第12話 任務

 お、思ったよりも元の世界に近いかも。私は、もっとファンタジックな世界を想像していたのだけれど。


「あ、君。なんだ人間界と変わんねーなとか思っただろ」


 私は、見透かされていることに少しドキッとした。もしかして心が読める能力とか持って居るのだろうか。まあ、私はあんな乱暴な言葉遣いはしない。


「私もそう思いました! 」


 よかったあかねと同じ思いみたいだ。さくさんは、はぁと息を着いた。


「あまりにも、人間界と離れると人の気持ちが分からないだろ。俺たちは、人間、ひいては地球上の全ての生物に寄り添うためにいる。なのに、そいつらの感覚がわからないなんて大変だろ。」


 うーん。そういうものなのか。なんとなく後付けっぽい理由にうーんと首を捻る。


さくさんも、神様なんですか? 」


 茜がそう質問する。確かにこの人は全然神様っぽくない。


「一応な。あと名前は呼び捨てでいい」


 呼び捨てで良いなんて、やはり神様らしくない。そして私たちが天界モルンに呼ばれた理由は? 呼ばれたからには、きっとそれなりの理由があるんだろう。


「君たちが呼ばれた理由は他でもない。下とここを繋げる伝言係になること。そして悩みがある神様の相談にのってやることだ。下の世界に巫女っているだろ。あれの天界モルン版みたいなもんだ」


「つまり、湊月みつきと私は人と神様を繋いで神様が困っていたら相談に乗るのが任務ってことですか? 」


 そうだな。と、朔はうなづいた。なるほど、とりあえず戦闘とかでは無くてよかった。しかも、こんなに神様が人間に近い感じなら上手くやっていけそうだ。


「あの、神様ってみんな朔みたいに人間らしい感じなんですか? 」


 これは、確認しておきたかったことだ。念の為。


「まあ、そうだな。うん、皆こんな感じだ」


「なんか言い淀んでません? 」


 なんとなく怪しい。もしかして、透明で見えない神様とかいるのだろうか。すごく癖の強い神様だったらどうしよう。怒らせたら天罰で地上に落とされたりとか。だんだんと不安になってきた。


「とりあえず、この天界モルンの中心部に、先生がいるはずだからそこで詳しい内容を聞け」


「先生って、朔じゃないんですか? 」


 敬語を使って呼び捨てってなんだか変な感じだと今更思う。


「俺は、君たちの面倒を見るのが役目であって、どこのどんな内容の仕事をやるかは知らない。そういったことを先生が教えてくれるはずだ」


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