アカ(赤)の性質
赤は色の名前ですが、先の項でもお話した通りもとは「光の明るさ」を示した言葉でした。アカルイ、アカリなどにもアカとあるのは、そういった性質があるからです。
面白いのは、古代日本のアカに対して「呪術的・神がかり的な意味を持つ色」という認識があったことです。例えば鳥居は赤いですよね。次いで巫女の服にも赤い部分がありますし、昔は航行の安全を願って船を赤い土で塗ることもあったといいます。こういうことから、古代人にはアカ=霊威の宿ったことを示す色という認識があったことがわかります。
だから鳥居が赤いのはここから神の領域ですよという印でしょうし、巫女服に赤が混じるのは、神に仕える人間ということを見た目でわかるようにしたものなのでしょう。船を赤く塗るというのも、霊力を宿し、危険を避けようとしたと考えられます。
皆さんは紅葉というものに対して、どういったイメージを持ちますか? 私は美しいなと思いますし、その仕組みが科学的に解明されているとしても、なんだか見ていると不思議な気持ちになります。
今の私たちですら心を動かされる紅葉……、古代人からすれば、なんでもなかった緑の葉が赤や黄色(これも昔はアカの範疇にあった)に変化するというのは葉に霊威が宿ると意識されていたことでしょうから、今よりも霊威とか神の力というものが身近だったといえますね。
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