第7話【詳細な自己紹介!】


 1晩経ち、朝食を食べ終わると院生たちには教室に集まってもらった。

 一人一人には机と椅子を用意し、それぞれの机の上にはそれぞれの体のサイズにあった制服を用意していた。


「みんなにはこれを制服として着てもらい、規則正しい生活を送って貰いたいです」


 堅苦しい学校の定番のようなセリフをニイナがワイシャツにミニタイトスカート、黒タイツ、高くないハイヒール、メガネなどを身につけ、実にいやら、いやけしからん姿で教卓の前に立って話していた。

 そして着替えてもらうため更衣室に向かい着替える、男女でわけ、男の子は園長が、女の子はニイナが案内する。


 服は青と白がメインのブレザーに、紺青色のズボンとスカートで、ウィンターコスモスのブローチをつけた、多分シンプルなデザインではあるが、生徒としては華々しい服装であった。


「なあ、園長。これ本当にタダなのか?後々払える時にたっぷり払えとかあるのか?」


「そんなことはないぞ、無償で渡す。サイズが合わないなら言えよ」


 リームの慎重深く問い合わせる。

 卓三からは、これぐらいのことお金で換算すれば、お金持ちがうんまい棒買うような感覚になる。そもそもストレージにあるものを使っているためお金をかけてはいなかった。


「脱いた服とかどうすんだ?」


「それなら洗濯しておくぞ、タンスにあとから入れておく」


 軽い雑談をしながら着替えていった。

 ちなみに卓三はメインで使っている【神話級レジェンド】の装備を身の丈にあったサイズにして着ていた。

 流石に、【終焉級エンド】や【深淵級アビス】はそう簡単に手に入らなく、入ったとしも倉庫に預けていくことが多い。


 アイテムには耐久値があり、ゼロになるとそのアイテムは消滅する、そのため無闇に装備してクエストにはいけられない。確かに性能は強く、耐久値も他のアイテムより多くある、更には耐久値を回復する手段もある、しかしそれでも、容易にそれらのアイテムをつけるプレイヤーはいなかった。

 これは卓三も同じで倉庫から盗……保護したアイテムをつけようとはしなかった。

 しかし、耐久力を回復出来ない特殊な装備は、これぞという時はよく使用されていた。

 その中でも、日常用に制作されているものもある。


 制服は、これと言った特殊な能力がないが、防御ステータスの高さは折り紙付きである。

 手っ取り早く作ったものだが【英雄級ヒーロー】のアイテムに匹敵する。

 しかしゲームと現実は違う、これがどうやってそのため性能を発揮するか分からないもんだな。


「さて、着替えたことだし点呼を取っていくぞ。五十音順に、ガイア」


「はい」


【ガイア】

 9歳、男性

 袋を被っていて顔が見えない、成長期が来ていないためかためか身長が小さく、腕や足も細い。

 ステータスで健康状態を見てみたが、これといった問題がない。


「グリル」


「はい」


【グリル】

 10歳、男性

 ゴ〇くんと悟〇の髪を足して2で割ったような髪型で艶やかな光沢のある黒髪、顔立ちは幼いながらも将来イケメンと分かる顔立ちで、透き通った薄い翠の瞳をしている。

 体は全身に程よい筋肉があり、細マッチョと呼ばれるような体。

【憑神】のお掛けだろうか、超健康優良児。


「ココ」


「はいっす」


【ココ】

 9歳、女性

 黄緑色のショートボブで、体つきは成長期が来ているのか、多少女性らしい体つき、けど幼いため他との違いが分かりにくい。

 瞳は吸い込まれるような黒で、表情は常に柔らかく、少し笑っているように見える微笑ましい顔立ちである。

 ステータスで、【ギフテッド】の表示以外にこれといった問題はない。


「サキ」


「はい」


【サキ】

 10歳、女性

 鬼族の特徴の角がないのだが、ステータスで確認する限り【鬼族】と表示されている。

 トマトやイチゴ、更にはさくらんぼを混ぜたような明るさのある赤髪に所々黒と金色のメッシュが混じっていて、毛先は不揃いではあるが、肩まで伸びている。

 身長はあるものの女性らしい体つきではない

 少し目つきは鋭いが、生まれつきなもののようだ。

 瞳は真っ赤な奥行のある赤色。

 顔立ちは冷たいようにも思えるが、笑顔は暖かく、見ていて和むものであった。

 タンパク質とビタミンが全体的に足りない以外は特に問題はない。


「ゼン」


「はい」


【ゼン】

 10歳、男性

 サキと同様に角がなく、瞳が真っ赤で、赤髪所々黒と金色が混じっている、少しボサついいる。

 顔立ちも双子っ事があって、非常に似ていて、さらに健康状態も似ている、性別以外は瓜二つに思えた。


「タルト」


「はい」


【タルト】

 9歳、女性

 水縹色の青髪で、男性に扮してこともあって短いが、それでもグリルとリームよりも長い髪をしている。肩までは行かず、ショートボブに近いイメージ。瞳は芯のある翠。

 ステータスを見てみると背骨と足が骨折になっていた。

 けれども、既に卓三は上位の回復薬を与え、治癒していた。


「ホワイト」


「はぁい」


【ホワイト】

 9歳、女性

 アルビノで髪と肌が白く、瞳は薄いけど鮮やかな赤色。例えるなら、それはもう透き通った珊瑚珠と言っても過言ではない。

 少しチャラそうに見えるのだが、やることを真剣で、諦めようとは思っていない。レクリエーションの時もタイムアップが来るまでは真剣な目で確実に狙ってきていた。


「ラス」


「はい」


【ラス】

 11歳、女性

 濡羽色の黒髪ストレート、背中の腰まで来ているぐらい長い、瞳も黒、健康状態もこれといった問題がなく、孤児をしていたのも疑うぐらいの清潔さはあった。


「リーム」


「はい」


【リーム】

 11歳、男性

 清涼感と甘さのあるような天色の青髪でに髪型は巷で噂の有名エステでやってもらう若い青年のような髪型で、瞳は奥より覗かれるような呂色、顔立ちは爽やかお兄さんのような顔立ち。


「よし。まぁ言うこととか特にない感じ、楽しくやっていこうぜ」


 笑顔のまま、院生達に向けて言う。


「1時間は、算数だな。ニイナ先生にじっくり教えて貰いな。っといけねぇ、これを渡しておくぜ」


 説明したあと忘れていたことがあった。

 全員に一瞬でノートとペン、消しゴムを渡す

 早すぎる動きで、この動きを捉えたのはニイナ以外ない。

 独り立ちできるように最低限のマナーや教育、文学、品位、などを教え、体力や精神力をつける必要がある。

 そのため、1時間目はニイナに任せ、その間で時間割を考える。


「さてと、時間割をどうするものか」


 校長室というか、卓三の個人部屋に籠り、考える。

 数学まではなくても大丈夫だろう、必要に応じて学校に通わせても問題はない。

 1日約朝に二限昼から一限の合計三限の授業

 週2算数、それ以外はお絵描きだったり、粘土工作の美術、スポーツなどの体育、そして三限使うアレなどで様々な教育を与える。


「さぁ、忙しくなるぞ」


 これからを踏まえて自分に一喝する。

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