第4話【多くの出会いは刺激的!】

「オレはお前に何もしてない、信じないなら確認してみろ。第一お前は女で、オレも(今は)女だ」


 何もしてない、と言うには少し語弊があるが、この際気にしない。


 少年に思えたその人は少女だった。

 これはプログラミングを簡易化し強制的に着せた時、性別の欄が女と、表示されていたから、卓三は知っていた。


 本当にプログラミングは便利になった。

 簡易化したらオレのステータス画面と同様になって、強制着せ替えとかできた。

 ゲームの時、クソ無能隠れスキルかと思ったけど、リアルじゃ超有能じゃん、レベルアップしたらやばくね。そんなことをオレは思いながら、ニヤニヤしそうな顔を抑え、場の雰囲気を保っていた。


「どうしましょうか?お望みでしたらお片付けします、跡形残らずに」


 笑顔のままおぞましいことをオレに聞く。


「いい。それより聞きたいことがある」


 当然却下だ。

 オレは少女の方に向けて言葉を発する。

 無意識にスキル【覇気】が発動し、次の言葉を話す前から無言の圧力をかけた。


「お前は孤児か?」


 オレはあくまで「ねぇ君、お母さんは?」と聴いただけである。

 母親が居るのなら早めに返すべきである。

 圧力のある発言を直に受けた少女は自然と平伏し過度な緊張状態になる。


「はい」


 少女は床に頭をつけ体を震えさせる。


「緊張するな、危害を及ぼしははしない」


【覇気】

 期間限定のレイドボス【覇龍】に一定量のダメージをチームで与えた場合に習得可能。

 このスキルは発動時に特定の相手のステータスを一定量下げる、ゲームではそれだけだった。名前のわりに能力は強くない、けどその分入手は簡単だった。

 レベルで、下げる量と対象を増やせる。

 けどリアルになると思わぬ威圧を相手に掛けていた。

 それに気づいた卓三はそれを抑える。


「話の続きだ。お前はこれからどうする?」


 威圧感が消え話しやすくなる。


「分からない」


 正座になった少女の返答を聞くも、あまりはっきりと明確な答えはなかった。


「ふむ、最後に一つ、お前以外に孤児はいるか?」


「いる、いっぱい」


 ならやることを決めた。


「オレは孤児院を作る、来たければこい、明日には作る」


 少女はゴクリと頷く、その気のようだ。

 ホテルのバルコニーからいちばん高い建物に飛び、深呼吸して心を整える。この街全てに会話をするため、魔導具【スピーカー】を持って話し出す。


「オレの名は、名は、ティール」


 流石に卓三を名乗るのは不味いと思い、卓つまり机、テーブルからねじってティールを名乗ることにした。


「孤児院をつくる、3食寝床付き、最低限の教育も、自由も約束しよう、当然拒否しても構わん、明日の朝9時近寄りの噴水広場に募れ、もう一度言う……」


 言い終わるとオレはホテルに戻る。

 なぜだが恥ずかしいとは思わない、自分のつけたキャラ設定が心まで反映したのか、プログラマーのオレでは出来そうにないことを出来る。


「突然だけど、お前って誰だ?」


「礼儀は重要だぞ、だが答えてろやろう、オレはティールだ」


 少女に聴かれ、答えるものの注意もする。それで、自分にブーメランが帰って来る気がする、今なら余裕で受け止められるだろうが。


「あと、オートマタお前に名を与える、ないと色々と不便だ。そうだな……ニイナ、ニイナってのはどうだ?」


「身に余る光栄です」


 番号機【217】に因んで名付ける、どうやら気に入ったようだ。

 明日に備えてもう一晩泊まる。

 案外打ち解けて警戒もせずに食事を撮ってくれた、口調は荒いままだけど。

 ちなみに、ホテルは元々4人分の値段を払っているので、1人増えた所でなんら問題はない。


「貴様!国家侮辱罪で捕まえる。王がお見えだ!」


 閑静な空間を感知外の打撲音。卓三オレは覚えがあった。それに対する反応は怒りよりも恐怖が先に来る。だか、ある認識が恐怖を消し去った。


 オレが立っていた所は王城で、この街、いやこの国で、建築物を王城より高くしてはいけないとか、王の特権が輝いて王の首よりも国民は高くなっていない。そのためオレが王よりも高くに立っていたことが気に入らない。


