23日目 すっきり

彼曰く、部屋が広くなった気がする。


 ***


先日秋服を買いに行くと、クローゼットがぎゅうぎゅうになりました。


遂に整理をする時が来たということです。


必要性に迫られてというわけではなく、

自発的にそろそろした方がいいかなーと思ったからでありまして。


決して今まではちょっと面倒だったからやらなかったとかそういうわけではない。

そういうことにしておきます。


季節の変わり目は衣替えと旬の食材、それから部屋に入る外の空気。


母が季節の話をするとき、そうした話題から始まりました。


衣食住が人間生活の基本とはよく言ったもので、

四季の移ろいでさえ、生活の一部として楽しめる豊かさ。


日本人の心の深さですね。

ある意味なんでも自分の尺度で測ろうとする欲深さでもある気がしますが。


それはそれとして。

衣食住に変化があるということは、

一番の基盤となる住環境に最も変化が反映されると言っていいでしょう。


服装が変わればそれを置くための場所が必要になります。

秋の始めの今は活躍の場はないですが、

私はコートやマフラーなど、定番の防寒具が出てきたら、

すぐに取りだしやすいよう、手早く着ることができるよう、

クローゼットの外に出します。


すると自然と部屋の空間の一部が占拠されることになるのです。

壁伝いにハンガー掛けが設置されている部屋なので、

わざわざワードローブ的なものを買うつもりは今のところなし。

普通なら床からある程度の高さまで物が置かれることになるところを、

備え付け装備のおかげで楽ができるということです。

私の部屋の数少ない利点と思います。


そうすると不思議なことが起きます。

空間の一部は確かに占拠されたものの、

床には影響が見られないので、ちょっと得した気分になるのです。


実は連日の片付けで、床には本が散乱していました。

あくまで整然と散乱していたのですが、

そのおかげで足の踏み場が全体の70%くらいだったのです。

神原の家ほどではないのでまだいいかなと。


クローゼットの片付けとともにベッド下収納もまとめてやったことで、

本が積まれていたスペースが空き、床が広く感じたのです。


今まで適当に物を置いていた私を叱ってやりたいです。

世界はこんなにも広いんだと、声高らかに。


部屋の整理が進んだことが嬉しくて興奮していたんでしょうね。

もののついでにぎゅうぎゅうになったクローゼットの整理で、

着ていない服を処分することにしました。


私の場合、1年間着なかった服は処分することにしています。

いつか着る・・・と思っても服にふさわしいシーズンはたいてい1年サイクル。

その間着ることがなかったということはお役御免な訳で、

取っておいてもタンスの肥やし、最悪カビの温床に。


他の服にもよくないですし、何より部屋の環境によろしくない。

整えるなら住環境から。

衣食をしっかりしたいなら、住環境の整頓から入るべきなのです。


ということで服も着るものを見繕って、不要なものを選別しました。

これでまた新しい服を楽しめるわけです。

今年のAWも楽しくなりそうですね。


 ***


ところで、床の表面積がまた80%くらいになっています。

なにやら布類が置いてありますが・・・、

さて私の部屋の床が全体をさらす日は来るのでしょうか。

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