16日目 シン・エヴァンゲリオン劇場版:||⑥
彼曰く、ずっとここにいていいんだよ。
***
凄惨な事実。
自分が犯した過ち。
世界を巻き込んだ崩壊と生命の強奪。
そのすべてが自分の行動1つで起きてしまったことだった。
自分のことだけでさえいっぱいいっぱいだったシンジ君が。
ただの一人の少年が抱えるには重すぎる責任。
感じる暇もなく、ただ一人の支えだったカヲル君の死を目の前にして、
シンジ君の精神は完全に限界。
頭も心も空っぽになってしまったシンジ君。
そんな彼をイライラと文句を言いながらも引っ張って歩かせるアスカ。
何か感じるものがあったのかついて行く、序破とは別人のレイ(仮称)。
真っ赤に染まった大地を抜け、やはり赤く染まった街中を行く3人の前。
一台の車がやってきて、おもむろに止まります。
ものものしい作業着、まるで原子力発電所か、最近研究所の隔離施設か、
全身を覆って何が入っているのか分からないものが現れる。
「やあ」
唯一、人の言葉を発していることだけが、その中身が人間であることを示していた。
しかも、その声は聴きなれた声。
観た人で驚かなかった人はいなかったのではないだろうか。
観ていない人のために、これが誰だったのかは伏せておく。
是非自分の目で確かめてほしい。
舞台は移り、集落のような場所。
ネルフとヴィレの関係者以外、すべての生命が消滅したと思っていた世界には、
まだちゃんと生きようとしている人たちがいたのです。
Qのラストからずっと赤黒い、ダークな世界か、
あるいは赤く染まった痛ましい世界か。
ずっと暗い風景ばかりだったので、急に緑が広がる情景はとても不思議で。
少しばかりでは抑えられないほどきれいに見えた。
赤、すなわち血。
赤い海もそうだけど、世界を構成する要素としては見ていられない色。
アクセントどころか、赤が主体なのでは、見ている側もつらくなってしまう。
緑、すなわち自然。
世界のあるべき姿として想像することの多い色。
青、緑、碧、どれも生き生きとした、生気に満ちた印象のある色。
視界に入るだけで心は落ち着き、安らぎを得る。
劇場版だからなのか、それとも最近のアニメだからなのか。
最近の映像では色の使い方がかなり細かく調整されている印象。
単なる青や赤ではない、碧や紅などの普段意識して使わない色。
微妙な色の変化にも過敏に反応してしまう。
なのに、いやだからこそ。
全体の印象としてのテーマ性を持った色の対比は効果的。
やはりモノクロよりも、伝えたい映像の意志が分かる。
そんな色にも注目して観てもらいたい。
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