 それで、白銀の鎧を装備した虫けら共が静寂の空間を打破しにやってきた。

 このことに卓三オレは怒りを感じわざわざ出向いてやろうと思う。

 これは、このタイミングで、気に触るドアをぶつける音、そして、絶対政権を嫌う、さらにここの所有権を有している。この4つの理由が主に怒りを感じさせた。そしてこの中でも、音が実に卓三の堪忍袋の緒をは切らした。

 だから、ケリをつけるため出向かう。


「良かろう、このオレが出向いてやろう、早く案内しろ」


「貴様!王に侮辱したにもかかわらず、国家最強戦力の銀竜騎士団をも侮辱するとは、死して詫びろ!」


 オレの高圧的な態度に怖気つかずに立ち向かってくる。

 鞘から輝く銀色のロングソードをオレに向け、突進する。

 完全に殺す気だな。いくら格の違いを知らないとは言え、殺せると思っているのは実に「気に食わん」。


 瞬間移動に及ぶ速さで騎士の顔の前に行く、そして1歩大きく歩く、少し力を入れて。

 巨音を鳴らし、虫けらを床に叩きつける

 虫けらがつけていたバイザーごとバシネットを叩き割る。

 その衝撃により脳振動を起こし、気絶したようだ。


「早くしろ、オレは至極不機嫌だ」


【覇気】のレベル5を1箇所に集中して意図的にかける。

 それを受けた虫けら共が突如震えだし悲鳴を揚げた。


「さっさっとしろ、さもないとカップラーメンが出来るぞ」


 その声を聞き逃げ出すように案内する騎士団。

 ゆっくりとした足取りなのに、飢えた虎が全力疾走して追いかけてくるように、一般人が錯覚するだろう。


「話をつけてくる、ここで待っていろ。……てか二流でもあんなわかりやすいリアクションするか?普通」


 1人でこの国王に出向ことにした。

 見捨てられた気絶している騎士を肩で担いで王城へと向かった。


「頭が高い!このオレ誰だと思っている!この国の王であるぞ!」


 偉そうに椅子の上にふんぞり返ってオレのことを見下ろして言う

 階段があり、高低差を目立たせる

 ここに来ていて、そこら辺に投げたは騎士は既にいなく、別のガタイの良い騎士が王の横にたっている


「要は何だ。とっとと話せ」


「何だその偉そうな態度、えい!構わんれ!」


【覇気】を消したオレに怯えることは無くなったものの、こうも不便とは。

 頭に登った血が引いたため、あの無様なやつの対応と違って大人な対応をする。

 ガタイの良い騎士がふたつあるうちのひとつの剣を取り出し卓三に向かって振る。

 卓三は刃の先を掴み少し力を入れる。


「馬鹿な!シルバーソードだぞ!」


 ネーミングセンスだっさ!見た感じ【王宮級パレス】にも及ばない代物だし、そう驚く?

 ゲームの時武器に耐久があり、耐久値が全て消えるとその武器が壊れる、耐久値は切り方、扱い方、保存の仕方で減少する耐久値が違う、これが話題を呼んだのもあった。


「ガキだからって手加減してんじゃね!マジでやれ!」


「みよ、これが国宝だ。あっという間に白目を向かせてやろう」


 国宝と聞き、多少なりと卓三を期待させる。


「【加速】【剛腕】【四連撃】」


【加速】

 自身の速度を高めるスキル

【剛腕】

 自身の腕の力つまり握力や腕力などを高めるスキル

【四連撃】

 通常攻撃が4回になるスキル

 これらはMP消耗量の割に効果が悪くない、上級ランカーで使っている人も少なくない。


 先程よりも早く振り、襲いかかる。

 やばい!これこわしちゃダメなやつやん、まあ、知ったこちゃないけどな。


「戯れに付き合っている暇はない」


 振り下ろさせる前にガタイのいい男の横に素早く周り、刀身の身の部分に手を当て、耐久値が全て削りきれないぐらいの力で押す。


「ぐは!」


 握っている力もあり、剣の押される方向にガタイのいい男も剣に引きずられてその方向へと勢いよく吹き飛ぶ。

 衝撃により騎士が横の壁に激突する。

 そして騎士はあの伝説の死亡ポーズを取り、剣は壁に刺さっていた。ヤムチャしやがって。


 この国の騎士は断じて弱くはない(はず)、この男は間違いなくこの国で5本指に入る強さを持っている(はず)、そう、この白銀の鎧を着た男は弱くない(はず)、ただ、その男の前にいる、女性が怪物と呼ばれてもおかしくない/生物にんげんであった。


