前々から少しずつ読ませていただき、本日読了しました。
他とは異なる髪と目の色をもって生まれてきた女の子が、妖たちが住まう江戸裏に迷い込むことで始まる切なくて優しい和風ファンタジーです。
最初は女の子の境遇が結構つらいものですが、彼女を拾ったサトリの殺貴との交流や千穿、才津様や空たち、江戸裏の住人たちと触れ合ううちに傷が少しずつ癒やされていっているのがわかります。
江戸裏の住民たちもそれぞれ傷やつらい思い出を抱えており、お互いがお互いを救っていく優しいお話だと感じました。
文章の雰囲気も和の空気を感じられるので、とっぷりと和の世界に浸れます。
妖たちと人間の組み合わせや、少し切ないけれど温かいお話が好きな方、和の世界を楽しみたい方におすすめしたい作品です。