第151話 クームの受難。3

「それでは、ルーレット~~~~~~~スタート。」


ピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッ。


「え?え?これどうするの。」

「ここぞと思う時にこのストップボタンを押してください。」

「こ、こうですか。」


 ポチっとな。


ピッピッピッピッピッピッ ピッ ピッ ピッ ピッ。


「ブラジリアン、紐、いやタワシ、タワシが来るか。」

 楽しそうですね、ウルトゥムさん。


ピッ ピピピピピ!


「おおぉっと、来たのは旧スク水+ネコミミだぁああああ!」


ドンドンパフパフ~~。


 どこから現れたのかニャルも加わって囃し立てていた。


「それでは水着も決まったことですし、クームさんにはこちらで着替えてえもらいましょうか。」

「え!着替えるってここでですか。みんなが見てる前でですか。」

「大丈夫、このカーテンの中で着替えるんですよ。」

「薄布一枚じゃないですか。」

「それが醍醐味。」

 もはや涙目のクーム。

 しかしクームは逃げなかった。

「やってやります。」

 そう言てカーテンの中に入っていったクーム。


 ちくたくちくたく。


「うぅ~、勢い込んだはいいけどやっぱり恥ずかしい。」

「クーム、がんばれ~。クームならできるさ。」

 そこにヤーガから声援が飛んだ。

 それを聞いたクームは、

「着替えがなんぼのモノよ。」

 と、勢いよく服を脱ぎだした。


「なぁヤーガ、自分の身内が見世物になってんのにいいのか。」

 十全がヤーガに聞いてみると。

「いいんですよ。ボリアには「身内の恥は晒せ。」ってことわざがあります。」

「マジか。」

「今ヤーガが作りました。」

「マジかぁ。」


 ちくたくちくたく。


「うんしょ、うんしょ。この服脱ぐのに時間がかかるのよね。おしゃれすると装飾が増えちゃって。」

 そう言いながら服を脱いでいくクーム。

 脱いだ服を脱衣かごにキレイに入れていく。

 下着を脱いでこれもかごに入れて、着替えの水着を手に取った。

「…………何かしらこの紺色の水着は。なんで胸の白いところにクームの名前が書かれてるんだろう。」

 広げてみてしげしげと眺めてみる。


 ちくたくちくたく。


「それでこれってどうやって着るのかしら。背中にファスナーはツイてないわね。???どこからどう入れて出すのかしら。」

 こう、いやこうじゃない。ならばここかしら。

 そんな言葉がカーテンの中から聞こえてくる。

 そしてこんな時、カーテンの横にあるタイマーが減っていっている意味を理解できているものは少なかった。

 暁とウルトゥムはニヤニヤしながら、何処かワクワクしていらっしゃる。

 十全は頭を抱えているが、止める気はもちろんなかった。

 そして意味が解ってない人たちは頭にいまだに?を浮かべていた。


 そしてついにやって来た、タイマーがゼロになる瞬間が。


 スットーン。


 それはキレイなまでに、しかししっかりと重力に従って地面へと降りていった。

 それはカーテン。

 中で水着に着替える間、皆の視線を遮る役割を果たしていた尊き戦士。

 しかし彼は力尽きた。

 さだめられし寿命を迎えて、志半ばで地に落ちたのである。

 そうなれば、中で着替えていたクームが丸見えになるのが道理である。

 水着に足を通そうとすっぽんぽんで足を上げている彼女は、綺麗な褐色の肌をしていた。

 それからいろんなものが見えちゃっていたが、なるほど、赤毛は下も赤毛か。


「きっ、きゃああああああああああああああああああああああ!」


「せめてタオルを投げ入れてやれよ。」

『旦那☆そんなこと言ったて、目はそらさないし満足感が流れてきてますぜぃ♡ゴチです。』

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