第14話【Pは魅惑の品】

『終了ー!』


 制限時間が着て強制終了、すぐさま、休憩場にワープした。

 元々制限時間が10分というのが短く、復活回数があるフラッグ戦で初めてやる子どもらがはっきりと勝敗を着くのが難しい。

 事前に説明はしたため勝負がつかなくて悔しがることはあまり無かった。

 だがそれでも勝敗は着かせる、残機が総合的に多い方を勝利のチームとする、もしそれでも同数となったらそれこそ引き分けになる。

 そこでギリギリアルファチームが1人分の残機が多くて、フラッグは取れていない、けど事前に説明したため、勝負つけた。


「お疲れー、みんなよく頑張ったぞ」


 リームの心を読めている、そのためさりげなくリームの頭を撫でながら院生たちを褒める。


「リームもよく頑張ったな」


 身長差は激しくないけど20センチ近くはあった。

 目線を合わせるためにリームの身長を近いぐらいまで腰を落としてリームと向き合う形になって話す。


「うん!」


 どんなに見繕っても子どもは子ども、褒められるは特に喜ぶ。


「さて、みんなブローチを見てみてくれ」


 胸ポケットに飾っているウィンターコスモスは少し力を入れるだけで簡単に取れる、ティールは自分の仮のごくごく地味な財布に飾っているそれを取るとホログラムが浮き出る。


「地図?」


 タルトが率直に思った疑問に口に出す。


「一応そうなる」


 某有名検索エンジンG様のシステムにちかいようにプログラミングし、この周りの地形を登録して一覧できるようにはなっていて、360度動かすことができ、タップひとつで透けることもできるマップをつくる。

 ニイナに相談して考えで作ったもので、なんか映画に出てくるスパイみたいで子ども心を擽るからとの理由でこんなデザインになった。


「こんなふうに面白いこともできるぞ」


 ニイナの持っている同じブローチにソフトにあてる、そうするとマップに自分の現在地にある赤く光る点の近くに小さく【ニイナ】と丸く青く表示された点が現れる。

 多少の表示変更はできる。


「他にも機能があるけど必要になった時に言っていくぞ、まぁ危険な機能はないから自由に触ってみな、そうそう壊れないし」


「はーい」と興味はあるように見えるがサバゲーで疲れて元気は少ない。

 とりあえず、夕ご飯を早めにしてするか、多分今日は寝る時間も早くなるだろう、そして明日は初めてのお使いをするから早めに寝ることに越したことはない。

 そう思いながら、みんなを着替え室にワープして、料理を始める。

 ニイナには女湯の方でみんなに女性としてした方がいい洗い方を教えるように言っていた。


「園長、何作っているんだ?」


 ひと足早く風呂を済ませた男性陣でゼンが料理の匂いをかいて何を作っているのかを疑問に思って聞いてくる。

 あらかた作り終わって最後のサラダをつくる。


「トンカツに味噌汁、シーザーサラダ、デザートにプリン」


「プリン!」


 日も暮れて周りが暗くなっていた。

 グリルは風呂上がりにコーヒー牛乳を飲もうと冷蔵庫を漁っていた。

 ゼンとガイアはソファに座りながらテレビを見ていた。

 リームは暇つぶように置いていたルービックキューブをゼンとガイアの近くで遊んでいた。

 最後にプリンと言ったあと、各々暇を潰していたみんながこっちを驚くように振り向く。


「ああ、プリンだ。食べたことがないのか?」


「国王が自分の好物を他人に食べて欲しくないって言って、国には幻のお菓子として販売されることがないんだ。レシピもう非公開だから王宮にいる料理人しか作れないんだ」


 こちらに背を向けたリームが落ち着いた雰囲気で興味なさげに話すが口元にはヨダレを垂らして、チラチラこっちを見ていた。

 だがプリンを制限するってのはなんとも残酷に近いと思うな、結構横柄だし。


「密輸品はあるって噂だけど多分貴族の腹の中だと思う」


「そうか、ならうんと食べな、ってドンピシャだな」


 タイミングをあえて合わせたように女性陣も風呂を済ませた。


「なになに?何かあったの?」


 さっそくホワイトが食いついてくる。

 男性陣は風呂の時間が短いこともあってさっぱりするぐらいで終わったけど、女性陣は長時間の風呂で体から湯気を出しながら、少し頬を赤らめてリビングに集まる。

【リビング】

 最大で4人座れるソファを2つ、2人座れるソファを2つ、その真ん中に大きなローテーブルが1つ、テレビが1つのくつろぎの空間があって、近くに大きな長方形のテーブルに椅子が10脚、広さにして70畳、学校のような家のようなどちらとも取れない無いが、とっちとも言える雰囲気のリビング


「プリンの話をしていたぞ」


「プリン!」


「ジュルリ(´º﹃º`)」


 女性陣もう男性陣と同様の反応を見せ、1人も隠す気配が無く、ヨダレを垂らしてプリンを期待にしている。


「プリン食べる、ねぇ食べれるの?」


 サキが急かすようにキッチンでサラダの盛り付けをしているティールに近ずいて見上げる。


「先に夕ご飯だぞ、デザートはあと。みんな、食卓に並びな」


 盛り付けに使っている箸をまな板の上に置いてからサキに小声で耳元で話す、耳元とはいえ多少の距離はあって擽ったくはなかった。

 そしてみんなを食卓に呼ぶとすんなり来てくれた。

 このスリッパの擦る音も悪くない、そう思いながら9人分の料理を長方形の大きいテーブルに運んだ。

 外を出る時以外はスリッパを用意していて、各自のストレージの中にあるからいつでも出せていた。

 時期的には暑くもない寒くもないが掃除のしやすさやホコリなどの面でスリッパにした。

 タイミングを狙っていたため、全て作りたての状態になっていてアッツアツで食べられた。

 トンカツは黄金色の衣を纏っていて、身は白く、噛むと肉汁が溢れる、衣は2度揚げによってカリッとしている。

 キャベツはつけない、子どもの頃キャベツっている?と疑問に思っていた、1度ぐらいはキャベツのないトンカツを味わいたいと思っていた。

 だからと言う訳でもないけどキャベツは付けず、単品でも美味しいシーザーサラダを代わりにつける。

 味噌汁はごくごく地味で具はワカメと麸、ネギだけ、だが出汁を使い味噌には金山寺味噌を使っていて具を貧相とは思わない味わいになっている。

 シーザーサラダはシャキシャキレタス、ぷりぷり海老、とろ〜り温玉1つ、サクサククルトン、最後にさっぱりシーザードレッシングをかけて完成、好みですりおろしたブラックペッパーをかけて味をくわえる。


「それじゃあ」


「いただきます」


 ティールの合図に合わせて院生たちはそういう、ティールとニイナは通常の食事を必要としない、ニイナは言わばガソリンに似た専用回復アイテムがある、ティールは自身ので食事を食べても食べなくても良くなっていた。

 みんなの食事する所をニイナは見ながらそれなりには和んでいた。

 本来ならこのような感情というようなものを持ってはいない、けどゲームのシステムに従うように感情というものをティールによって影響され持ち始めた。

 一方、ティールかというと、ギリトリアに目立たない一般人に仮装して様々な店を回っていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る