第190話「ウエディングドレス」
ルイーズ達との結婚式も近づいたある日。
「あれ、先生もシェリーに呼ばれたんですか」
俺が、会議室に向かうところでライル先生と出逢った。
先生は、妊娠の初期には体調を崩していたが、最近は大分復調して普通に出歩けるようになっている。
「ええ、シェリーが年寄り連中を集めて、また何かやってるみたいですからね」
先生が苦笑しながら年寄りと言うのは、旧守派の官僚のことだ。
体調が万全ではない先生に代わって、最近ではシェリーが王宮の内務や外務を取り仕切るようになってから若干、旧守派の官僚の活躍も目立ってきた。
シェリーの公式の役職名を上げれば、王将軍直属の親任官ということになる。
王国の序列で言えばさほど偉い役職ではないのだが、ライル先生の父親であるニコラ宰相率いる旧守派が完全にバックアップしているのと、『王将軍の妹』という半ば公式になっている特権で、王宮内でも辣腕を振るうことを可能にしている。
会議室に入ると、古い羊皮紙で出来た巻物が散乱していた。
白い髭の爺さん達がたくさん集まって、議論したり机に向かって書き物をしたりして紙束を積み上げている。
「なんですかね、これは……」
俺も聞きたいことを、先生が聞いてくれた。
「あっ、お兄様。ライル摂政、よくぞいらっしゃいました」
仕事に没頭して銀髪が寝癖でボサボサになっているシェリーである。
とりあえず、手で髪を梳いてやりながら聞く。
「シェリー、官僚を集めて今度は何をやってるんだ」
「新しいユーラ大陸法の制定準備です」
シェリーの説明は、端的すぎてよく分からない。
「つまり、どういうことだ」
「はい、まずはお兄様が言っていた万国公法を作るという試みをしています」
あっ、なるほど。万国公法か。
これから国際交易が盛んになるのに向けて、国際的に通用するルール作りをしなければならないという話をシェリーにしたことがあった。
万国公法、国際的な決まりごとが明確になっていれば事故や事件などで国家間の軋轢が起きた時も。
それが国際紛争へと発展する前に、スムーズに解消することもできるだろう。
「もしかして、俺の結婚式に合わせてということか」
「そうです。シレジエの王勇者の結婚式ですから、各国からの外交使節をできる限り広く集めるよう、皆さんにも手伝っていただいて外交しております。せっかくシレジエに各国使節を招くのですから、そのまま国際条約を結ぶ外交会議とできればと思います」
白い髭の老官僚どもが、シェリーの言葉を聞いて嬉しそうに笑っている。
ライル先生に使えないと切り捨てられて仕事を奪われた旧守派の外務官を、シェリーは積極的に運用している。
例えば、古式の儀礼に通じている官僚は仕来りを重んじる王国への外交官としては最適といえる。
今日は黒い法務服を着た、小柄な爺さん達が増えていた。その中から、ひときわ大きな丸メガネをかけた博士をシェリーが紹介する。
「こちらは、元王立裁判所大法官で、今は魔法学院で教鞭を取っておられるコーモラン師です。リリエラ古王国時代の大陸法に詳しいシレジエ一の
「タケル殿、大陸法は一千年以上前のカビのはえた法律ですよ。大陸法学は、瓦礫の山から法文を発掘するような作業を延々とやっている学問領域で、シレジエ随一の権威であるコーモラン師にこう言ってはなんですが、今どき物好きしか学ばない考古学です」
ライル先生は、そう俺にささやいてきた。
その、先生の後ろから厳しい顔をした大柄の爺さんが大喝した。
「儂らを化石扱いとは、大きく出たのライル!」
「コネーム先生……!」
「そちらは、同じく元王立裁判所法官のコネーム師です。今は教会法と世俗法をシレジエの王立官僚学校で教授しておられます。ライル摂政閣下の
シェリーが笑いを浮かべている。
