14日目 慣れ
彼曰く、慣れたものを手放すときって勇気がいるよね。
***
今日はメールの整理をした。
私の世界で嫌いなものの3番目くらいには入るもの、それがメール。
元カレのいやらしいメールだったり、誰かも覚えていないような人からの誘いのメールだとか、同性なのに誘ってくる迷惑メールだとか。
世の中にはあの手この手を使って健全で優良物件たる私を篭絡しようとする輩が数多くいるらしい。
対して私のことも知らないくせに何を欲してやってくるんだか。
支配欲なのか、征服欲なのか、性欲なのか、はたまた食欲なのか。
ひとこと言わせてほしい。
他人を食い物にするな。
昔に比べて今のメールは便利だ。
迷惑メールは受信メールにさえ来ることなく、自動的にゴミ箱行き。
スーッと歩いてくる明らか一般路線を踏み外したやばい輩をはねのけてくれる素晴らしい選別機能を備えている。
おかげで汚い面を拝むことも、文字を文字として機能させていない、はっきり言って頭の悪いメール文を読むこともなく、実に平穏な日々を過ごしている。
現実のストレスがどうあれ、少なくともメールボックスのストレスは限りなくゼロに近い。
レッドリストは勝手に赤みを増し、受信ボックスは限りなくブルー。
もはや透明に近い。
村上龍もびっくりだ。
そんなメール機能が一新される。
この度の自粛、リモート活動の頻発により、Googleアカウントを全社的に導入することになったのだとか。
「スマホでメール確認できないから不便だなー」
前から思っていた不便なことがまた一歩解決に結びつこうとしている。
技術革新というのはこういう小さいところから始まっていくんだな。
技術革新が起こるとき、その移行スピードは人によってまちまち。
全体でみれば非常に緩やかだ。
新しもの好きな人はすぐに飛びつく一方で、保守派の人たちは黙って静観するか断固拒否してデモを起こす。
デモはだいたいがうっぷん晴らしに見えるけど、本人たちからしたら切実な願い。
慣れたフルマラソンから急に短距離に転向しろと言われても難しいでしょう、それと一緒。
私もどちらかといえば慣れたものは手放したくない。
でも実際にやってみたらそれほどストレスは感じなかった。
過去のメール共有は時間がかかるとして、それ以外の基本的な機能は変わりないのだから、むしろスマートになったとさえ言える。
保守派の人も早いところ移行したほうがいい、時代に乗り遅れるのはこの先生きるのがつらいですぞ。
もうじきすべてのデータやり取りがクラウド共有で行われる未来も近い。
近未来SF都市の幕開け。
シナリオはもう、動き出しているのかもしれない。
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