ここまでの設定(第二章開始まで)

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◇主要な登場人物


シャルル・アントワーヌ

 【画像】 https://32224.mitemin.net/i463541/

 中世ヨーロッパに一大帝国を築いたブルゴーニュ公アルテュールの八番目の息子。庶子でありながら二〇歳にして父の親衛隊である近衛騎士団を率いる団長を務める才覚があった。遠征先での父の急逝をきっかけに故郷に戻るも、彼を疎んだ異母兄弟の策謀によって許嫁を奪われ、刺客に暗殺された――はずだった。

 言葉の通じない未知の国『ルナティア』で目を覚ました彼は第二王女ソフィアと、その忠実な侍女ヘレナによって生命の危険から救われる。言語の差を埋める古代の遺物を与えられた彼はルナティアの言語と知識を習得して、この世界で貪欲に生きることを決意する。

 王立博物館に所蔵されており誰でも触れることが可能な『選定の剣』を引き抜いたことをきっかけに、古代から伝わる発掘兵器『機動甲冑』に搭乗する資格を認められた彼は『資格者』ソードホルダーカロルス・アントニウスとして、この世界の歴史に名を刻む存在となっていく。


ソフィア・ディアナ・アルトリア

 【画像】 https://32224.mitemin.net/i463543/

 ルナティア女王ディアナ十四世の次女。ルナティア王位後継順位第二位。一七歳にして母や姉に代わって諸国を巡り、外交に尽力しつつ見聞を広めている。知的好奇心が旺盛で、王立図書館に入り浸って本を読みふける読書家。教養に富み、広い視野と深い見識を有す――と他国の王族からも一目置かれている才媛。

 隣国からの帰りに海沿いの街道で倒れていたシャルルを見つけ、救命した。絶滅以来八百年ぶりに発見された人類種の男性であるシャルルを王都『ルーナ』へと連れて帰り、母ディアナ十四世、姉ベアトリクス王太子に引き合わせたことが流浪の民であった彼の人生を大きく左右するきっかけとなる。


ヘレナ・トラキア

 【画像】 https://32224.mitemin.net/i463544/

 侍従長トラキア伯の次女。過去十年にわたって第二王女ソフィアの侍女を務めてきた腹心にして親友。家事全般をそつなくこなすだけでなく治癒術や人体の身体構造に詳しく、蘇生術やアロマテラピーの心得もある。その能力を発揮してシャルルの生命の危機を幾度と救った。

 女性と異なった体つきを持った男性であるシャルルに興味を抱き、あるできごとがきっかけで彼と肉体関係を持ってしまう。彼女を抱くと不思議と安らぎを得ることに気づいた孤独な彼にとって、『エレーヌ』の愛称で呼ぶ彼女の存在はこの世界で生きていく理由の一つとなっていく。

 ヘレナもまた彼との関係が深まっていくにつれて、今まで気づかなかった自分の内面に気づくようになる。


ラエティティア・クラウディア

 第二軍務卿クラウディウス伯ユスティティアの末妹。長子ではないため武官として第二王女ソフィアの護衛を務める。貴族の子女を預かって軍事見習い教育を行っており、姪のオクタウィアやソフィアも彼女に教えを乞う立場である。

 猜疑心が強く初めて見るものを疑ってかかることが少なくない。シャルルと出会ったばかりの頃は事と次第によっては斬り殺すことも厭わない姿勢であったが、彼の無駄のない剣筋を目の当たりにして武人として一目置くように。逆に武芸と火の魔術を得意とする点をシャルルから称賛され、互いに意見交換する存在となってゆく。

 ラエティティアという名前には『喜び』という意味があり、武人らしからぬ自分の名前をあまり好んでいない事情もあって、火の神に由来する『アグネア』という異名を名乗っている。


オクタウィア・クラウディア

 第二軍務卿クラウディウス伯ユスティティアの長女。伯爵令嬢。母ユスティティアと叔母ラエティティアの年齢が離れている関係で、叔母とは姉妹に近い年齢差。歳が近いソフィアとは叔母の軍事教練などで一緒に学ぶ機会も少なくない。

 生まれつき視力が良く、屋内では眼鏡をかけて逆に視力を落とすほど。遠くからの物見に向いた視力と冷静な状況判断能力から斥候の適性有りと判断した叔母によって軽騎兵となるべく手ほどきを受けている。

 シャルルの剣の腕前を見込んだラエティティアはオクタウィアの剣術指南役として彼を推挙する。彼を『師範』と呼び、彼からいろいろな影響を受けることになる。


◇そのほかの登場人物


《王族》


ディアナ十四世

 月の女神セレーネの恩寵による月の王国レグナ・ルーナの女王ならびに信仰の擁護者。

 ルナティア王国の君主、ルナティア国教会の首長を兼ねる。

 国内での飢餓や貧富の格差、相次ぐ豪族間の内乱や民衆の疲弊に胸を痛めており、これを解決したいと望みつつも数多くの政治的制約による果たせずにいる。


ベアトリクス・ディアナ・アルトリア

 ディアナ十四世の長女。ルナティア王位後継順位第一位。王太子。

 王立魔術研究機関アルス・マグナの総裁を兼任。類まれな魔術の才覚を有するが近年『貴族病』と呼ばれる病気を患っており、諸外国への歴訪を妹のソフィアに託している。


メガイラ・ディアナ・アルトリア

 ディアナ十四世の従妹。ルナティア王位後継順位第三位。第一軍務卿。

 王族でありながら軍事に明るく、名誉職ながらも王国正規軍に影響力を及ぼす。


《貴族》


ユスティティア・クラウディア

 クラウディウス伯爵家の当主。第二軍務卿。

 官僚として実質的に王国正規軍を管掌する。


コンスタンティア・ユリアナ

 ユリアヌス侯爵家の当主。大蔵卿。

 国家財政を管掌するだけでなく、娘を第一王女ベアトリクスの配偶者(王太子妃)として宮廷に送り込み、王太子の外戚として権勢を誇る。


《使用人》


イリニ・リディア

 第二王女ソフィアの使用人。

 ヘレナに次ぐ序列で彼女の不在時にソフィアの侍女を務める。


クロエ・トラキア

 王国侍従長トラキア伯の養女。王都で王族のお世話をする使用人の一人。

 侍女となる教育を受けるべく、貴族の他家からトラキア家に養子に入った。ヘレナを「姉様あねさま」と呼んで慕っている。


《豪族》


イメルダ・マルキウス

 女王の直轄領に接する穀倉地帯テッサリアの領主。

 若き日は武勇で名を挙げ『テッサリアの駿馬』と呼ばれたが、私腹を肥やす贅沢が数十年続いた今となっては見る影もないほど太った体型になっている。

 法外な徴税をかけて強力な私兵を作り、他の豪族や領内の反乱分子を抑えている。王都の厳しい食糧事情をよく知っており、小麦の供給を握ることで王都からの干渉をはねのけ、豪勢な迎賓館を建てて酒池肉林の日々を続けている。

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