23日目 新人
彼曰く、新人が、来る。
***
来年入社すると目されている新人と会ってきた。
実は彼女たちには去年の内に会っているので、再会したと言って相違ない。
珍しく実施されたインターンののち、そのままの勢いで就活を続けて面接を受けて内定をもらったという2人。
インターン以降も時々連絡をしたりはあったけれど、最後に連絡したのは夏だったので、半年ぶりになる。
半年前の私は何をしていたかな~と考えていたら、急に年食ったような感じになるのでシャットアウト。
とはいえ普段合わないタイプの2人なので、若干緊張しながら予約したレストランでご飯に行った。
「お久しぶりです~!」
「わあ~お元気そうでよかったです、会えてうれしいです~!」
きゃー、きらきらオーラが眩しすぎる!
日差しを照り返すような肌の白い新卒生、若々しい冬服に身を包んだ若者2人を見てさらに緊張が増してきた。
本当に会ってもよかったのかしら。
たしかにお金と時間に余裕があればすぐに付いていってしまう私だけど、自信がなくなるというか、コンプラ的に大丈夫なのか?と勘ぐってしまう。
下手なことを言って、機密事項が出てしまったりしたらそれはそれで困る。
大人な対応が求められているのだろうけど、彼女たちとそもそも話題が合うかがわからない。
新卒だからたぶん私よりも4つ下。
正直3つ下の弟とも話が合わないことを考えると、話しの続く自信がゼロ。
「大丈夫なのか?私・・・」と思いながら注文を待っていた。
ぽつぽつと話し続けて2時間強。
たびたび話が途切れることがあったものの、それなりに頑張ったと思う。
普段は使わないなけなしのコミュニケーションをフル発揮して、なんとか乗り切った。
テンション高めな子がいたおかげで話題作りには困ることがなかったのが救いね。
もちろん楽しかったけど、終わってもちょっとテンションが定まらないのが不思議。
ワクワク?ドキドキ?
そわそわするというか、やっていることが全部空回りしそうな予感がするというか。
多分頑張りすぎていたのかもしれない。
自然体で話すことこそ大人な対応だろうけど、上手くできていただろうか。
そんなこんなで、久しぶりの再会を終えてからのルーティンスタバ。
落ち着かない気持ちのままパソコンを立ち上げたけど、意識散漫気味で全然作業できなかった。
もしかしたらあの子たちもそう思っていたのかもしれない。
「新人が来るんだなぁ」
しみじみと実感しながら、そそくさとスタバを後にした。
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