第3話 悪魔は笑う。

「もう一度あえて言おう☆旦那はかくれロリコンですからね~♡」


突然俺とウルトゥムの会話に入ってきた言葉、俺の相棒の悪魔の声であったが、その声に突然放たれたうえに出所が分からなかったためにウルトゥムは臨戦態勢をとる。


てか、その剣と盾は何処から取り出したんですか。


正直、ウルトゥムを傍に置くのは安全面で信用できるのか。


そんなことを思っていると一人の少女が俺の座っている椅子の裏から現れた。


「貴様、何者だ。」


「ボク?ボクの名前はウィアード・テイルズ。愛称はウィズ。よろしくね♡、ヴルトゥーム。」


「貴様、喧嘩を売っているのか。ワタシの名前はウルトゥムだ。」


「うんうん、わかているよ。軽い冗談だよ。ウルトゥム♡。」


軽い冗談だという悪魔、俺の相棒のウィズの軽口に、冗談だとは思えないような憎悪を顔に浮かべているウルトゥム。


まずいって気しかしない。


とりあえずはこの場を取り繕うためにこの悪魔を紹介する。


「あ~、ウルトゥム。こいつは一応敵じゃない。オレが前世で契約した悪魔、ウィアード・テイルズ、通称ウィズだ。」


「ご主人様は悪魔なんかと手を組んでるのですか。」


「うん♡。」


「おのれ悪魔、どのような甘言でお主人さまを惑わした。」


ウルトゥムは俺の為に悪魔に対して怒ってくれている。……怒ってくれてるんだよな。さっきと比べてやや真顔というか…なんかジト目ですけど。


「安心していいよ、いかがわしい契約はしてないから。例えば「僕と契約して魔法少女になってよ。」とか。」


「それのどこがいかがわしいのですか?」


まぁ、平成のオタク文化を知らなければ分からないよな。


「とりあえずこいつとはいかがわしい取引はしていない。」


そうはいってもこの悪魔の恰好がなんかいかがわしいので説得力がない。


露出が激しいわけでは無いのだが、左右上下と統一感のない模様の服を着ている。特にストライプ柄が目に付く派手派手しさで、見ていてめまいを起こしたような錯覚になる。


これでいて一人称が「ボク」のくせにやたらと仕草が蠱惑的で、性別がつかみずらいところが悪魔っぽいと感じるだろう。


「ボクちゃんわねぇ~、契約者の満足感を食べるんだ♡」


「満足感ですか?」


「そそ♡、何かを達成したときやごはんをいっぱい食べた時、貴重なものを手に入れたときなんかに感じる満足感を僕が食べているんだ。イエーイ☆」


「つまりご主人様は満足感を得られない不感症野郎にされていると。」


「いやいやちゃんと感じてますけど、満足感。」


「そうそう、人間だって食べてすぐに消化しないでしょ♡、ボクが消化するまではちゃんと旦那は感じていますから♪」


「だとしてもなんで悪魔と契約なんて。」


「あぁ、それはだな。」


俺はその悪魔と出会った時のことを思い出しながらウルトゥムに説明した。

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