25日目 クリスマス
彼曰く、クリスマスです、クリスマス、らしいです。
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クリスマスだからと言って、何かが変わることもなく。
私の一日はいつものように進みます。
別に悲しくはありません、だってクリスマスだもの?
日本風のクリスマスって何だろうと、ふと気になって調べてみました。
そもそもクリスマスは”キリストの生誕祭”。
主の誕生をみんなで祝い、ともに生きることを祝福するお祭り。
1年で最も日照時間の少ない冬至を過ぎ、以降は太陽が長く空を照らす時期に移っていきます。
かつてのローマ帝国にて、下級階層の人々に信仰されていたミトラ教。
この太陽神を祭るミトラ教では、太陽の復活をお祝いする主祭日を12月25日にしているそうで、コンスタンティヌス帝の治世に主教がキリスト教になったタイミングで、キリストの降臨と結び付けられたそう。
クリスマスのおおもとの起源は太陽と関係があったんですねぇ。
このクリスマス、日本に最初に伝わったとされているのはイエズス会特使が訪日した16世紀。
戦国時代の真っただ中にやってきたキリスト教。
初めは信者も少なく、鎖国の江戸時代が終わるまで禁教令が敷かれていましたが、徐々に市井に広まったのが明治期。
クリスマス売り出しがされ始めたのもこのころで、子供のためのお祭りという印象が強かったそう。
しかし大正天皇の崩御した12月25日が祭日になったのをきっかけに、大人にもクリスマスを楽しむ文化が広まったのです。
まさにお祭り好きな日本人らしい特徴でしょうか。
ここから世界のクリスマスとの差が如実になってきます。
日本というのは戦後から現代にかけて急激に成長してきました。
西洋列強に追いつけ追い越せで吸収し昇華させた技術力は、20世紀最も世界で注目を浴びたといってもいいかもしれません。
あらゆる文化を吸収したからこそ、日本では様々な文化観が入り混じった独特な風習や考え方が一般的に。
その影響か、もともとの意味とは違う形で海外の文化が定着し、ある種のイベントとして商業的にも重要なものになっています。
その一つとしてクリスマスを見ると、もともとクリスマスは主の降臨を家族で祝うお祭りでした。
日本ではどうかというと、確かに初めは家族で過ごす祭りとして親しまれていましたが、1980年代以降になると恋人と過ごす方が一般的になりました。
正月を家族で過ごす文化が長く根差していたからこそと言えるでしょう。
また、クリスマス当日より、前日のクリスマスイブの方が重要視されがちです。
これも、多くのヒット曲やドラマなどでクリスマス前日のロマンチックな過ごし方がフューチャーされたことで広まった考え方。
今ではSNS発信もあり、イブがクリスマス本番のような扱いを受けています。
面白いですね。
主の誕生祭だったものがロマンチックなものに昇華されて、一般に普及している。
神を信じているわけでもなく、でも世界で楽しまれているものなら何でも取り入れて楽しく過ごしてしまう。
あけすけな生き方にロマンも何もないと思いますが、楽しいならいいじゃないとも思える。
所詮日本人的な思考しか持っていない私にも、祭りを楽しむ気持ちはわかります。
参加する気になれないだけで・・・ええ、それだけです。
ともかくクリスマスはお祝いしてもいい日らしいので。
とりあえず今日のタスクを終えたら、まっすぐ帰宅してスーパーか何かで買ったちょっといいご飯をホットワインで流し込みましょうか。
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