夏の円盤

あらむ

なんかが、光って、坂のむこうへおちていった。

夏、夕暮れどき。花火のひかりに似て、しかしちがう。

ほたるはあんな風には飛ばない。

ちょうちんをさげて、暗いあぜみちをあるく。かえるやむしの声につつまれる。

坂道にでる。かわいた土をふんで、のぼっていく。

あの光のしょうたいは、なんだろうな。

火の玉、プラズマ、おばけ、ミサイル、焼夷弾、隕石、・・・。

空飛ぶ円盤じゃないのか?みかくにんなんとか。

この坂は、こんなに急だったかな。こんなに暗かったかな。

あれはフクロウがないているのかな。風がふいていない。月はでていないのか。

坂のむこうがわには、なにかが待っているだろう。

宇宙人、天使、妖怪・・・。

えたいのしれないなにかが、なんでもいいから、つれさっていくんだ。

天国、地獄、あの世・・・。

別の世界にひきこむのだろう。

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夏の円盤 あらむ @solarissiralos

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