21日目 26歳
彼曰く、26歳になったらしいです。
***
日記を始めてから2度目の誕生日。
私の人生も四半世紀を過ぎて、第2四半期に突入した。
つまりこのクールの私が1歳を迎えたということだ。
1歳の私に何ができるだろうか。
会社に入って2年半、誕生日前日に大学の友人と再会し、自分の気遣いの出来なさを指摘される人生。
会社では自分の責任で仕事を動かすことが多くなり、後輩の面倒も見なければならないころ。
後輩の失敗を拾い上げ、時には先輩に歯向かってでも働かないといけない。
後輩にも後輩ができてきて、いやおうにも自分との違いを見せつけられてちょっとへこんでいる私もいる。
こんなに私には後輩を教えることは出来ないのか、なんて思っていたけど昨日の再会ではっきりした。
1歳になった私に必要なのは、下の者を顧みる心だったらしい。
強くてニューゲーム、とは少し違う。
なるべきなのはチュートリアルの進行役。
新しくやってきた新人冒険者を導く船頭だったということだ。
ちなみに受付嬢だかにはなりたくない、向いてないから。
人生の船頭、という意味では確かに私もいろんな人の背中を見てきた気がする。
父親、母親は言わずもがな、会社に入っていろんな先輩に教わったし、地元にも信頼できる人間が多少はいる。
次はそれを伝える番らしい。
人生最初の1歳は自分を自覚したり、立って歩くところからだったと思う。
言葉も覚えて話もできるようになって、家での自分の力を確立していったころ。
会社での私と同じだ。
仕事のイロハを覚えて、何が自分の仕事なのか自覚して、業界の話が通じるようになってきた。
そして次にするべきことは、自分の地位を考えて働きかけることだ。
私にはできないこともある。
強いわけでもないし、まだ言葉足らずだったり、勝手の分からないこともある。
でもそれは後輩の方が多いのだ、それを払拭してやるのが先輩として責務。
後輩に対してできることは、先輩らしくフォローして力になったり、話しを聞いてやることなのだ。
威張る、というわけでもない。
力を見せる、というわけでもない。
寄りそう、ということが大事なんだろう。
他人の人生をすべて支える、なんていうことはない。
ただ側にいてほしいであろうタイミングで側にいてやれる存在であることだ。
そしてこれは積極的になろうというよりも、自然とそういう存在になっているものなのだ。
自然に、さりげなく、さらっと力強い言葉が出てくる。
人生1回目の折り返しを少し進んだところ、会社での立ち位置はそういう人間でありたいもの。
一方でプライベートはというと・・・。
ま、それは相変わらず、自分のことを大切にしていきたいな、というだけ。
たぶんこれが私らしさなんだと思う。
書きものは続ける、なんだかんだで楽しいから。
また次のステップに進みたいな。
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