《コラム》機動甲冑『ボーパレイダー』

機動甲冑『ボーパレイダー』


魔術属性:月光(風+魔)


頭頂高:推定19フィート(※原器が存在しないため参考値)


総重量:不明


主動力:ニュートロンエンジン


搭乗者:不明


装甲材:ウーツ鋼


概要:

白兵決戦型機動甲冑。


十二機存在したとされる機動甲冑の中でも最古の機体。


ルナティア建国当初に発見されたと記録が残っており、ルナティアにおけるあらゆる学問と文化の第一歩となった騎兵と言える。

それは比喩ではなく、魔術、考古学、文書等の解読や解析、研究発展は全て本機を調べる中で発展していったのである。

発見された場所も、かつて存在した帝国の目抜き通りの中央を塞ぐ形で擱座かくざしていたこともあり、古代帝国最後の守りとしてその役目を終えたことが窺える。


機体の構造、特に骨子となる各部の形状を鑑みるに、他の機動甲冑全ての基本にして、もっとも単純な設計をしている。

これは技術的な未熟さを証明するわけではない。単純な構造を持っていたことで利便性と筐体きょうたいとしての強度を求めた結果だと言える。

本機に施された各種魔術防御機能等は建造から数世紀の期間を放置されていながら、目立った風化や侵食、錆などによる劣化が見られなかったと記録されている。

それが後年の誇張なのか、あるいは迷信的な記述であるかは不明だが、事実として本機の主兵装だったと見られる剣はいずれも一切の刃毀はこぼれや修復、整備等の痕跡は見られない。



武装:

機動甲冑用長剣

機動甲冑用小剣



◎記録『フラグメント・■■■■ナイト』


・ニュートロンエンジン

既存兵器を圧倒する機動甲冑の動力として選ばれたニュートロンエンジンはその核として■■を内包している。

■■は終末■■段階において■■■■現象を起こし、莫大なエネルギーを放出する。

滅びゆくバルティカの皇帝は■■の生命をわずか一メートル立法強の筐体の中に封じ込めた。

極限にまで達していた召喚魔術、空間圧縮魔術、そして■■制御魔術と■■■制御魔術により間もなく潰える■■の■■■■は止まることとなった。

そうして用意された都合十二の内燃機関を鋼の巨人の心臓とした。


終わりゆく■■の放出する■■は、そのままでは人の手に余るほどの火であった。

ニュートロンエンジンは、放出される次元違いの炎を制御可能な出力に留めつつ、長期利用を実現する鉄の檻。それは巨大な海から手酌で水を汲み上げる行為であり、実質的に無制限の稼働期間を保証する物であった。しかし、緻密な計算の下に設計された論理は机上のものであり、破綻はすぐさま起こる。

稼働を始めた機動甲冑の通常■■では■■との戦闘に耐えらないことが露呈、すぐさま緊急用として設定されていた■■■■での稼働を余儀なくされる。

辛くも撃退に成功はしたが、■■設定を見直すこととなる。

エンジンの更新及び改良はほどなく完了したが、すでに建造最終段階にあった全機動甲冑の白紙化も意味していた。

幸いにして■■■■建造が済んでいたボーパレイダーは■■■■■■から来る拡張性の高さもあり、早々に対応が可能であった。


問題はもう一つ浮上しており、それがニュートロンエンジンの稼働期間が有限となったことである。

■とは、いずれ燃え尽きるものである。いかに巨大な炉であろうとも■■■■■■■を人の身で覆すことは適わない。

その■が絶えるまでの時間が■■■と言う■■にとって■■■■■■■■■だったからこそ■■■されなかっただけのことである。

当初段階で想定していた■■■■での稼働を、■■■■として再設定した場合の稼働限界はって■■、早ければ■■で尽きる。

その間に何かしらのブレイクスルーが起こらなければ帝国は早々に滅ぶ――破滅の■■は■■■■■ではあったが、それが目に見える未来に訪れることを座して待つほど、人々は従順な存在ではなかった。


命尽きた■■の辿る先には何があるのか。ヒトに知性が宿って以来の命題、そして仮説に対し、初めて明確な解を得る。

燃え尽きたニュートロンエンジン、その■■■■■■■■で■■は砕け散った。

■■■■現象の終端。その行き着く先は存在情報すら落ちる■の生成。

かくして、■■■は■■を飲み込む。■■■にて予見されていた■■■。『■■』と■■の断絶した■■■■を内包する■■。

■■■■■■■■■■■■として廻る、■の炉心として新生した。

■■■■■の中でのみ語られ、夢想していた物を■■は制御するに至ったのである。


~~回収された機動甲冑内部記録より



作者補記:

ルナティアの魔術師たちが機動甲冑内部記録の解読を試みたものの、古文書であるために、断片的に情報が欠落、復元できなかった個所があります。当該箇所は■で表現されます。

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