第5話【自己紹介とネーミング】
「5分は経ったぞ大丈夫か」
グリルが芝生の上で倒れるリームをツンツンしてそう言う。
ゆっくりと目を開け、半身起き上がり回りを見回す。
所々が荒れてはいるが負傷者が1人も居ない。
「オレは倒せたのか?」
「園長の圧勝だぜ」
リームが悲しそうにそう言うが、グリルは園長の方を見てリームの横に立って笑いながらそういった。
「参ったな、勝てこっないや。ハハハハハ」
「突然どうしたんだ?でもなんか楽しそうだな」
リームは地に大きく、安息の地を見つけたように倒れてそう言う。
グリルは突如、笑ったことに着いて疑問に思った。けど、曇りが消えたその瞳を見るとこっちも自然と地に倒れる。
「そうか。こちょこちょこちょ」
「アハハハ、やめろって、今度はオレが」
リームは突然グリルに擽る。
それを受け、少し笑ったあとグリルもリーム擽ろうとする。
2人は打ち解け合い、卓三の思惑通りになった。
その頃、卓三は他の子の相手をしていた。
この名前は【ホワイト】、肌の色から来ているらしい。
卓三は、ホワイトの目が薄赤色と知り、【プログラミング】で詳しく見てることにした。
【プログラミング】はレベル1しか使えないけど、他人の情報を見たり、軽い情報変更は出来た。
そこで確認したところ、先天性白皮症つまりアルビノだったと知る。
そこで種族的や特別な事情的により、日に当たりたくないプレーヤー用に運営が初期アイテムとして配布している、【日除けのフード付きマント】をホワイトに渡した状態で戦闘を開始していた。
【日除けのフード付きマント】
公式の初期配布アイテム
日光の当たる部分を大幅にカットする
通常、日光は服の繊維のすきから肌にあたるが、これはそれすら防ぐ上軽い日光耐性も付く。
これをつけるとなにかと安心する心理効果もある、と説明文にある。
「園長はやーい」
5分が経ち、ホワイトが女の子座りをして悔しそうに言う。
「次、私、名前はない」
武器持ち構え、準備万全になる。
「ちょ、ちょいまち」
「どうしたの?」
その子は急に止められ、あっけらかんとなる。
「名前がないならみんなで考えよう、他に名前のいない人いる?」
「ハイハイ、オレも」
よく見なくても顔の造形がそれなりと似ているから、双子ではないかと思う。
「2人は双子なのか?」
「うん」
「そうなるね」
リームも疑問に持っていたようで、2人に聞いてみるとこにしたみたい。
言葉による証言で名前を考えやすくなる。
「太陽と月ってはどう?」
卓三の提案に双子はいまいちって顔をする。
「なんかぱっと来ない、双子っ感じは出てるけど」
「そうそう、対になるものではない感じがいい」
「そ、そうか……」
卓三は少し駄目出しをされしょんぼりとなる。
「キンとギンとかはドウ?」
「ダジャレかれ」
「ちっげーし」
リームの提案にグリルが絡んでいく。
「太陽と月の方がましな気がする」
「ちょっとね」
リームの提案よりも卓三の提案に賛同する。
「男の子の方がゼンで、女の子の方がサキってはどうでしょうか?前方へと先々に進む、未来の開拓者、と言う意味を込めております」
双子の考え沿ってにニイナが提案する。
「まあそれなら」
「オレも……ゼンか、なんかしっくり来る感じ」
どうやら、ニイナの名前の案が採用され、双子の男の子の方がゼン、女の子の方はサキになる。
「じゃあサキ、準備はできた」
「おっけ、カモンカモン」
サキは短剣あるいはダガーと呼ばれる武器を左右2つで持ち、速さであてに来ると見えた。
サキのスタイルは絶え間ずに、基本的に左右交互にダガーを当てに来る。
そして5分が経ち、みんなと仲良くスポドリを飲んでいた。
気づくとそこにはベンチが置かれ、見世物になっていた。
「他にある?」
回りを見渡しても名をあげるものがいなかった。
「じゃあ、自分名前だけでも言って、あっ、ゼンとタルトは知ってるから大丈夫」
「自分、ココって言うっす」
元気そうな女の子が座ったまま、手を上げ言う。
「ガイア」
ココの次に体育座りで布袋を被り、不気味に話す。声色から見ても、男の子である。
異様な存在感を出して佇んでいた。
「ラス」
最後に立ってながら話す女の子がいた。
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