季節の語源:あき・ふゆ
あき(秋)の語源は飽きるからきているだろうと考えられています。意外ですよね、一体何を飽きたんだ、と。でも、実は古代語の「飽く」には、今の意味とは少し離れたポジティブな原義があるのです。
その飽くの原義とは「物事の本質を十分に享受する」というものです。ありがたくも頂くという語感ですね。今でこそその十分にというところだけに焦点が置かれて、あまりいい意味では使われなくなってしまいましたが……。
前々から言っている「めぐる魂」の考えを当てはめると、秋とは春・夏に生命を成長させていた魂が、いよいよ「成熟」の段階に来て、命の終わりを迎えさせるという経過にあるでしょう。
この成熟の季節に作物の収穫などが多く行われるため、古代人にとっては自然の恩恵を十分に(=飽くまで)受けられる季節、それが秋ということです。
ふゆ(冬)が語源的には一番番狂わせですね。なぜかって、その語源が「
どうしてこうなるのかを一つ一つ整理していきますと、まず春と夏は魂が生命を成長させる季節・秋は生命を成熟させて終わらせる季節ということになりますね。そして秋が「終わらせる季節」であるのは、冬の存在があるからです。先も言った通り、冬は魂が増える季節ですからね。
実際には折口信夫氏をはじめ、たくさんの学者さんの意見や考察が積み重なって冬は「殖ゆ」だと結論付けられたので、「なぜ」の過程はここでは省略させてください。でも、一つ言えるのは、春夏秋冬それぞれの季節名は基本語彙から取られているということです。
ちょっと説明がごたごたしましたが、これで勘弁してください……。あとはご自分で、です。
さあ、長かった季節ゾーンがいよいよ終わります! まとめていきますと、「めぐる魂」的な語源解釈としては
冬:魂が殖える
春:魂により生命が成長する(張る)
夏:魂により生命が成長する(生る)
秋:生命が成熟し、終わる=収穫がたくさん(飽く)
という風になります。
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