに横たわっていた。

「びっくりしましたよ。」

「ついつい、話が盛り上がって。」

「ほかに誰かいたんですか?」

「ジュンヌっていうメイドの子。」

「そんな子いたかなぁ?まぁ、満足頂けたなら幸いです。」

「じゃあ、ケロルも寝なね。アタシもモモに下着だけ着させたら、寝るからさ。」

「では、失礼します。」

ケロルが部屋を出ると、その前をニコテスが通った。

「おい、ケロル!裸の女がいたそうだが、知っているか?きっと私の介抱を待ってるに違いない!」

「いや、見ていない!断じてな。」

「そうか。ではな。」

走り去るニコテスを見ながら、ケロルは裸の女はモモであり、見つけたら何をするかわかったもんじゃないと思った。そして、ケロルは朝になるまで、この部屋の前で番をすることとなった。




つづく

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