16日目 期待
彼曰く、あの男は動かない。(確信)
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仕事で意識するべき大事なことの1つとして思うのは、
「相手に期待しすぎないこと」だ。
事前に予定を立てるとき、自分以上に関わってくるのが仕事相手のこと。
性格、感情のゆらぎ、仕事のやり方、話し方、聞き方、育ち、態度、他の仕事の予定、一日のルーティン、服装、髪型、化粧、食べ方、寝る時間・・・。
自分以外の誰かのやることなんて、想像の範疇でしか語れない。
予想は現実を連れてくるわけじゃないのだ。
つぶさな観察と念入りな聞き込み、地に足の着いた対話。
現実をしっかりと見た上での予測が、もっとも未来と一致しやすいと思う。
完全に、まったく一緒の、予想した通りの未来なんて起こることはほとんどない。
何もせずに自分の思い通りに動くことなんて、なかなかないのだ。
過度な期待は自分の予定を顧みない。
ましてや相手の都合だ、自分の都合とは関係なしに動くし、より前倒しになることだってあるし、予想以上に行き詰って先送りになることだってある。
そのたびに予定を組み立てなおして、思い描くゴールに向かって進んでいけるかは、予定調和ではありえないことを自覚できているかで変わってくる結果だと思う。
自分なりに考えて行動しても、自分以外の行動が予想に則するわけではないのなら、最初から予定を立てても意味がないんじゃないか?
そう思うのも無理はないけれど、そもそも予定というのは、「”予”め”定”める」と書くように定めておくことが前提になっている。
予定を立てなければそのための行動をしないのは、他人だけでなく自分も同じ。
予定が立って初めて自分の行動の指針が見える。
予定とは、自分が動く、自分を動かすための合図なのだ。
その予定を自分の中にしまっていては、他人が動く道理がない。
相手がいて成り立つ予定ならば、当然その相手にも予定を開示すべきだし、どう動いてほしいかも伝えなければならない。
もちろんその通りに動いてくれるとは限らないけれど、伝えないでいるときよりは予定に則してくれる可能性は高まる。
現実をひきこむことができるわけだ。
だから私は他人に対して過度な期待はしないようにしている。
でなければ角が立つからだ。
自分と相手の都合を見ながら、落としどころを見定める。
うまいことそれが進めば吉、失敗したらまた取り返せばいい。
そんなつもりで仕事をしている。
だから自分なりに考えて相手とも話したつもりだけど、これだけは確信的だ。
あの男は動かない。
予定クラッシャーめ、いい加減に動いてくれ。
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