第113話 ハーレムタグは外せない。
「と言う訳で、東雲さん家の暁さんも俺の側室になりました。」
後日、もろもろの手続きが済んでから十全は騎士団の団員に先日決まったことを報告した。
高田、太田、小室の3人は引いていた。
「その、領主様。我々の立場でこういうのはおこがましいと思いますが、――――流石に節操がありませんよ。」
と、高田に言われた。
「元とは言え、さらに義理であっても、ハーレムに妹を入れますか。」
「大変ごもっともなご意見ありがとう。でもこれには大人の事情があってだな。」
「大人の事情というより大人の情事ではないのですか。」
「うぐ、……上手いこと言うじゃないか。」
「冗談のつもりはなかったのですがね。」
とか高田と言い合っていたら。
「くそーう、暁さんのこと狙ってたのに~。」
とか太田が頭を抱えてカミングアウトしていた。
「ははは、妹は誰にもやらん。」
「くそう、領主じゃなきゃ殴ってますよ。」
そしたら暁さんは、
「私は兄さんを取られたんだけどね。」
「ミチル君だけズルいよね。」
雫もそんなことを言ってくる。
別に俺が望んで作った訳じゃないんだけどね。と思うも、「黙れ、ヘタレハーレム主人公」って言い返されそうなので言わない十全。
「これはともすると、――――騎士団そのものがハーレム候補なのではないのか。」
とか小室が言い出した。
「そんなおぞましいことあるかぁ~!」
『はっはっは~、別に良いぞ。騎士団を全部ハーレム化してしまっても。』
「しませんよ。」
十全は昼にあったことを紅玉帝陛下に語ったらこう返された。
ちなみに定期報告で、本来の相手は隊長だった。
しかし、案の定通信には陛下が出て来た。
最早慣れた十全だった。
『だがハーレムを増やしたければ遠慮なく増やすがよい。』
通信機に付けられた画面の中で紅玉帝がニヤニヤしながらはやし立ててくる。
「そんなつもりはありませんよ。」
『それでもすでに3人ではないか。」
そう3人だ。
ウルトゥムを除いた3人、ニャルの側室入りもいつの間にか決まっていた。
いくら十全がロリコンだといってもニャルをそういう風に見ていなかったので、決まっていた時は驚いた。
『それで、もうヤッタのか?』
「何をですか。」
『とぼけるでない。セ〇ッスじゃよ。』
またこの人は。
立場に反して下世話と言うか、なんかオタクっぽいのだ。
まったく、伊〇 静さんみたいな声してるのになぁ。
ちなみに、十全はどうせアニメになる訳じゃないしここ異世界だから、と知り合いの声を日本の声優さんに当てはめてみたりしていた。
『まぁ、ヘタレるのはいいがちゃんと子供は作るのじゃぞ。貴族の務めじゃ。』
なんてことを言われて通信を終えた後に部屋に戻ると、
「それではミチル。今日の相手を選んでください。」
と、ウルトゥムに出迎えられた。
その後ろにはランジェリー姿の女の子が3人ベットに腰かけていた。
「あの……これは?」
「はい、手続きも済みましたし彼女たちとも交わってもらいましょうと思いまして、ご用意しました。」
「えっと、俺に誰からか選べと。」
それは側室に対する序列を俺がつけるってことで、そういうのはちょっと――――
「ミチル君のヘタレ。」
「兄さんのヘタレ。」
「ヘタレってなんですか?」
と、ミチルのヘタレた思考を読んでか3人が顔をしかめて貶してきた。
「ミチル、起ちませんか?」
プチンッ!
さすがに腹が立った十全は。
「良いだろう。全員まとめて相手してやる。」
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