なるほど、ライル先生が学生だったころの教師まで連れてきたのか。これは逆らえないわ。
「お偉くなったの、ライル摂政閣下。それはいいのじゃが、シレジエの国法は教会法と世俗法に別れ、いまだ不文律の部分も多い。過去の判例こそが、本当の法だと教えたはずじゃがの」
「それは、コネーム先生のおっしゃる通りです。今の教会法も世俗法も、古王国時代の大陸法が大本とはなっていることには違いありませんが、それは……」
いつもは滔々と語るライル先生が、言いよどんでいる。そりゃ、学校時代の教師が相手ではやりにくいよな。
厳しい顔つきをしていたコネーム師は、頬を緩ませてライル先生の当惑を意地悪く笑うと、長い髭をしごいてシェリーの後ろに立った。
こりゃ、シェリーの勝ちだわ。
引退間近のベテラン官僚を引っ張りだして、上手く活用する。相変わらずの爺さん転がしだった。
「ライル先生のおっしゃるとおり、ユーラ大陸各国の国内法は、元をたどれば神聖リリエラ女王国時代の大陸法が基礎となってます。万国公法を定める基礎ルールとして、古法が長い年月をかけて蓄積した運用と判例は役に立ちます」
シェリーが言うことも分かる。法律は、必ずしも新しいものが正しいとは限らない。
今の時代に添うものに変えて行く必要はあるが、土台部分はむしろ古いほうが馴染みが深い。
千二百年もの昔、ユーラ大陸全土に君臨した女王リリエラの定めたる大陸法は、未だに国際法律学の分野では根拠として生きている。
歴史の重みを持たせることは、未だ保守的な王国が多いユーラ大陸で、他国を説得する強い論拠となるだろう。
先生の先生である、コネーム師が進み出て俺に言上する。
「佐渡タケル王将軍閣下。そこのライル摂政は、大陸法を『瓦礫の山』と言いましたが、瓦礫の山にこそ掘り返せば思わぬ宝が埋もれているもの。せっかく儂ら年寄りを頼ってくれた、この可愛い嬢ちゃんの手前もございますれば、儂らは老骨を粉として働きましょう。どうぞ新大陸法の制定をお任せいただければと思います!」
「良し、分かった。万事任せる!」
いつも任せてるんだけど、法律は全く分からんからな。
ベテラン教師もバックに付いているのは心強いし、新しい部分はシェリーに任せておけば間違いはないだろう。
「はい。今後の国際貿易の増加を見越して、トラブルを未然に防ぐための万国公法の制定を最低限のラインとしたいと思います。出来ればシレジエ王国を中心とする協商条約の範囲を広げて経済圏の拡大を狙いたいところです」
そういうシェリーに、古い教師がでてきてライル先生も内心で含むところはあるものの、俺が良いと言うのなら「外交の基本方針としては文句はないです」と申し添えてくれた。
ならば万事問題ない。国際間のルール作りが必要になると、ちょっと前にシェリーにつぶやいただけで、早くもこうやって先手を打ってくれるのだからありがたい。
ルイーズ達との結婚式は、各国の使節も招いて盛大にやるつもりだったが、それを平和外交に利用するところまでは考えていなかった。
シェリーは、さすがである。優秀な妹には、またご褒美をやらないといけない。
じゃあシェリーに任せるかと、退出する俺達と行き違いにシルエット女王がお付きの護衛騎士であるジルさんを連れて入ってきた。
そういや、ジルさんの顔を見るのも久しぶりだなと目を向けると、無言で軽く会釈された。護衛の仕事中だからね。
「シルエットも、シェリーに呼ばれたのか」
「ええ、外交使節団との応対がありますから、
「偉いな、シルエットもちゃんと女王をしているか」
「はい。
そう言って、苦笑された。
周りを見れば、シェリーも含めて爺さん官僚連中はみんな平伏している。
