第11話【迷う少女は乙女】
休憩室にワープで戻ってみんなにサバゲーについて一通り説明した。
最初に簡単な武器で試合を行い、徐々に慣れて行ってから細かいルールを説明して行くことにした。
まずはサバゲーとはどういうものかを説明だけどなく、実体験させるためにサイズの合った服装に着替えさせる。
森林迷彩の長袖と長ズボンと重さが軽い子ども用のヘルメット、フェイスガード付きのゴーグルこれらなどを着用してもらう、機能性を重視したものを使ったため、デザインは地味なものになっていた。
「履き心地いいけどなんか微妙だな」
「そうか、カッコイイとは思うぞ」
カーテンで男女をくぐり、着替えさせていた、もし着心地が悪かったその場言って貰ええるようにあえて、各自で着せ替えことにした。
大きな姿見の前にみんなが集まり自分の着替えた姿を確認して、各々感想を述べていた。
「ガイア、なぁに隠れてこそこそ着替えているんだ?」
「ああ、ガイアはちょっと人に見られて着替えるのが恥ずかしんだよ。すぐに着替え終わって行くから、銃でもやってなよ」
「お、おう」
早々と着替え終わっているグリルがカーテンの奥でひっそりと着替えているガイアを見つけ、疑問に思い、つい聞いてしまう、そこに事情を僅かながら知っているゼンがフォローして難をさる。
その頃、壁1枚も隔たってないが距離は少しあった女子の方は案外盛りあがっていた。
「えっ、まじぃー、あたしと一緒じゃん」
「そうなんだ、じゃあやっぱり出る時臭くなった?」
「なるなる、めっちゃ臭い」
ホワイトと無口に思っていたラスは孤児で生活している時の臨時の仕事が同じで丁度盛り上がり、仕事上で馴染みのことを話していた。
「もぉ、ほんと、下水道の掃除は疲れるし臭いし、二度とごめんだよ」
「本当にあれだけの仕事量なのに、お給料があれだけなのはないって」
下水道の仕事は日雇いでギリトリアの各地にあった、そこで食い扶持を稼ぐために働く孤児は少なくないと2人は語るだろう。
「サキさんってオニゾク?なんですか?」
「うん、多分だけどね」
「凄いっすね」
「いやぁ、なんか照れるな」
少人数とだげあって互いの密着感が激しく、仲良くなるのが早がった。
けどただひとりがみんなと微々たる距離感があった。
「ティール」
これからサバゲーで行おうとするデザートイーグルのみの戦いで使うつもりのデザートイーグルイーグルを点検しているティールの腕の裾を既に着替え終わっているタルトが掴んで、下から目線でティールを見る、ティールも身長が小さいからあまり視線の差がなかった。
「どうした?」
「なんか、なんて言うか…」
「とりあえずわかった」
何かを言いかけている最中に、言葉を入れて遮断する、言い難いことがあるのだろう、なら言わなくても良い、そうティールは思い、タルトとおでことおでこを合わせる。
「園長のおまじないだ、受け取っておけ」
【リンク】を使ってタルトの思考を読む。
【リンク】
マシンや生物ライドと感覚を共有して一時的に操作性をあげるスキル。
使用条件は持続的な接触。
つまり触れ合っている時に使える、ずっと触れているとずっと使っていることになる。
考えはわかってきた、『みんなと慣れていない』だ。オレとは半強制的に慣れたが、みんなとは距離がすぐに縮まらず、色々と考え込み悩んでいる。
フンっ、子どもらしくないな。
【
【
汎用性がほぼ無いが羞恥心や恐怖心などを一時的に克服できる心構えになる魔法。
暴走族の真似の時もこれを使っていたせいで羞恥心がなく、気付かぬうちにインターネットで世界的に残る黒歴史を作ってしまった。
というか、IWOに転移してから使う初めて【魔法】だな。
【魔法】
IWOでどんな
【魔法書】
ドロップ品やクエスト報酬、レイドボスの討伐報酬、領土の保持報酬などから獲得でき、魔法書を複数個使うと魔法発動時の使用MP減少や威力上昇、命中精度上昇など様々な効果が増えたりする。
「なんだか勇気がもてた、園長ありがとう」
そう言って、姿見の前に集まっていたみんなと楽しそうに話し始めた。
「子どもは元気に、これが1番だな」
「ティール様、何が楽しそうですね」
「そうか……そうかもしれないな」
最初ここに来た時はどう戻ろうか悩み、多少は病んだが、今となってはそれらを気にしなく、気楽にやっていた。
あれ?孤児院つくったら戻る気失せた。
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