「最後に聴く、用事はあるかないか?」


「ない……です」


 威厳がすっかり無くなり、ないと言う。

 これでしばらくは問題ないだろう。さて帰るか。と言うか、こんな三流な展開、B級映画でもしないぞ。

 ……(作者)zzz


 帰ると先程とは違う騎士が数人倒れていた。

 どうやら卓三が王城に向かった後、襲うとしたけど返り討ちにあったところだ。


「大丈夫なようだな」


 オレは腰に手を当てやわらかな表情になる。


「はい」


「当然だ……って言いたいところだが、この姉ちゃんが全員やってくれた。お前の姉つえーな」


「こいつはオレの従者だ。姉ではない、まあ、家族みたいなもんだな」


 同じユニオンで、フォセェさん繋がりもあるし、家族なのもあながち間違いではない、けど従者でもあった。


 そして風呂にも入った。

 産まれた時からこの体だったように洗い方を熟知していて、体の組織も手に取るようにわかる。

 年齢=チェリーのオレが女性の体に驚くどころが見飽きたようなものになっていた。

 そして少女【タルト】の服を見繕って少し早めに寝る。

【タルト】という名は、貧民街で盗みをしていた時とに盗賊仲間に名ずけられ、タルトが好きだったからだそうだ。


「ティール、なんでこんなに早いの?」


「早く来て捕まる奴がいるかもしれない、奴隷商人もいるんだろ」


「なるほど、分かった」


 この国は広く、幾つも噴水広場がある、流石に高い身体能力を持った卓三でも全てを近いような時刻に回ることは出来ない。そのためスキル【分身】を使う。


 スキル【分身】は自身の複製を作るスキル

 攻撃力と速度は十分の1であり、防御力とHP共に1である分身をつくる。

 レベルにより作れる分身の数が増える。

 一撃でも喰らえば消滅するが、この国の中ではダメージをうこることは無いだろう。

 そして11時まで待つ、本体がいる噴水広場には誰も来なかった。


「さて、タルト行くぞ」


「行くぞって、どこに?」


「行ってからのお楽しみ」


 そう言って、スキル【転移】を使う。

 スキル【転移】とは行ったことのある場所をレベル5で5つまで登録し、瞬時にワープするスキル。


「合計9人か」


 草が生え、天然の芝生になっている何も無い平野にワープした。

 近くには森や川があった。

 さらに買い物をしようと思えばさっきまでいたギリトリアに行ける。

 そして【分身】を解除する。

 突然驚くどころ一同の中に冷静に状況を判断し声をあげるものが居た。


「おい!お前だろ、俺たちをここに連れたのは」


 堂々と人差し指を卓三に指す。


「そうとも、孤児院を作る前に親睦会をしようと思う、ルールは簡単だ、自分の名前を言って制限時間内にオレを倒す。成功報酬は一生遊んで暮らせる金。どうだ?」


 いきなり始めても、すぐに仲良くなれる訳がない、だから軽くスキンシップして行こうと思った。

 成功したらご褒美もあった方がいい、最初は手っ取り早くお金にする、ストレージから小山にまで盛られた金を見ると少なからず盛り上がる。


「オレは回避だけ。君たちは武器を使っていいぞ」


 ニヤリと笑顔を見せる、これくらいのハンデはあったほんがいい。

 ストレージから、数種類の剣、刀、ハンマー、斧、槍、弓などを出して、危険な刃先などは地面に刺す。


「どれでも構わんぞ。審判は君たちの先生になる【ニイナ】、是非ニイナ先生と呼びな。ちなみに5分だぞ」


「いいのか?怪我じゃすまねぇかもだせ」


「無論問題ない」


「なら、一番槍【グリル】参る!」


 さっき、オレに指を指した少年が血の気を立たせて、即座には手頃な槍を取って慣れ心地を確かめる、出した全ては【英雄級】であり、装備条件の無いもので、軽く子どもにも扱いやすいものにした。

