11日目 朝帰り

彼曰く、別に悪いことはしていない、ただ人生を棒に振っていただけ。


 ***


仕事で夜遅くまで残るのは仕方がない。

自分の効率が悪いから、なかなか自分のやりたいことをやる時間が見つけ出せない、ただそれだけ。


全部自分のせいなんだけど、分かり切ったことなんだけど。

睡眠時間を作ろうと思っているのにその時間が見つからない。

どうしてだろうと考えているうちにだんだん空が白んでくる。

「あれ?朝じゃん?」そんな感じ。


天岩戸を開いたのは天照大神だったと思う。

彼が岩の隙間から見たのと同じようにゆっくりと明るい空が見えてくる。

日本史には興味あるけど、日本神話にはあまり興味が向いていなかった。

というか知識がそもそもない。

さっきまでスサノオが天岩戸に隠れたと思っていたんだもの。

アマテラスの代わりにスサノオを岩戸に隠してもよかった気がするのは私だけだろうか。

陽キャのスサノオには無理か。


この前シャーマンキングをちらっと読んだとき、邪馬台国の卑弥呼みたいな後ろ姿の総角を結った弥生人みたいな人たちの集まりが描写されていたけど、あんな感じなのかな。

神と自分たち人間を同じくするのは随分と言い伝えらしさがある。


シャーマン。

自分の存在を空っぽにして過去の英霊を呼び起こす超越した能力の持ち主。

悪どい敵や悪霊、地縛霊を鎮めたりして世界を救うお話、らしい。

まだ全部読んでないけど、きっとそんなお話。


そもそも睡眠時間が短くなったのは最近の漫画アプリが無料で限定公開、全話公開なんて謳い文句をつけてユーザに読ませようとしている商略のせい。

私は見事にそれにはまっていると言うわけ。

自分だけの責任じゃないことを今一度ここで確かめてみる。


ここではまっている漫画を1つ。

『ザ・ファブル』

めちゃめちゃ面白いね、これ。

”組織”に属する主人公は暗殺者の最高傑作として気に入られているのだけど、一般人に紛れて1年間過ごせとボスから命令が下る。

相棒の女と一緒に一般人らしい”普通”の暮らしをしながら大阪の裏社会と関わるうちに、更なる闇の手が迫る。

平和を求めて生活する暗殺者2人の素朴だけど馬鹿らしい”普通の”日常と対比されるシリアスシーンが魅力的。

日常の中の非日常・・・いいじゃないかいいじゃないか。

私の中の井ノ頭五郎が良い作品の匂いをかぎつけた。

読めば読むほど止まらなくなってしまう。

続きが気になるタチなのが私の良いところでもあり悪いところ。

悪いところが理由なのは当然、寝る時間が減っているから。

何もかも全部自分の欲望に従っているからそういうことになる。

朝帰りにになるのも結局そればかり優先して、やるべき仕事をちょっとずつ後回しにした積み重ね。


全部自分のせいなんだよね。

なんとかするのは自分次第、なんとかしような。

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