第152話 クームの受難。4
さすがに丸見えのままでは可愛そうということで水着を着させてもらえたクームだったが、だが、彼女の試練はこれからなのだ。
お約束のようにお立ち台で水着姿を披露させられる。
旧スク水はクームには少し小さいくらいなため、お尻のあたりがむっちりしてしまっている。
こうお肉に布地が食い込んで、健康的な褐色の肌色がつるりとした曲線を描き、柔らかさとしなやかさが見て取れる。
『旦那、感想がオヤジ臭いですよ♪』
(うるさい。ほうっておけ。)
しかし、悲しいかな、お胸は凹凸が控えめだったために縫い付けられた名札の文字が良く見える。
そして赤髪に合わせた赤い毛のネコミミがツインテールと相まって、ツンデレ感を強調している。
それを見たヤーガは、
「首輪があれば奴隷として売られるウルタール人みたいですね。」
「お前は自分の姉妹が奴隷になっても笑ってられるのか。」
「ヤーガの奴隷でしたら喜んで。」
と、淡々と言う。
「おまえって、意外とSだよな。」
「だってクームがあんな子なんだもん。」
「気持ちは分かる。」
実際クームはいじりがいがある。ついいじめたくなるような雰囲気があるというか、コミック ボン〇ンでやってた「フルカラ〇劇場」のジムのイジメてオーラのようなモノが見えるのだ。
まあそんなこんなで、皆疑問を持っていてもクームのあられもない姿を見つめて恥ずかしがらせていたのだった。
この時点で結構涙目なクームだったが、その肩をポンッと叩くものが居た。
ウルトゥムである。
彼女はクームの肩を掴んだまま、背後を親指で指し示す。
「あの、ウルトゥム様、アレは何ですか?」
「お風呂です。」
「透明で透けてますね。」
「そうですね。」
「あれをどうするのですか。」
「入るのです。」
「誰が?」
「貴方がです。」
「ですよねぇ~。」
結構どころか完全な涙目になるクームであった。
「それじゃあ入りますよ。」
お風呂の淵に両手両足でつかんでまたがっているクームが叫ぶ。
その姿は色気より滑稽であった。
「本当に入りますよ。」
クームの手足がプルプル震えている。
「本当のほんt―――――
「いいからはよ入れ。」
クームはウルトゥムに支えにしていた手足をだるま落としみたいに外されて、熱湯の中に落ちた。
「あちちちちちちちちちちちちちちいちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちち。」
落ちると同時に飛び出してきたクームは床を転がる。
「全然ですね、もう一回。」
「マジっすか!」
「マジです。あとちゃんと浸かってお尻を底に付けなければなりません。」
「そこまでしろと。」
「クームはボリアの代表でしょう。はい、ボリアのいいとこ見てみたい~。」
ウルトゥムさん、それ使いどころ違う。
「いいわ、やってやろうじゃないの」
といき込んで再挑戦するクーガ。
今度はちゃんとお尻が底についているのが見えた。
「うわーん、もう無理。」
と、数秒でギブアップしたのだった。
「いいでしょう。ではこちらに入ってください。」
クームは火傷こそしていないが、湯上りの火照った肌を晒したまま”例”のボックスに入る。
ちょうど十全の真ん前だ。
「さぁ、言いたいことがあるんですよね。伝えていいですよ。ではスタート。」
そう言われてクームは改めて十全の顔を見た。
十全を目の前にしたことで恥じらいを覚え、今の自分の恰好を思い出したことで、肌を隠そうともじもじし始める。
それを見て十全は強い口調で、
「おい、言いたいことがあるなら早くしろ。」
と言った。
ドキン。
クームの胸が高鳴った。
実はクームは強引にこられた方がときめく娘なのだった。
「じ、じつはクームh――――
ド――――――ン。
そこで扉が落ちた。
「なんでよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお。」
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