10日目 バタバタ

彼曰く、ばたばたしてるくらいが仕事してる感じある。


 ***


今日は打ち合わせ。

まだ前の仕事が途中なのに次の仕事が始まる。

こういう理不尽をなんて言うのか、ブラック企業って言っていい?


今まで運良く避けられてきた仕事の詰まり具合をついに身をもって体験することになってしまった。


大変そうだなぁ、私もいつかやるのかしら、でもまだそんなに経験ないからちょうどいいのかもな。

先輩たちが慌ただしく働く姿を見てそう思っていたのが入ったばかりの頃。

今となってはむしろ早いうちからやった方がいいんじゃないかと思ってる。

だって他の同期みんなやってるんだもの。


もう入って3年目、そろそろ自分の身の振り方も決めていきたい時期。

やりたい方向性は決まってる。

ライターなのかいっそのこと小説家なのか、そこまではわからないけど。

これだと決める恐怖心がまだ強い。

変な夢を見ていたい時期が長いのです。


でも一番近いのはライター、それなりの覚悟も必要だ。

それなり以上かも、だけど。


ともあれ何か自分のやりたいことを決めたのであれば目標を立てるべきだし、それ以前に今ある仕事をちゃんとこなすことが必要だと思うんだ。

一応自分がやりたくて入ってきたんだからまずは自分の頑張りを見せないといけない。

頑張りを見せれば誰かが認めてくれる、見ててくれる人がきっといる。


最近気づいたことだけど、意外に周りの人は自分のことをよく見てくれている。

見てほしいことも、見てほしくないことも、等しく自分の表面として見られている。

裸の地球と同じ。


最近全然注力できてないのがいけないけど、日記的徒然ごとにも目を向けてくれる人だっている。

そんな見てくれるかわからないところでさえ見てくれる人がいるんだから、会社で見ている人がいるのは明らか。

だってすぐ近くにいるんだから。

後輩、同期、先輩、上長、別班の人、社内にいる他の人。

会社にはいろんな人がいる、いろんな人がいろんなことをしてる。

何をしているかはわからないけど、仕事してるかはなんとなくわかる。

どこで誰が見てるかわからないけど、仕事してるって思われたい。


仕事ができる人になりたいなぁ。

近頃はそんな願望が心の底にある気がする。


私に必要なのは、やはり今以上のプレッシャーなのかもしれない。


本音は働きたくない、だけどね。

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