第16話 甲型機動甲冑

甲種兵装というものがある。


これは大和帝国の主力兵装である。


甲種と付くのは兵器の制御システムと人間の神経系をリンクさせたモノ、ラノベやSFアニメなどに出てくるマンマシーンインターフェースシステムという奴だ。


これに加えて地球人がこの世界に来たことで獲得した体質、マナを取り込むことで身体能力が上がる。


マナはこの世界に存在する魔法を使うための大気成分とされている。


甲種兵装自体にもマナを用いている。


この二つの力を人間が獲得したことで、物量に勝る異星人たちに勝利する力を得たのだ。


旧来の、異世界転生する前の地球の兵装も使えるがマナを使わないものでは重火器などの性能が落ちるため殺傷能力が心もとない。


それらでも生き残っていた勢力がいたことは同胞としてほこらしい。


それでも、異星人の技術力が中世並みだったとしても、(異星人は星間航行技術を持っているが、これはこの宙域の恒星の力が惑星間を海の潮のように働いていて、これを利用したものである。実質的には宙を渡る帆船である。)彼らの中にはファンタジーに出てくるような魔法を使う者や、鬼人種オーガ巨人種ギーガースなどに加えドラゴンもいる始末である。


特に巨人種や大型のドラゴンに至っては戦略兵器とも言ってよい脅威であった。


これに対抗するために開発されたのが甲型機動甲冑である。


簡単に言うと人型機動兵器である。


大きさは大型の鬼人種と同じくらいの5メートルほどである。


それでもマナの運用効率がすごく、10メートルを超える巨人種と殴り合える超常的な力を発揮する。


そんなすごい兵器であるがコレはまだ試験運用段階である。


特甲技研トッコー技研、正式名称・特別甲種兵装開発技術研究機関。


この特甲技研において開発された甲型機動甲冑は俺の居た実験部隊で、俺達にはそうとは知らせられることなく使用試験が行われていた。


そして先の決戦。


これはボリア帝国からの侵攻であったが、この戦いに十分な運用データを出していた俺達の部隊が投入された。


具体的には、敵主力を帝都周辺に展開した主力部隊の防衛ラインに引き付ける。

そこに敵の後方に迫撃砲を雨あられと降り注がせる。

これにより敵の戦力を削りながら後退をさせないようにする。

そしてこの迫撃砲に紛れて我が部隊は甲型機動甲冑で打ち上げられた。

目標は敵主力後方であった。

俺等は高速機動戦用の甲型機動甲冑、通称B型で敵後方に打ち込まれた。

B型のユニットはバイクのような高速機動から4足の虫みたいな状態に変形して機動戦ができる仕様で、これで俺達は敵の輸送部隊や物資集積所を攻撃して回った。

そうして、散々暴れていた俺だが敵の巨人種との戦いで機体が半壊、脱出後にコソコソしていたら予想以上に前線に出てきていた敵本陣に突っ込んでしまったわけだ。


その結果が敵大将のウルトゥムとの一騎打ちにいたり俺は大将首を(切ってはいないが)上げてしまったのだ。


このようにして俺は領地を与えられたのだが、この時に半壊した機体は回収されて戦闘データが回収された、結果、この機体は正式に俺のものになってしまうだけでなく、特甲技研の所長によっていろいろ弄られる事件機体、もとい実験機体になってしまったのだ。


今回は複座型だったのだが、「じゃぁ誰が乗るんだ?」と言ったらウルトゥムが連れてこられたわけだ。


で、試験データを取るついでに領地にウィズが立てたという屋敷を見に行ったというわけだ。


てか、一応上では決まっていたことらしいがウルトゥムの扱いガバガバじゃないか。

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