10日目 シン・エヴァンゲリオン劇場版:||②

彼曰く、逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメ


 ***


サービスする気もない予告編で終えた昨日の日記。

書いてるのは日曜日でまたまとめて書いているのだけどもそこはお気になさらず。

たまには忙しくて日記がおろそかな日もありましょう。

その間ずっと宇多田ヒカルの『One Last Kiss』聴いてたから許されるはず。


はず。


『One Last Kiss』今週の急上昇チャート1位、おめでとうございます。


週末にほぼ確実に流れるであろヒットチャート紹介ラジオでの台詞を、

今のうちにこの場で言っておく、と言っておけば、

未来からのお告げみたいになるから書いておきました。まる。


いや、本当におめでとうございます。


エヴァと言えば、ミサトさんの予告編。

エヴァと言えば、メカバトルアクション。

エヴァと言えば、ダークでシリアスでスピリチュアルな世界観。

そしてエヴァと言えば、宇多田ヒカル。


新劇場版限定にはなりますが、宇多田ヒカルの歌があってこそ、

エヴァはエヴァたりえるのではないかと思います。


序:Beautiful World

破:Beautiful World -PLANiTb Acoustica Mix-

Q:桜流し


『序』『破』のBeautiful Worldはハウスミュージックのようで、

アニメの主題歌としてはもったいないくらいだと思います。

ドライブ中に聴くとマジ上がる。

歌詞も凄くしっとりしていて、一途な愛。

切実に求める、1つの居場所。

シンジ君の気持ちを汲み取っているようで、とてもいい曲。

それに走りながら聴くとマジ上がる。


桜流しはすごく幻想的で、かつ犯罪的な曲。

『Q』は当然並びで言えば序破急からとったんでしょうが、

それにしても急転直下の内容すぎて、観客はみんな置いてけぼりでした。

まさに前回の私と同じ。

世界が14年もしたらどれだけ変わってしまうのか。

街も、人も、組織も、仲間も、親も、友達も。

なのに自分は変わっていない。

違和感しか感じないのはシンジ君だけじゃなかった。

あのとき、劇場に足を運んだ人はみんな違和感しか感じなかったでしょう。


「これはいったいどういいう話なんだろう?」


当時私も映画館で観たという先輩が言っていました。

憤懣、疑問、失望、不満。

いろんな感情が入り乱れているだろう観客を愚弄するように流れる曲。


桜流し。


ぐちゃぐちゃになった感情が見事に流されて、

感想も何もびた一文残らない作品。

多くの人がそんな感想を抱いたそうです。

ネットで騒ぐ人たち同様、私も理解に苦しみました。

意味が分からなかったし、どういう感情で見ればいいのかも。


だから何度も何度も見返しました。

映倫の文字が現れるところから、最後の映倫が消えるまで。

そのたびにエンドロールで毎回流されていました。

桜のように。


「理解なんてしなくてもいいじゃん、こんなにも観ているんだから」

どんなに理解不能でも、難しくても、不満があっても、

何回も観るほど、観たいと思うほど、『エヴァ』が好きなんだ。


赤い大地を歩いていく3人の背中を見送りながら、

毎回そんな感想だけが残っていたのです。


だから幻想的で、犯罪的。

観客に理解を求めない、なのにこんなに惹きつけられる。

理由は分からない、原因も分からない。

そもそも使っている単語も、世界観も、コンテクストも難しい。

でもそれでいいじゃない。

ハマっちゃったんだから。


そう、オタクに限界はないんですよ。

逃げることにさえ臆病なんですから。

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