第17話

「……は、ははははっははははははははははははっははははははっははは……何を言いだすかと思えば……諦めろ。私たちは死人だ。今更生きなおすことなんてできやしないなぁ!」

私は、黄が叫ぶのも無視して突進する。子供の頃から握らない日なんて無かった自分の手足のような大苦無が、今はただ重い。

「なんだよ。どんな秘策があるのかと思えば自殺覚悟で突進ってか?興冷めだな」

黄の手が、湊の心臓を抉ろうと突き出される。

「湊ぉ‼」

私は絶叫すると、そのまま黄の懐に飛び込んだ。

穿たれた大穴から、血がとめどなく吹き出す。

「……なん……で……?」

喉に大穴を穿たれた黄と、身体に大穴を空けられた私は、どちらからともなく膝を付いた。

「輝っ……!」

無傷で地面に転がる湊が、私の名前を呼んでいる。

変わり身の術で私が彼の身代わりに傷を受けたからだ。

「……まぁ……これで生き残れるわけ……無いわな」

「おい!しっかりしろ!今、ウチの連中に助けを……」

「ええねん……それより……湊……」

「え?あ、おい!目を閉じるな!起きろ!輝!輝ぁ!」

ありがとう、という言葉が音になる前に、私の意識は途切れた。

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