第17話【仮面人格】
「なあ?ガイアってなんで顔見せないんだ?」
ガイアの部屋でガイアはティールに頼んだ着け心地がいいフェイスマスクを外して、ゼンと会話をしていた。
「は、恥ずかしいから」
案外違和感がないフェイスマスクをしている時はどっしり構えていたガイアが、マスクを外していたらモジモジして女の子に見えてくる。
「まあ、確かにこのようじゃはずがしがるわな。だが堂々とできているんだ、つけてない時も堂々としていなーよ」
「いやー、そのー、無理かなって」
声すら女性のような高音である。
声変わりの時期が来ていないのもあるが、実に女の子に見えてくる。
ガイアの和室の部屋の上で座布団の上でゼンは足を組んでいた。
ガイアは自分の布団の上で両足のかかとをお尻につける、世間一般で女の子座りと呼ばれる座り方をしていた。
体は小柄で、声も仕草もマスクをつけたいない時は女の子そのもの。
本人は困っていると言っているが、改善はしようとしていない、ならここはオレが、とゼンが行動する。
「ちょ、やめ、あぁぁ……なんだマスクをつけて、何の用だ?」
「マスクをつけている時は堂々としていられるんだよなぁ」
手と手を胸の前にクロスさせながら頭を悩ます。
ちょっとは強引にはなるが、ガイアにマスクをつける、マスクは忍者の目は隠さずそれ以外は全て隠すような感じのマスクで、つけさせる時に触ってわかることは案外涼しいことだった。
そしてガイアにマスクをつけ終わると、無駄に威圧感を感じる。
慣れているけどやはり気になる、1番いいのはこの状態とモジモジしている状態だとゼンは思うが、ティールは立派な個性ということで行くがままにってことで改善はさせようとしなかった。
「メガネはどう?」
「なんか、微妙、かなぁ」
マスクを外して、ゼンが持っている黒縁メガネをつける。
多少はモジモジしなくなかったが、それでもまだなんかじれったい、元々髪が少し長いこともあって、メガネをつけたとしても違和感が案外しない。
なんでも似合うのかとゼンは思い始めた。
「ならこれはどう?」
仮装用にポイントで交換していた目元を隠す仮面をガイアに渡す。
「ふふふ、とうとう我を呼んだな、貴様の問に答えってやったぞ。なんか反応を示してみたらどうだ」
「ああ、うん、なんかごめん」
仮面をつけたガイアはまるで中二病患者のように中二病を発症し、痛いセリフを連発する。
そこでゼンは人の黒歴史をつくったことについ謝る。
「とりあえず、ゲームでもするか」
「いいだろう、遅れはとるな」
「あっ、はい」
仮面をつけ終わったあとの記憶はないらしいが本当かどうかはガイアのみ知ることであり、ガイアを除いて今はこの黒歴史を知るのはゼンだけであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます