第59話「最後の手紙」

私が目を覚ますと樹君の屋敷の使わせてもらってる部屋にはいた「!?」私が勢いよく起き上がると「「主!」」樹君と自利が一斉に私に駆け寄る「樹君、自利、あれ何で私がここに?」「何でって屋敷の前で倒れてたんです、大量の睡眠ガスを吸っていたからかもう三日も眠り続けていたんですから」と心配そうに樹君が言う







「ごめんね、心配かけて」自利「本当です、私は、主に命じられて主を探しに行くことも、出来なかったのですから」「勝手で本当ごめんね、今何時?」「朝の三時です」樹君が答える「分かった、もうしばらく寝るから一人にして」そう私が言うと「「はい」」と二人は同時に返事をして一礼して出て行く







そして私はいつも通り仕事に行った、出勤すると「光ちゃん!」佐藤さんは私には駆けつけて私を抱きしめる「!?佐藤さん、あのすいません、三日も仕事を無断で休んでご迷惑おかけしました」










「そんなことはいいの、七海君から意識がないって聞いてもう心配で睡眠ガスを沢山吸って意識がいつ戻るか何とも言えないとか言われた時はどうなるかと思ったよ」「すいません、またご迷惑を、あのガクはどうなりましたか?」








「あぁ光ちゃんが屋敷に運ばれたあとガクも誰かが第二、NAS班の建物の前に鉄化したガクを運んでくれたみたいで、状況からしてあれ光ちゃんでしょ?ガクを鉄化したの」







「はい、私は訳あって、ガクと一対一で決闘をすることになりまして、その時に大量の睡眠ガスを吸うはめになり、意識が遠のく中ガクが自分の足に釘を刺して意識を保ち逃げ出そうとしたので動きを封じる為に仕方なく鉄化しました」佐藤さんが私から離れて「そうだったんだ、光ちゃんのことだから周を助けようとしてそうなったことぐらい私には分かるよ」







「あの佐藤さん、お話があるのですが今は大丈夫ですか?」「話?いいよでもまずはガクにかけた能力をといてそれから話を聞くよ」「分かりました」私は、ガクにかけた能力をとくと、ガクは元の人間の姿に戻ったガクは私を見て









「元に戻った途端お前の顔を見ることになるとはな、しかもこんな狭苦しく何もない所に閉じ込められて本当お前のことを侮っていたとつくづく思う」「私ははっきり言ったはずだ、アンタは私がこの手で逮捕する、周のことも必ず守ると、アンタはそれをジョークだとあざ笑った、全てアンタが自ら選んだ道だ、私には勝手に絡んで自滅したそれなのに今更後悔しても遅い」







ガクは微笑み「あぁ全て自分で選んだ、だが一つ間違っていることがある、俺はお前に絡んだことを後悔してない、悪の道に進んだことも、お前にとって俺と一対一で決闘したことはしょうもない賭け事だと思うかもしれないが、俺にとってはあの時間が一番人生の中で楽しい時間だった」





口角をあげて言うガクに私は呆れて「くだらない、私はちっとも楽しくなかった、もう二度とアンタと一対一で決闘することなんてない、これで会うのも最後だじゃあな」私はその場を去るそして誰もいない部屋には行くと「それで私には話ってまさか光ちゃん辞職したいとか言わないよね?」









私は微笑み「正解です、」私はスーツジャケットのポケットから辞職届けを取り出し佐藤さんが座る目の前の机に置いた佐藤さんは辞職届けを手に取り「やっぱり警察官でいるのは嫌だ?」私を見て佐藤さんは問うと私は







「正直に言えば私は警察官って仕事がいい職業なのかよく分かりません、警察官になり始めの頃はこの仕事はただ悪人を命懸けで捕まえて罪のない一般市民を守るとだと思っていました、でも実際なってみると全く違くて、この仕事は、私が思う以上に複雑で責任が重い仕事なんだと刑事になってようやく分かりました」






「それで光ちゃんが辞職したい理由は?いくら複雑で責任が重いからって辞職したいとまでは思わないと思うけど?」佐藤さんは私に言う「はい、私が辞職したい理由は別にあります」「その理由は何?」佐藤さんは私には聞く、







私は、「忘れられないんです、人を撃ち殺した時の感覚が、ずっとこの手に残って人を撃ち殺した瞬間が脳内に焼き付いて撃ち殺した後の二年間は毎晩のように悪夢となってうなされてました、佐藤さんは犯罪者を撃ち殺した後でも複雑な思いをしても強い信念と正義で乗り越えていけるのかもしれませんが私は違います、」







「光ちゃん……」「私は佐藤さん、お母さん、翼君のように誰かを撃ち殺したその後で何もなかったかのように刑事として仕事をしていくなんて私にはできません、」「……」






「それにこの先も刑事の仕事を続ければ必ず歯止めがきかなくなった犯罪者を止める為に私はまた人を射殺することになります、そんな未来がくるなら私は辞職することを選びます、それにこの仕事を続けることは周はきっと望まないと思います」「どうしてそう思うの?」







