第25話 ポンコツ転校生が16歳の妹のアイスを食べた

山本「(窓の外、クソ青い空にバカでかい入道雲が広がっている。部屋はカラッとしているが暑い。なんとか、どうにか扇風機があれば過ごせるほどではある。開けっ放した窓から、蝉の声が届いてくる。佐藤さんと沙織が、大声を上げながら、テンション高くゲームをしている。うんっ、平和な日曜日の午後だ。僕の与り知らないところで、佐藤さんと沙織が仲良くゲームをする仲になったことについて、実に微笑ましい。しかし……、一体誰が絵に描いたような、ほのぼの系に発展するなんて、想定しただろうか。僕には全く想像出来なかった展開だ。引きこもりの沙織が部屋から出てきて、まさか佐藤さんとゲームをするなんて! そして、ゲームに飽きたら、寝転んでゴロゴロ、コロコロ。扇風機に顔を近づけて遊んだり、お菓子を食べて、炭酸ジュースで5回目の乾杯。まさにこれこそ、愛すべき日常)」


沙織「――お姉ちゃんのバカッ! それ私のアイス、お風呂上がりに食べようと思ってたやつ!」


佐藤「えぇぇ。どこにも名前書いてなかったよぉ」


沙織「もう夜の楽しみだったのに! バカバカ、バカバカ、バカバカ、バカバカ、バカバカァァァァァァ〜〜〜!!」


佐藤「バカでもいいよぉ。このアイス美味しいねぇ」


沙織「はぁあああ! ムカつく! お兄ちゃん、なんとか言ってよ! お姉ちゃんが、意地悪するっ!」


山本「え……っと。なんですか、この茶番は?! 王道のようで、ちょっと違う。ちょっと違うようで、王道でもある。よく考えろ。スペースデブリが落ちて我が家にやってきた転校生と、3年間引きこもっていた妹。やっぱり聞いたことのない展開だ。しかしながら、ほのぼの系に違いないだろう。いざ実際に体験してみると対処に困る。僕は今、僕自身の立ち位置を把握出来ないでいるのだ」


佐藤「山本君って、相変わらず回りくどいよねぇ。でもそう言うところ、嫌いじゃないよぉ」


沙織「お兄ちゃんってば!!」


佐藤「沙織ちゃんって、わがままばっかり言うよねぇ。お兄ちゃんのしつけがなってないんじゃないのかなぁ」


山本「(佐藤さんが僕の右腕を。沙織が僕の左腕を。ガツっと掴み引っ張る。2人のおっぱいが、ぐいぐい腕に当たる! わざとですか? わざとですよね? ――さすがに、ほのぼのからのハーレムは想定外だ! おっぱいが4つ! なぜ柔らかい! そんなにおっぱいを腕を当てないでください!)」


沙織「お兄ちゃん、はっきり言ってよ!」


山本「フェェエエエエ!!! な、何を? 僕はどうすればいいんでしょうか? ちょ! ちょい待ち! 妹よっ! 馬乗りはいかん! 僕の上で、遊んではいかん!」


佐藤「あぁぁぁあ〜、やっぱり教育がなってないよねぇ」






【雑談】

山本君の日常ってここまで、楽しいのかよっ!






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