女王陛下のおなりなのだから、当たり前か。シルエットは、今は飛ぶ鳥を落とす勢いのシレジエ王国の偉大なる女王。ハーフエルフの姫と、周りから軽く見られていたころが嘘のようだ。
シルエット女王は「頭を上げてお仕事に戻って下さい」と、慣れた口ぶりで皆に言い回った。
場の雰囲気が、それで弛緩する。
シルエットと出逢ったころは、俺も空気が読めなくて、姫に馴れ馴れしすぎるとよくジルさんに怒られたものだ。
「そうか、女王陛下に対して偉そうだったかな」
「変わらぬ鷹揚さが、タケル様らしくて良いと言うことです。そういえば、ルイーズさん達のウエディングドレスの着付けがそろそろ終わりそうと聞きましたよ。いつもの着付けに使うお城の控えの間ですが、様子を見に行ってあげてはいかがですか」
すっかり女王らしい気遣いを見せるようになったシルエットに勧められて、俺は様子を見に行ってくることにした。
※※※
王城の控えの間では、シャロンの制作監督指揮のもと、奴隷少女のお針子達の手によってウエディングドレスの制作がせっせと行われている。
後宮の内務を担当するシャロンに尋ねられたとき「前は白のドレスであったが、ルイーズには赤のドレスなんか良いかもしれない」と言っておいた。
シャロンは、「それならカラフルにしてみましょうか」と言っていたが、どんな結果になっているか楽しみだ。
女の子達がワイワイと姦しい控えの間に入ると、さっそく着付けを終えたらしいアレがドレスを見せつけてきた。
「どうだ勇者、ウエディングドレスというものを着てみたゾ」
ほぉ、アレは深緑のドレスか。
色鮮やかなドレスを身にまとっても、
頭に着ける白銀のティアラも、黒褐色で立派な竜角をむしろ生かした装飾になっていて、コントラストが美しい。
縫製に携わっているシャロンのセンスは、素晴らしいものがある。
アレがドレスをもっとよく見てというので、俺がマジマジと見つめていると突然ベロンと胸が剥き出しになった。
なんだこれ……。
俺がアイコンタクトで説明を求めたが、「ふふっ」と、アレは得意気に立派な胸を張って笑っている。
ああ、こいつに言っても無駄だ。
「……このドレスを作ったのはシャロンか!」
「はい、なんでしょうご主人様」
すかさずシャロンが現れる。
俺から苦情が出る見透かしたようだ。
「なんだよ、このデザイン……」
「ご主人様はドレスを着たまま夜伽をするのがお好きだから、すぐ応じられるようにとエレオノラさんからリクエストがありまして、工夫してみたんです」
なんだ原因は、エレオノラか!
ドレスを着たままで夜伽って、初夜のときの話だな。
たしかにエレオノラに乗せられたからと言い訳はすまい。俺もあのときは興に乗って、そういうことを仕出かしちゃったのは事実だが。
それを、みんなに言いふらすなんて酷いぞ。
「うんこれなら、風通しが良くて気持ちいいし、これで勇者が喜ぶのなら一石二鳥ダナ」
「ダナじゃねえ。いいから速くしまえ。速攻でしまえアレ。いいか、その胸のカバーは、俺が良いと言うまで外すなよ!」
アレも、かなり胸がデカい。ロケット型に飛び出ている。
ここのスタッフは、奴隷少女とメイドぐらいしかいないからまだいいけど、公衆の面前でペロンペロンやられたら困る。
「じゃあ、こっちなら良イカ?」
「うおおい、なんだそれ。よくない、そっちは余計悪いからやめろぉぉ!」
なんで下半身も、紐を解くとすぐ外れるようになってるんだよ。
これ、まったくドレスの意味をなしてないだろ。
製造責任はシャロンとお針子達にあるが、この奇抜なデザインの監修はエレオノラである。
俺はルイーズの着付けを手伝っているエレオノラに、文句を言いに行った。
「おい、エレオノラ。みんなに夜の話とかするんじゃねえよ!」
「なにタケル。奥さん同士が、夜の話を情報交換するのは当然でしょう」
