13日目 気まずさ
彼曰く、相手にするのも相手にされるのも嫌な時間。
***
職場でのふるまい方にはいろいろある。
まじめに仕事をしている風。
「今から仕事始めるところです」と言わんばかりの慌てた姿勢。
「もうすでにやるべきことは終えています」とだらけ切って語る顔。
コツコツとこなすタイプも、バーッと一気に片付けるタイプもいろいろある。
どんなパターンでも仕事は仕事。
片付ければ勝ちなワケ、やったもん勝ち。
ここのところ私の仕事は軽い。
というより、軽くしている。
もちろん意図的、自分の意志。
昔は面倒ごとを自分からやっていくタイプだった気がするけど、近頃は本性が見えてきたらしい。
何もしていない他部署の先輩を見て「ああはなるまい」と思っていたものだけど、今の私の働きぶりを見たら「ああはなるまい」と思われそう。
面倒ごとにはかかわりたくない人間性は、どんな人間もそうと思うけど、最近は特に顕著。
後輩の面倒を見るのも疲れてしまった私は上司との面談で言い放った。
「あの子を見るのは面倒です…」
自分の不出来を呪う時間。
後輩がすべて悪いわけではない、自分の教え方もよくなかったのかもしれない。
もっと根本的なところで自分と後輩の相性が良くないというのもある。
言い訳なんていくらでもつけようはある。
問題は言い訳をかさに自分のふがいなさから逃げていること。
自覚はあるのさ、われらが大将
一番無駄だと感じる一方で、一番大事にしないといけないと感じる。
なぜならこれまでにやり残した必要なことが見えてくる瞬間だと思うから。
「ほっとけばいいんじゃない?失敗させればいいんだよ」
その言葉で少しは重荷が下りた。
つけられた重荷を勝手に自分で大きいものだと感じて重たくして、自分の動きを自分で制限してしまう。
そんなあほなことをして、自分の仕事が回らないようならいったん外してしまった方がいい。
そういうこと。
気まずい時間は流れるけど、今の状態の方がまだ気持ちが軽い。
しばらく様子を見て、自覚と自認を身に付けてもらう期間にしましょうかね。
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