佐藤さんは私に聞く「私が警察官の試験を受けると知ったあの時の周の言葉と不安で仕方ないっていう表情がずっと忘れられないのです、私は安藤から周の未来を守りたくて警察官になる道を選びました、でもその決断のせいで周に大きな恐怖と不安を与えてしまいました、」「……」






「私はもう周とは以前のような関係に戻ることはありません、だからせめて周の望み通りして周が感じた不安と恐怖を取り除きたいのです」「光ちゃんの気持ちはよく分かった、そこまでの意志があるなら私は辞職することを止めない、この辞職届けは私が上に出しておくね」「はい、よろしくお願いします」





佐藤さんは立ち上がって私も同じタイミングで座っていたパイプ椅子から立ち上がると「あの佐藤さん私は佐藤さんに感謝してます、最初は警察を毛嫌っていてこの仕事も好きじゃなかったですが、今は警察官の職業はこの世の中に必要で、佐藤さんのような方が警察官ならこの仕事も職業も悪くないと思えます」






佐藤さんは微笑む「ありがとう、そう言って、もらえて嬉しいよ、私はずっと光ちゃんの味方だからね」微笑む佐藤さんに私は微笑み返す「でも寂しくなるな光ちゃんも辞めて、橋部君も辞めるなんて」「えっ橋部さん辞職したんですか?」私は驚きを隠せず






「あっそっか光ちゃん三日間眠ってたから知らないんだ、光ちゃんの辞職届けを出す前に橋部君も辞職届け出していてね丁度光ちゃんがガクと一対一の決闘して行方不明になった日に正式に辞職したの、」「えっ橋部さんが辞職なんてどうしてですか?」「私も本人聞いたんだけど、ご実家の都合で店を継がないといけなくなったとかで辞職したあとお父さんの店を継ぐとかで」






「そうですか……なら橋部さん、もう東京にはいないですよね?」佐藤さんは私の問いに「うん、みたいだね、橋部君、辞職したタイミングで実家に帰るって言ってたからあっそうそうこれ橋部君から光ちゃんに渡してほしいって頼まれたの」私は一通の手紙を佐藤さんから受け取る、「ありがとうございます」




私は佐藤さんにお礼を言ってお昼休み人で屋上で手紙を読んだ、〈光さんへ、この手紙を読んでいるということは俺は、この世から完全に消滅したということでしょう〉「えっこの世から完全に消滅?一体どうゆうこと?」私は続きを読む







〈光さん、俺は光さんに数え切れないくらいの嘘をつきました、俺はお嬢手下で謎のスナイパーは俺です、ライフルで遠くから撃ち俺は数多くの人の命をこの手で奪いました〉「!?」私はその文章に驚く






〈俺は十五年前に一度死んでいてお嬢の能力で仮の体の状態で蘇ることができました、そして俺はお嬢の手下としてお嬢の命令で光さんが警察官になる前から光さんのことを知っていてずっと影で守っていました、光さんが俺の家に泊まった時も、光さんが進未自利の為に誕生日プレゼントを選ぶために一人でデパートに出かけている時も偶然を装い光さんに近づきました〉





私は橋部さんとの思い出を思い出しながら読む〈俺は人を平気で殺す殺人鬼で感情なんて一度死んだ時に全て捨てていました、貴女に近づいたのも貴女を守っているのも全てお嬢の命令で初めから貴女対して抱く感情なんて何一つ無かったはずなのにそれなのに俺は主であるお嬢の命令に背き命令逆らえば体は永久に消滅するそのことを知りながら俺はあの時貴女の元に行くことを選びました〉






私は涙を流す「橋部さん……」〈光さん、貴女は本当変わった人です、俺は貴女と深く関わる前までは感情なんていらないと思っていました、それなのに貴女に出会い俺は喜怒哀楽している自分に気が付きました、そして俺は殺人鬼である自分に人として接してくれる貴女の姿を見て貴女ともっと話がしたい、もっと貴女と一緒に過ごしたい、そんなことをいつの間にか考えるようになっていました〉







私は涙が止まらなくなり一度読むのをやめて呼吸を整えるように深呼吸をしてからまた読み始める〈光さん、俺みたいな殺人鬼人によくしてくださったのに普通の人じゃなくて、一度死んで蘇った俺ですいません、警察官ではなく殺人鬼の俺ですいません、俺が貴女みたいな人の痛みを理解する貴女と出会って本当にすいません、俺は人を殺すことでしか貴女を守れない殺人鬼だから〉








