季節の語源:なつ
今回は、春に続いて夏です。それでは見ていきましょうか。
なつ(夏)の語源については、「
難しいことではありません。この季節になると植物や虫で世界が満ち溢れ、それをもとめて動物たちが姿を現します。多くの生命が目に見えて増える時期ですが、生るという語をそのままの印象で捉えれば植物などの実や花が生る(咲く)、ということになるでしょう。春の語源で説明した通り「魂」は四季という時間を通して色々なものにめぐります。
春で魂が張り(成長して)、夏はさらに成長を加速させる季節であるということです。こうなると残る秋は「成長しきる」季節であることがわかります。
ちなみに、夏の語源にはいろんな説がありまして、最も簡素なのは「熱・ねつ」から転じたというものです。しかし、「めぐる魂」という古代思想がこれでは説明しきれないので、今回はパスすることにしました。
そういえば、なぜ「なる」が「なつ」と語尾の音が変化しているのかについての疑問が残りませんか? これについての明確な答えはまだ出ていないのですが、私の考えでは、これは意図的な例外として変化したものではないかと思います。古代日本語文法を見ると、「死ぬ・する・来る」などといった重要な単語は不規則な活用をします。変格活用というものです。ではなぜよく使う重要単語なのにわざわざこんなことをするのかということですが、理由はその方が目立つから(=ほかの単語と混同しづらくなる)、というものです。考えてみれば夏が「なる」のままなら、春との区別がつき辛くなっていたかもしれませんよね。日本語の変遷が垣間見れる考えで、個人的にはなかなかイケてるんじゃないかと思っています。
……実は今回秋も説明したかったのですが、文字数的に次にします。
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