恋の急展開

「ナイス〜!」


「ファイトー!」


御星の他のメンバーの応援が聞こえる。'

''ピーッ''音が鳴る。


前半終了


今、御星は7点差で勝っている。

私も3ポイントシュートを何本か決めた。


「美葉菜〜ナイスー

このままいけば勝利だよ!

あの場面で3ポイントシュートを

決めるなんて流石だわー」


千晶が私をベタ褒めしてる。


「福原ナイス」


大地もやってきた。


こんな時でも千晶は千晶。


「ねえ今日桜沢くん来てるの?」


「来てないよ。」


「なんだ。残念。

今日の美葉菜の活躍見てたら

アピールになったじゃん。」


「アピールって何よww。」


「千晶ちょっと…」


大地が千晶と二人で話し始めたタイミングで


「飲み物取り行ってくるねー」


控え室に向かった。


だけど…控え室に来た私は

水筒がないことに気づいた。


あれ確かここに置いたんだけどな…


誰か間違えて持ってっちゃったのかな?


慌てて探すけど

結局飲めないまま後半戦が始まった。


「パス!」


「こっちに回してー!」


後半は前半より白熱した戦いになった。


気がついたら終了10分前…


大変!

もっと点差を広げておかないと。


私はボールを持ってゴールに向かって

ドリブルしようとしたんだけど…


“バン“


私からボールを奪おうとした

相手チームの人、


もしくはフォローしようとした

チームメイトの


誰かの足につまずいて転んでしまった。


ボールは手を離れて

コートの外に出てしまった。


そして足の痛み。


マジか…


「大丈夫?」


先生や千晶たちが駆け寄ってくる。


「痛い…」

声を出すのもやっとなくらい。


相手は強豪校だから、

少し力みすぎちゃったかなー。


先生が触診してくれる。

「うん。折れてはいないようだけど

保健室ねー。」

一発で保健室行き、


2年生の先輩に交代した。


「親御さんに連絡するから

1人で保健室行ける?」


ん、ごめんなさい無理です。


千晶…


そばにいる千晶の方を見るが、

千晶は向こうのコートの得点係をしている。この状況じゃ絶対体育館を離れられない。


どうしよう…


その時、「俺が行きます。」

私の体が持ち上げられた。


お姫様抱っこじゃん。

こんな状況だけどハズいよ…


顔を見ると大地だった。

「そう、神田くんよろしく。」


大地はそのまま保健室に向かった。

そして私の体を優しくベッドに寝かせる。

「大丈夫か?」

優しく尋ねてくる。


「多分、大丈夫ありがとう。」


「良かった。」


大地が力が抜けて床に座り込んだ。


「大げさww大げさww」


しばらく無駄話をしているうちに

私はこの前から気になっていたことを

聞いてみた。


「そういえば大地の好きな人って誰なの?」


「誰だと思う?」


「美音ちゃん!」


「はずれー」


「大竹さん」


「やだよ。あんな性格悪い人」


「さやりん?」


「山下に怒られるww」


「谷ちゃん!」


「はずれー」


「分かんない!誰なの?教えて。」


「今俺の隣にいる人。」


「へ…?」


今、保健室に


私と大地しかいないってことは…

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