誰かに向けてるひとりごと

26日目 てんやわんや

彼曰く、あっち行ったりこっち行ったり、しっちゃかめっちゃか。

朝から大変な一日。

誰かと話してはどこかに移動して、

また別のところで話をして。

戻ってきたと思ったら今度は電話をして、

色々と来る人の対応をしながらも手元の作業を進め、

集配の時間に間に合わないもんだから、

とりあえず話すこと話して今度は外出。

何週ぶりでしょうか、

動くだけでなく話すこともしながら仕事をするのは。

先週月曜無双の舞が機械的な作業のルーティン作業なら、

今日の狂気乱舞の働き姿はさながら一夜の渾身の舞。

普段意識しないことにも頭を回して考えつつ、

自分なりの筋道と答えが出てくれるように各所確認をして、

自分からも動くし、相手が動いてくれるように仕向けておく。

時に間違えてしまっても、あまり目立たない動きだから誰かに

怪訝な目で見られることもありません。

正直なところいくつか失敗したことや、

忘れていてそのまま帰ってしまったこともあります。

しかし今日はそんなことも言っていられない。

とにかく来る仕事来る仕事、やるべきタスクをさばいていかねば、

今日のところは生き残れない。

ひとまず走り切ることを目標に、

昼休憩もそこそこに動き詰めでした。

百発百中とは言えないながら、数打ちゃ当たる戦法です。

確実な結果が見えるばかりでもないのが私の仕事。

試行錯誤と幾多の失敗と先人の浅からぬ知恵、

自分の経験とちょっとの勘をもとに、

どうすれば計画通りに事が動いてくれるだろうか。

人間に不老不死がないように、

世の中には限度というものがありますから、

多少の誤差は仕方ない。

それは出てから考えればいいこと。

少しでもその不安を減らすために、

事前準備をある程度してから作業を進めるのが一番いいですが、

何事も新しいことはあるもので、

上手くいくかはやはりやってみないと分かりません。

最初の一歩が踏み出せるか。

大人になっていろんな経験と余計な先入観が入ると、

今までと違うことというのはなかなか始めることが難しい。

慣れ親しんだ習慣をごっそり変えるというのはストレスで、

もとの楽な生活をすぐに求めてしまうのです。

でも「これをやる」と決めて行動を起こすのは案外簡単なこと。

一度思考、動作、感情をすべて停止させて、

頭を真っ白にする。

そして5秒数える。

5、という文字、あるいは音が、

自分とは違うところでこだまして、反響して、

自分に返ってくる瞬間があります。

そのタイミングに合わせて、メトロノームに合わせるように、

目を見開いて動き出すのです。

そうすれば、何か行動したいと思っていることに、

気持ちも体も集中することができるのです。

今日みたいにてんやわんやしていながら、

会社で最後の仕事をする前に、

書き損じた昨日の日記を書いてしまおうと思ったのも、

事前の5秒があったからこそできたことです。

マジックナンバー5。

なかなか昼休憩を取れないとき、

買い物に行かないといけないのに行く気になれないとき、

流石に起きないといけないのに惰眠を貪ってしまうとき、

片手でついいじってしまうスマホを手放したいとき、

誰かにメッセージを送りたいとき。

一度呼吸を落ち着けて、5秒数えるのは意外に効果がありそうです。

この調子で小説の筆も進めたい。

そのためにはそろそろ休暇申請をしないといけません。

心配事は多いですが、明日出勤5秒後に、

近日での休暇申請を出そうと思います。