「むうっ!」
声を出して、唸っちゃったよ。
そういや、エレオノラもシャロンも俺の嫁だったな。忘れてたわ。
「……ふふっ、どうだ文句言えないわよね。身から出た錆よ」
俺から一本取ったエレオノラは耳元の金髪を手でかき上げて笑うと、いきなり抱きついて口づけをしてきた。
「なんだよ……」
「新しいお嫁さんが出来たからといって、私達も忘れては困ると言いたいのよ」
いきなりの濃厚なキスに、俺は完全に機先を制された。
これでは文句を付ける場合ではない。まあ、しょうがないかと振り向いたら、待っていたシャロンにもキスされてしまった。
何のプレイのつもりだよだよ、二人とも。
「ご主人様、エレオノラさんはちょっと嫉妬されてるんですよ。それは私もです。私達が嫁入りのときは、ルイーズさんのときのような武道大会はありませんでしたから、お一人だけを特別扱いはいけません」
「ああっ、あれか……。シャロン、あれは……」
言い訳しようとする俺の唇を、シャロンがまた塞いだ。
後ろから、エレオノラも手を絡めて抱きしめてくる。
そうか、こいつらあのときのルイーズの真似をやってるんだな。
エレオノラは鍛えてるくせに、背中に当たるのは柔らかい感触だ。姫騎士は、炎の鎧を脱ぐとただの美少女だから困る。
「ご主人様が嫁に差をつけるつもりはないと、分かっております」
「私達は、タケルの嫁としての権利を行使してるのよ。そこはまだ、嫁入り前のルイーズ様にできないことですもんね」
二人に絡みつかれて、耳元で囁かれることで俺もようやく言ってることを理解した。
シャロンとエレオノラは、もう俺の嫁だから俺に自由に抱きついて、キスをしてもいいわけだ。
ルイーズ達は、まだそうではないので見せつけてやれということか。
アレもルイーズも、意外に大人しく見ているので、俺をまったく無視した形で女同士の話し合いは付いているということなのだろう。
こういうの、知らないのは夫ばかりなんだな。
「今日は私のドレスも、ルイーズ様とお揃いにしてみたんだけど!」
「ああ、エレオノラもよく似あってるよ。結婚式のときを思い出す」
そうか、俺が無意識にルイーズのドレスは赤にしてみようと言ったのは、エレオノラのときのことがあったのだな。
女騎士には、燃え盛るような赤い装いが似合う。
エレオノラがまだ若々しく燃えるような美しさであったのに対して、スラっとしたルイーズは成熟した盛り花。
それでいて、清華の美しさがある。
こういうの、まず花嫁であるルイーズを褒めてやるべきだと思ったのに。
シャロンとエレオノラにしてやられた。
改めて、夕焼けのような茜色のウエディングドレス姿で立ち尽くしているルイーズに向き直る。
奇抜なアレに比べるとロングスカートのまさに正装といったオーソドックスなウエディングドレス。
派手な赤色だからこそ、華が咲き誇ったような豪奢さに目を奪われる。
ルビーをあしらったティアラを赤髪の上に載せたルイーズは、恥ずかしそうに俺に尋ねる。
「タケル、着慣れてないものだが、私はどうだろう」
「ルイーズ綺麗だぞ、薔薇が咲いたようだ」
俺は言葉を飾らず、そう言っておく。
それでルイーズは、頬を朱に染ませて満足気に頷いてくれた。
「ところで、カアラはどこにいったのだ」
カアラも、着付けをしているはずだろう。
「お側におりますよ、国父様」
そういうと、どこからともなく神秘的なドレスに身を包んだカアラが現れた。
影から現れる神出鬼没ぶり。カアラ達が現れると、少し涼やかな雰囲気になる。
一緒にオラクルちゃんも出てきたのだが。
カアラの青い薄衣を重ねたウエディングドレスの長い裾をオラクルちゃんが持っているのが、まるで子供みたいだった。
着付けを手伝ってくれていたのだろうが、オラクルはとても一児の母には見えない。
