12日目 ガム

彼曰く、こういうとき、ぼくはひたすらにガムをかむ。


 ***


最近買うもののレパートリーにガムが増えた。

この前の日記にも書いたけど、中学高校の時は結構噛んでいた。

集中力が続くとか、脳細胞が刺激されるからとか、そんな売り文句に誘われて、なけなしのお小遣いから500円ほど抜き出して、ボックスタイプで買っていた。

今ほどバリエーションも豊かじゃなかったから、とりあえずハードタイプのキシリッシュとかを買っていたと思う。

味を求めていたわけでもなし、クールミントとかそういう系。


一時期挑戦したのが、真っ黒ボックスの超ハードミント。

お父さんがドライブの時は欠かさず買っていて、なんだか大人な雰囲気を漂わせていたから、気になって買ってみた。

大人に早くなりたい年頃だもの、何事も挑戦よね。

確か小学生だったと思う。


小学生にはハードすぎるミントだった。

ミントミントしすぎて、口の中にミントのローション塗りたくったみたいにスース―して、むしろ痛いまであった。

5噛みくらいしてすぐ吐き出したよね。

「え、なにこれ、ガムっていうかむしろゴムじゃね?」

味覚がマヒしすぎて食べたこともないゴムの味を作ってしまうほど。

コロナにかかったら同じような想いをするんだろうか。

ひたすらにスースーだけして味も何も感じないのに、ずっと口の中に居続けるんだもの。

それはもはやゴムでしょ。

食べたことないんだけど。


痛みも我慢して食べるのが大人になるってことなんだなーって、付き合いでいったレストランでテーブルマナーめんどくさいって思いながら食事をしたときと同じくらい実感した。

私は美味しければなんだっていいのだけど、世の中には品格を味覚だと思っている人種がいるらしい。

もちろんその感性を否定するわけじゃないけど、ずっとそればかりじゃ息も詰まるし胃もたれする。

自分が気持ちよく食べるのを、私は一番大事にしたい。

本能的欲求でまで我慢することを増やしたくない。

お金がなくて食べるのを我慢するのは仕方のないことだけど、美味しいものを前にして感情を閉鎖させるなんてもったいない。

「おいしいおいしい!!」って言いながらがっつきたいときだってある。

ハンバーガー、焼肉、餃子、ラーメン、わんこそば、ピザ、カレー。

ファーストフードに罪はないのだ。


そんな余裕もないときは、仕方がないからごまかしておく。

エア食か、大量の水か、ガムか。

よく買うのはFit’s、味付きタイプだからオススメ。

NiziUとコラボ中だからみんな買ってね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る