30日目 GW
彼曰く、余はゴールデンウィーク、休みを謳歌したいと思っているもの。
***
昨日から世間はゴールデンウィークらしい。
早速昨日休日出社した私にはあまり関係のない話だ。ゴールデンウィークだからと言って仕事がないわけではない。フリーランスではないけれど、一緒に仕事している人がフリーランスなわけで、つまりは私も働かざるを得ないことだってある。会社員なのにフリーランスみたいな働き方をしているなぁとは、入社した時から若干思っていたことだ。仕事がなければマンガ読んでもいいし、アニメ見たっていい。株の値動きを見る人も、ポイ活する人も、誰もいない部屋でゲームに興じる人だっているくらいだ。会社にいるというのに、だらけきった大人の姿を見せつけられてサラリーマンもピンキリだなと横目に見つつ、私は私でグラブルやりながら『SPY FAMILY』見ているわけだけど。
「ゴールデンウィークだから、どうせならどこか行きたいな」
そう大きな独り言を言う先輩は、今頃どうしているだろう。お気に入りのバイクでも走らせて遠出でもしているのだろうか。もしかしたら最近気になっているという女の子とデートに興じているかもしれない。新しい趣味を見つけている可能性もある。
でも可能性があるだけで、確実ではない。前日までどこに行くかを決めずに、誰ともなしに「なにかしたい」感を出している人間は、概してどこにも行かずに閉じこもった休日を過ごしているものだ。どこかに行けばいいのにどこにも行っていない人間より、私の方がずっとアクティブだと思う。スタバにこもってパソコンとにらめっこしていることがアクティブかどうかは、この際問題じゃない。家から出ているか、そうでないかが問題なのです。
でも毎日同じスタバというのも味気ない。昨日と同じ場所で、昨日と同じようにアニメを見ながら、日記を更新して、小説を読んで、小説脚本の勉強をして過ごすのは苦ではない。けれど私の中にも「どこかに行きたい」という気持ちがないわけではない。例えば、同じスタバでも店舗を変えるとか。同じカフェでも違うチェーン店に行くとか。同じ喫茶店でも個人経営の静かな店に行くとか。同じフリースペースでもコワーキングスペースみたいなところを探してみるとか。新しい体験の作り方はいろいろある。
「行けない」んじゃない。「行く」気持ちがあるかどうかが大事なのだ。勝手に自分の行動範囲を狭めていては何も新しい発見は起きないだろ。
せっかくの大型連休。出勤することがあるとはいえ、休むタイミングは作れるはず。映画でもよし、遠出でもよし。少なくとも、家で無為に時間を過ごすことのないように、有益だと実感できる過ごし方をしたい。
この1週間がゴールデンに煌めくかは、私の気持ち次第、なので。
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