そういえば、その一児であるオラケルはどこにいったのだろうと思ったら、その後ろでリアがあやしていた。
リアは意外に母性が強く、赤ん坊を預けておけば大人しくなる。
それはいいんだが、さっきカアラ達が影から出現するときに、赤ん坊を抱いたリアも一緒に出てこなかったか。
お前ら魔族と神に仕える聖職者なのに、仲良くし過ぎだろう。
どういう友好の深め方をしているのか、今度聞いてみたいものだ。まあ、それはそれとして……。
「ふむ、カアラは青か。肌の色に合わせたのだな。よく似合っている」
「ありがたき幸せ。ふつつかではありますが、アタシも御為にさらなる忠義を尽くす所存です」
青い薄衣をたくさん巻きつけた幻想的なウエディングドレスを身にまとい、バイオレットサファイアのティアラを冠ったカアラは、俺の前で悠然と跪いた。
花嫁が跪くって、どうかと思うのだがカアラらしいか。
それにしても、ルイーズが茜色で、カアラが透き通るような青で、アレが深い緑か。
カラフルな結婚式になりそうだ。
むしろ、まだ日本に比べると豊かではないシレジエ王国では、白のウエディングドレスは汚れやすくなるという理由で避けられているのだが、それだけに使われる色は暗色系が多い。
捲れば簡単に裸みたいな格好になるアレほどではないが、薄衣を身にまとったカアラも青い肌がチラチラと見えて、ややデザインが奇抜すぎるが、これほど色鮮やかなウエディングドレスも珍しい。
並べばまるで咲き誇る異国の花々のようで、華やかな場に相応しい装いになった。
これが、俺の嫁かと思うと誇らしい。
これ以上はないほど、珍しい結婚式になりそうだ。
「あれ、シャロン。そういや、俺のタキシードは?」
「そこに用意はしてありますけど、前の使い回しでよろしかったんですよね?」
確かにそれでいいと言ったが、本当に着付けもなしで一発本番なんだな。
まあ、男の衣装なんてそんなものか。
「じゃ、暇なタケルは時間まで私と楽しみましょう」
「おいっ」
エレオノラが俺に抱きついて、手を引く。
「だって、私のドレス姿で興奮するって言ったじゃない!」
「興奮するとは言ってない」
「だって、結婚式のときとかそうだったじゃない」
「むうっ」
それを言われると、俺は二の句が継げない。
エレオノラは相変わらず、押しが強い。
「私だけ懐妊してないし、新しい奥さんが入るなら今のうちにやり溜めておかないと」
「まだその話か!」
溜まった分をやったあとは、こんどはやり溜めておくそうだ。
無茶苦茶である。それは、溜めておくものじゃないってオラクルから教わったはずだろ。
「大丈夫よ、みんなには了解とってあるし。数をやっても意味ないってオラクルちゃんに教えてもらったから。今日の私は、質で行くわ!」
「俺が大丈夫じゃないんだよ。なんだ質って、怖いな……」
その笑いが、すごく怖いんだけど。
「ふふふっ、それは見ての……いえ、やってみてのお楽しみね。私のドレスも、破かないでいいように作ってもらったから楽しいわよ」
「うわあっ!」
「ほら、タケル超興奮」
「してないよ!」
エレオノラの大事な部分をカバーする布がペロンと捲れた。俺は、慌てて手で抑えて隠す。
この捲れるドレス、本当にどういう仕組みになってるんだ。ウエディングドレスにしては、扇情的すぎる。これもしかしたら、良い売り物になるんじゃないか。
そういう商売へとつなげる思考は、俺の現実逃避だったりする。
こうして俺は今日も、そのままエレオノラに後宮へと引きずられていった。
完全に油断していた。
もうすぐ結婚式なのに、また姫騎士の乱舞だよぉぉ!
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