第114話 君の声を聞かせて。1

(いやぁ~、さすが旦那☆声フェチだけあって鳴かせるじゃないですか♡)


―――――――――――――――――――――――――――――


 ついに、てか本当に側室になってしまった3人、その3人の中から誰を最初に相手する。と、問われて順番を付けれなかった。

 我ながらヘタレと言うか優柔不断である。

 さすがに情けないので、


(いや、煽りに負けただけですよね♪)

(うるさい。いいだろ見栄はったって。)

(でも良いんですか?3人同時なんて♡)

(大丈夫、俺若いし。イケるイケる。)


 そう、俺はなけなしの男を見せるために3人同時に相手をしようとしていた。

(戦力差は圧倒的。しかしここで引いたら多分取り返せなくなる。)

(何をですかぁ~♡)

(男の子の意地プライドってやつ。)

 そして、俺の戦いが始まった。


 まずは相手の戦力分析だ。――――またの名を視姦という。

 ベットに居る3人に近づいていく。

 てかベットデカいな。いつの間にこんなの用意したんだ。

 いや、今はそういうのはいいか。

 それよりも。


 まずは雫だ。

 清楚でまじめ系の雫だが、以外にもその体はメリハリがあってエロい体つきをしている。

 武人として鍛えられているだけあってその体には余分な脂肪がついていない。

 ただの一点を除いて。

 いや、一点じゃないな、2つだ。オッパイは2つあるんだ。

 いやいやいや、それにしても服の上からでも大きいのは分かっていたが、こうして開放された姿を見ればなおのこと圧倒される。

 しかもこれにまだ下着が残っているんだぜ。

 どんだけだよ。

 すでにご飯3杯はいけるぐらいのオカズだ。

 後オッパイだけじゃないんだぜ。

 うっすらと筋肉の浮いたお腹とか、手足も細いけどしっかり筋肉が付いてるからやわな感じがしない。

 なのに柔らかそうなのだ。

 ガチムチ系じゃなくてネコ科の動物のようなしなやかさがある。


 ゴクリッ。


 おいしそうだった。

 だがまだだ、そんなに急いでがっつくな。

 下着を剥くのはまだ待て。

 待てと言ってるだろう。静まれ俺の右腕。

 勝手に手を出そうとする右腕を掴んで止める。

 なんてことだ、まだ見ただけだぞ。

 にもかかわらずこちらは冷静さを失って浮足立っている。

 だが、それも仕方ない。

 

 だって、黒だぞ。


 黒のパンティーと黒のブラジャーだぜ。

 あの真面目が服を着ているような雫が黒い下着を履いてるのはギャップがあってたまらないだろう。

 俺の理性は命令を待たずに突撃を始めてしまいそうになっている。


「ミチル君、いいんだよ。」


 ってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ、何誘ってくれてんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお。


 上目使いで顔を赤らめながらも、その瞳は期待にうるんでいる。

 そんな雫見たことない。

 これが俺のモノ。


 だから待て。

 ……少し別のことを考えて気を紛らわせた方がいいだろう。

 そうだ、声だ。

 雫のこの声をまだ声優に例えてない。


 どうせ妄想だし。

 実現しないなら言うだけタダなのだ。


 トレース・オン。


 雫の声を脳内再生。

 しかる後に好きな声優の声で一番近い声を割り出す。


 見えた!いや、聞こえた!


 雫の声は水樹 〇々さんだ。

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