夏の円盤
あらむ
*
なんかが、光って、坂のむこうへおちていった。
夏、夕暮れどき。花火のひかりに似て、しかしちがう。
ほたるはあんな風には飛ばない。
ちょうちんをさげて、暗いあぜみちをあるく。かえるやむしの声につつまれる。
坂道にでる。かわいた土をふんで、のぼっていく。
あの光のしょうたいは、なんだろうな。
火の玉、プラズマ、おばけ、ミサイル、焼夷弾、隕石、・・・。
空飛ぶ円盤じゃないのか?みかくにんなんとか。
この坂は、こんなに急だったかな。こんなに暗かったかな。
あれはフクロウがないているのかな。風がふいていない。月はでていないのか。
坂のむこうがわには、なにかが待っているだろう。
宇宙人、天使、妖怪・・・。
えたいのしれないなにかが、なんでもいいから、つれさっていくんだ。
天国、地獄、あの世・・・。
別の世界にひきこむのだろう。
夏の円盤 あらむ @solarissiralos
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