 軽く振って、使い心地が良いと思ったのか、そのまま襲いかかる。


「勢いがいいね、嫌いじゃない。そうそう、魔法を使う奴いたらこれを使うといい」


 グリルの槍捌きを避けながらストレージから魔法書を出す。

 解析さえ出来ればレベル5の上級魔法を、MPを消費せずに5回まで使える、そうでなくとも魔法発動の補助をする、例えばリキャストタイムとキャストタイムを減少し、消費MPを減少する。


「触ればどんなものかわかる」


「よそ見をしている余裕はあんのか!」


 どんどん増す勢いで槍が目の前を通る。

 筋は悪くない。戦闘が初めてだとは思えない動きをしている。

 基本的に中央突の1点だが、自分自身の動きに隙があれば横薙ぎをする。癖ではあるが隙を作り難くなっている、一連の動作にキレがあった。


「やるね」


「まだまだこんなもんじゃね!悪魔憑きってやつを見せてやる。出てこい悪魔!」


 そう言うと、グリルの後ろに人影が薄らと現れる。

 これは【悪魔憑きあくまつき】じゃないな。

 そもそも【悪魔憑き】とは、ゲームの中の1つのシステムで、特定のジョブを持っている状態で倒した悪魔族を一定の確率で自分に憑かせるシステムだ。

【悪魔憑き】を発動している状態の時、人影ではなく悪魔が直に出てくる。

 これは【憑神ひょうしん】だ。

憑神ひょうしん】はキャラ作成の時の種族選択で選べれるものだ。

 これにすると、多くのスキルと多くのクラスが使用不可になるデメリットがあるが、育成をミスらなければ、強力なスキルを簡単に使え、基礎ステータスも他の種族と差ができる、強キャラになれる。

