第23話
「ふたりともおちこんでるけど、だいじょうぶもく? 」
普段ならクルムの心配が嬉しいところだけど、今回ばかりは悲しかった。やはり
「茜、大丈夫? 顔色悪いけど」
「う、うん。ちょっと酔っちゃったのかも」
茜の顔色が見てられない程に悪くなっていた。そして酔ったのはきっと嘘だろう。なんとなくそう感じるも、言葉にできなかった。
人のことをとやかく言えるほど自分の顔色も綺麗なものでは無いだろうなと苦笑する。
「あとすこしでつくもく、はやくねたいもく……」
私の想いは、露知らず
気がつけば、もう
私は、一人覚悟を決める。自分の言葉で、あの状況を説明すること。そして、自分に何か出来ることはないかと尋ねること。人見知りな私にとって、決して簡単なことでは無い。
「湊月は、あれを見てどう思った? 」
「言葉では表せないかな。いつもの私なら話せないことの言い訳でよく使うけど。今回は、本当に、なんて言ったらいいのか……」
「やっぱり、そうだよね。私、あれを上手く伝えられる自信がない」
「私が言うよ。いつまでも茜に甘えてたらだめだと思うし、これが私の成長するチャンスなんだと思う。支え合うのが友達なら、頼り合うのも友達だよ」
茜はありがとう、と照れ笑いをした。そこに小さな涙が光っているのも私は見落とさない。こんなに茜が心を乱しているということは茜には、何か私の知らない大事な過去があったのだろう。
「ふー、ついたもくよ」
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