第129話 中隊編成~チュートリアル~1

「まず初めに、お前は異界に対してどういうアプローチをとるつもりだ。」

「と、言いますと?」

「異界に部隊を送って調査して、どういう結果にしたいかってことだよ。」

「うーん。最初の目的はあそこにダムを造る予定だたんだけど。」

「ああ、天ケ瀬ダムか。」

「え、あるんですかあそこにダム。」

「知らずに作るつもりだたのかよ。」

「ダムによる水力発電所を造ろうかと思いまして。」

「まあ、あそこは治水と一緒に発電施設を兼ねた多目的ダムだから間違った使い方じゃないけどな。」

「詳しいですね。」

「いや、アニメの「響け、〇ーフォニアム。」の聖地に認定されてるからな。」

「聖地って、確からき〇すたとかで舞台になった実在の場所のことですよね。」

「そのらき〇すたをアニメ化した京都アニメーションの制作したアニメだぞ。見てないのか?」

「何年放送ですか?」

「確か2015年。天ケ瀬ダムが出たのは2期だから2016年だな。」

「俺が死んだの2013年。」

「じゃあ見てないのも仕方ないか。」

「映像系はまだそんなに入荷できてないんですよ。」

「まあ、機会があったら見ときな。」

「ういっす。」

「それでもあそこにダムをつくる発想は出るんだな。」

「ウルトゥムが前の戦争で設置した陣地が淀川の氾濫で流されたって話しててね。」

「土地感ないとあるよね、そういうの。」

「それで現地調査に行ったら異界化してたんですよ。」

「なるほどね。じゃあ最終目標はダム建設。それで、今回の部隊派遣は異界の調査、でいいかな。」

「そうですね。」

「じゃあ、まずは異界の状態とおおざっぱな規模の調査をする先遣隊となる訳だ。」

「先遣隊?……あぁ、何も一回で解決しなくてもいいのか。」

「そこは予算と期間、そして見返りの期待度しだいだね。」

「見返り?」

「例えば今回だったら、ダムが作れるか、作ったダムが使った金以上の利益を出せるか?だよね。」

「異界がそれにそぐわなければ。」

「何か不都合がない限り放置するのも手だよ。」

「なるほど。」

「だから調査任務の先遣隊は安全を確保しながら短期間に調査して予算を少なく済ませる必要がある。」

「今回陛下が部隊を好きにさせてくれたのは。」

「最初の異界だから情報はほしいからだろうね。」

「てことは。」

「生きて情報を持ち帰ることが第一任務になる。そのために作戦期間の長さより生存戦略をとるべきだ。」

「となると、少数精鋭の戦闘部隊と工作部隊ですかね。」

「その心は。」

「戦闘があるのが一番重要で対処しなければならないでしょう。それでいて行動は迅速に、ならば少数精鋭。そしてそれらを収める陣地も最低限にして工作部隊を編成、兵站はその分絞っていけば――――」

「うん、言い判断だ。」

「まずは安全の確保をしてから工作隊や兵站部隊を入れるべきでしょう。」

「ならば、お前はその先遣隊をどう編成する?」

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