 こいつは逸材じゃん。

 そう、初期の段階ならノウハウを知っている卓三からすれば、どんな形の宝石にもなれる、ものによれば果てしない額がつく宝石の原石に値する。


「教えよう、それは悪魔憑きなどではないぞ、【憑神ひょうしん】だ。喜べ、神に愛されているぞ」


「オレが神に?そうだったらこうはならない!」


 嫌気ぽくオレに話す。

 そりゃそうだ、神に愛されているのに孤児になったのだからな。


「いつかはいいことがある!多分」


 さっきよりも槍捌きが精練されていた動きを見せる。

 時間が残り僅かになる。

 突如槍を大きく引き、天高く挙げ振り下ろす。

 やけくそになったか?そう思ったあと、グリルは槍を地に指した。

 その動き続けようとする慣性の法則も利用し、槍を押して自分を卓三にへと素早く飛ばす。

 すぐさま軽いステップで距離を離れされるが、重たい足ぶりで着地して肉弾戦で戦い始めた。


 そしてしばらく経って


「タイムアウト!」


 ニイナの一声でグリルの勢いが止む。

憑神ひょうしん】の力があったとはいえ、悪くないステータスだ。


「まあいい、元々そのつもりだし、これからよろしく頼むぜ」


 確かにお金を目当てにしてきているはずがない、そもそも言っていない。


 グリルはニコッとしながらそう言うと、ガッツポーズしてから、そのまま草原の上に倒れた。


「次オレ行くよ、名前は【リーム】」


 先程のツンツン小僧(グリル)と違い多少の礼儀を持って話す。


「ここに弓があるってことはこれでもいいんだね?」


「無論」


 弓の弦を軽く引いて動作を確かめる、そして横にある矢筒を腰にかける。


「死んでも文句言わないでよ」


「てか、死んだら言えないし、でも死なないから大丈夫。どんど来い!」


 目を一瞬瞑り、軽く胸を叩いて自信を示す。

 その隙を逃さずに矢を放つ。

 その矢は顔の横を通る。


「容赦ないね、でも嫌いじゃない」


 オレがこうしている間にも、リームは息を整えて二の矢を放つ。

 2発とも顔にめかけて放たれるが、今度は余裕を持って避ける。


「【二連にれん矢送やそう】」


 そう言いながらリームは2つの矢を1回で放つ。

 このスキルは知らないな、聞くは限りはアーチャークラスかな。

 そう思っている時でも、ふたつの矢が顔に向かって飛ぶ。


 矢を捕まえたら、流石に回避にならないな。

 顔に目かけて飛ばされたそれらの片方が、当たる少し手前で起動を変え、スネ当たりに向かって飛ぶ、威力はある、だから力加減の問題でこんな起動を描けれる訳では無い。


「いったあ!」と普通の人なら当たってるけど、チートに近いゲームのステータスがリアルになってしまっては避けるのは容易である。


「やっぱり無理か。ねぇ園長?」


「園長か、いいね気に入った。で、なに?降参か?」


 突如として呼ばれる、孤児院なのに院長ではなく園長と呼ばれる。

 呼びやすく親しみもあると感じ、気に入る卓三。


「そうか、気に入ってもらって結構、オレも院長とか固い呼び方はそこまで好きじゃないし」


「それいいな、オレもそう呼ばれてもらうぜ」


 リームの意見に、オレも、とそう軽く疲労し天然の芝生で大の字になっていたグリルも起き上がり賛成する。


「本題だけど、みんなを急いで別の場所に転送できる?」


「できるけどどうした?」


 突如変なことを言い出す、だが問題はない、何故なら、【転移】で使った分のMPは十分の1にすら及ばらない、分身のMPとリンクしている上でだ。


「なら、やばい時は頼むぜ」


 弓を捨て、剣をとる。

 そして腕に謎の白く光る紋様を浮かばせる。


「うぉーー!!」


 肉体は子どもながらも、着ていた比較的ゆったりな服装が、はちきれんばかりに筋肉が膨らんで、肌が褐色に変化し始める。

 理性は弾け飛んだようになり、地を響かせ叫ぶ。

 そしてこっちを見て突進する。その時彼の目は黒くなり充血しているふうにみえた。

 そこでオレは脳内に思考を巡らす。


 ストーリーでチラッと出できた【勇者の末裔】か。

 確か、【勇者の末裔】は【頭】【腕】【足】【胴体】の4つに別れ、NPC限定で現れる特殊な種族。

 それぞれ、オリジナルスキルを持っていて、どれもこれも高ステータスと聞く、さらに力の制御ができない者は力に飲み込まれると聞く。

 特徴的なのはその模様と目であり、戦闘時は模様が現れ、光り輝く。そして目は暴走時は黒く、制御できている時は独特な模様になる。詳しくは知らず公式もこれぐらいしか【勇者の末裔】に関する情報をだされていない。


 両手で大剣を持ち大きく振る、とんでもない腕力でそれをふり、風をなびく音を鳴らす。

 地面に振り下ろすと、地面にヒビが入る。

 恐ろしいパワーだが総合的なスピードはいまいち、制御が出来ればパワーをスピードに回せてきっと強くなれる。


「おい、園長止めねぇのか?」


 グリルが胡座をかきながら、ニイナから【スポーツドリンク】を貰って、飲みながらそう言う。

 ニイナにはオレが盗……保護したアイテムの殆どを渡している、オレ1人での管理は難しく、ニイナに大幅なアイテムの管理を任せていた。

 基本的な使用権は確認をとるのだが、誰かに尽くすためなら、自己判断に任せると言っていた。

 そのため、体力回復系アイテムの【スポーツドリンク】を運動後に渡していたようだった。


「大丈夫、タイムアウト後もこれなら止めるけど」


「ニシシ、園長のその余裕ぷッり気に入ったぜ」


 リームの攻撃を避けながら、会話を続ける。

 グリルからも園長と親しく呼ばれ、気に入られる。

 コントロールができてないだげあって、単純かつ直線的な攻撃ばかりになっていた。


「ぐっ!」


 突如、声を上げ、倒れる藻掻くリーム。

 腕の模様が徐々に消え、落ち着きを見せる

 2分ぐらいが限界のようだな。


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