4日目 おこもり
彼曰く、何もしない、それがいい。
***
お正月。
三が日は終わり、大人の冬休みも終わりです。
早い人は今日から仕事始めという人もいるようですね。
お疲れ様でございます。
今年も日本のため、社会のため、国民のために汗水たらして働きましょう。
ちなみに私は明日から。
みんなが汗水たらして働いている中、
惰眠を貪ってみんなの分の寝正月を達成しておくから、気に留めないでね。
ずっと、ここにくるまっているからね。
そう思っていたら、見事に大寝坊をかましてしまいました。
時刻は午後4時、外から入ってくる空気はもう肌寒く、
日差しがオレンジ色に変わっています。
すっかり夕方、私の朝は夕方になってしまったんでしょうか。
冬休みの密かな目標にしていた「朝型の生活になる!」宣言は、
いったいどこに行ってしまったのか。
このままでは1年ずっと朝方になること叶わず、
無様に生きる1年間になってしまうかもしれません。
それは嫌だ、あれは大みそかに立てた目標なのでまだ大丈夫なはず。
私の2021年はこれからだ・・・。
そう、私の2021年、真の年明けは明日なのです!
仕事始めが私の年明け。
慣例では三が日の間に年始の挨拶は済ませておくべきでしょうけれど、
一番明けたことをめでたく思うのは、たくさんの人と会う明日から。
明日には会う人会う人、すべての第一声が「あけましておめでとう」。
1年間で一番付き合いの長い人たちに対する挨拶。
誰にでも等しく与えられた1年をまたお付き合いいただくための祝辞。
特定の誰かに対してでなく、自分を含めたすべての人に対する祝いの言葉。
既に挨拶を済ませた人も、これから会うであろう人も、
まだ見知らぬ誰かにさえ向けて、新たな年をともに迎えることを祝福する。
神に対する祝詞に等しい、人と人との尊き交流。
初詣、おみくじ、その他それぞれの神事を終えたなら、
次にすべきは人事でしょう。
人付き合いに乏しい私がこの社会で生きていくには、
どうしようもなく人を大切にするしかないのです。
であれば、神よりも身近な人が大切なのであれば、
年の初めの挨拶をきちんと果たしておくのが”人事を尽くす”というものでしょう。
もちろんそれで終わりではありません。
他にもやるべきことはいっぱいあるし、やりたいこともいっぱいあります。
挨拶はあくまでその第一歩。
1年のこれからをよりよくするために、私の人生をよりよいものに彩るために、
明日の挨拶はしっかりせねば。
それにはまず明日、ちゃんと会社に出ないといけません。
体調不良なんてもっての外、今年も感染症の脅威はまだ去っていませんから。
何か変な気に当てられないようにするにはやはり、
家にこもって何もしない、結局それが一番いいのです。
そうして、まだぬくもりが残るベッドに戻っていくのです。
3日前から残りのわびしいボディーソープを買うことも忘れて。
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