13日目 くも

彼曰く、静かに、確かに近づいてきている。


 ***


自分の力の及ばないことというのは往々にして起こりうるもので、たいていそれは後手に回るしかない事態だと思う。

迷惑千万、こちらのそんな苛立ちをあざ笑うかのようにやってくる。


この1週間ずっといい天気だったので油断していましたが、明日からしばらく雨続きになるらしいです。

幸い洗濯物はたまっていません。

生活にある程度余裕ができたからか、選択の頻度が若干上がりました。

もちろん今までもやっていたので、どちらかといえばためすぎることがなくなった、といったところ。

おかげで下着なども買い足す必要も今のところもないと思っています。


必要なものだけある、いわゆるミニマリストを目指しているわけではないですが、必要以上のものを持ったところで使ってあげないのであれば、つまりそれは不要ということです。

必要性のあるものにも余裕を持ちましょう。

余分なものを買っては無駄にしかなりませんから。


だから最近やたら食べるのは無駄なわけではありません、必要なことなのです。

華奢すぎる私が少しでも肉付きを良くして、あわよくば多少の筋力を持つことで健康的な肌のハリとふくよかさを持つために。

食べても大きくならない私の代謝もそろそろ下がり調子になるはず。

ここが踏ん張りどころのような気がしますね。


雲ばかりということは天気も気持ちも沈んでしまう時期。

ただでさえ最近は職場でのダウナーな気分が止まらず、よくない方向に向かいがちな気がしています。

自分を引き締めて臨んでいきたいですね。


そしてこの時期にやってくるくもといえばもう一つ。

振り向いたらそこにいる、小さな黒いあいつです。


そう、蜘蛛。

「蜘蛛ですが、何か?」

そんな漫画のタイトルみたいなセリフが飛んできそうな顔してそこにとどまっています。

顔があるのかは知りませんが。


すでに2匹、優しく浄土に連れて行ってあげていますが、これで終わりというわけではないでしょう。

晴れ間が続いていたので忘れていましたが、時季で言えばまだ梅雨。

湿気と相反するような暑さが体にまとわりついて離さない、やはり気持ちの沈むような嫌な季節。

いったいこのシーズンはどれだけ人間の気持ちをふさぎ込めば気が済むのでしょうか。

おてんとうさまの気が知れません。

これが試練だとしたら相当質が悪いです、いやらしい。


そろそろ黒いあいつも来るかもしれません。

やはりここは気を引き締めていきたいですね。


そんな決意を静かに決めた今日なのでした。

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