「橋部さん……」私は片手で目元を抑える〈最後に光さん、こんな殺人鬼の俺が何を言っても信じてもらえないかもしれませんが俺の灰色で何もなかった俺の二度目の人生を楽しく色鮮やかにしてくれたのは間違えなく光さんでした、そして光さんの存在こそが俺にとっての存在する理由でしたこの想いは本当だと信じてもらえたら嬉しいです〉







私は読み終わると「橋部さん、殺人鬼の貴方にこんなこと言うのも可笑しいですが、貴方は哀れな方ですね本当に」それから私は橋部さんとの日々を思い出しながら泣き続けた







そして涙が止まった、私は手紙をジャケットポケットにしまって仕事に戻ろうと出入り口に向かって歩きだした、すると後ろから口を布のような物で塞がれる「!?」驚いて私は抵抗しようとするがすぐに意識を失ってしまう、そして目を覚ました時には見知らぬ部屋のベットに眠っていた、








「んー何か頭がボーっとする」私は体を起こして「ここはどこだ?もしかして私は誘拐されたのか?一体誰に?あっまさか安藤?」と一人で、自問自答してると「正解、私だよ光」






「安藤、一体何の用だ、私をこんな悪趣味な部屋に閉じ込めててか何で骸骨だらけの部屋なんて薄気味悪い過ぎでしょ、もっとマシな部屋はない?」






「あぁここ私の部屋だからごめんね、もしかして光骸骨嫌いだった?」「嫌いっていうか、あれ絶対に人骨でしょ?アンタが殺してきた人達」「えっ何で分かったの?」「それは三年間も警察官してほぼ毎日白骨化死体、死体を見たら嫌ってほど見分けがつくよ」「様になってきたじゃ警察官の仕事」






「そんなことよりアンタは相変わらずクレージーだな平気で何百人を殺してそれだけじゃなくて殺した人の骨をコレクションするなんて本当悪趣味」「別にいいでしょ?気に入ってるだから」「本当どうかしてる、」「ねえ光私と取引しない?」「取引?取引って何?」「私には息子が一人いるの」







普通の顔でさらっと言う安藤に「!?何の冗談?そんな冗談に騙されるほど私は愚かではない、そんな用で私を拉致したと言うなら私は帰る」そう言って、ベットから降りて部屋に出るするとそこには黒岩が立っていてよく見ると赤ちゃんを抱いていた「!?」私は立ち止まり驚きを隠せない






安藤が来て「どう?これで信じてもらえた?」「えっあの赤ちゃんは本当アンタの子なの?」「そうだよ私と黒岩の子供だよ」「いや驚きだな殺人鬼も男女の情を交わすことがあるんだな、それで取引ってことは私には何か頼みがあるってこと?」「そう、今息子の純一はある一人の能力者によって五年後に死に至る能力をかけられてしまったの、」








私は安藤に「だから息子を助ける為に私のボイスの能力でその能力を取り除いてほしいというわけ、取引ってことは息子を助けたら私が得するものをアンタが何かくれるってこと?何をくれる?」安藤は私の目を真っ直ぐ見て「私の命をあげる、そして光の望通りサバイバルゲームを終わらせる」







安藤の表情を見て本気だということが伝わってきた「もしその望みが叶うならアンタの息子を助けない理由はない、だけどアンタが良くても黒岩がそれを許さないはず私が前アンタの心臓を撃ち抜いた時、黒岩が移植手術してアンタを助けた、その可能性を否定できない限りを私がアンタの息子を助ける理由がない、じゃあな」





私は歩き始めると私の歩きを妨害するように黒岩が立つ「!?一体何の真似?」「その条件で構いません、純一を助けてください」「黒岩……本当いいのか?私が安藤を殺してあらゆる手を使って私から安藤を守ろうとしていたのにそれなのにそんなアンタが安藤を見捨てるのか?」






黒岩は「……正直に気が進みません、ですがお嬢の能力でも純一を救えないと言うなら今純一を救える可能性があるとするなら貴女以外ありえません」私の目には黒岩も嘘をついているようには見えなかった私は小さい子供を見て小さい子供に手をかざし「能力を消えろ」と言ったそしたらさっきまで顔が悪く、眠っていた子供の顔色が良くなり目を覚ました







それを見た安藤が小さい子供駆け寄り安藤が子供を抱きかかえ黒岩が子供を診察する「治っています、能力が完全に解けました」と安藤に言う二人は私を見る、私は「私はちゃんと助けた、今度はそっちが私の願いを叶える番だ」私がそうゆうと






安藤が黒岩に子供を預け私に近づいてきて私の片手を両手で握り「ありがとう、光の望みを叶える前に光に二つ頼みがある」「頼み?」「うん、死ぬ前に最後に光の手料理が食べたいのとあと息子の純一がこれから自分の人生を生きていけるように助けてほしい」




「いいだろう、あんたらはもうすぐ死ぬんだその最後の望み叶える」〈これで最後だ、これで周の未来を守ることができる〉

























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