第44話「どうか私を忘れて幸せになって」

事件から二日がたった。前田親子は無事逮捕されて里中警視含め事件隠蔽に協力した前田和樹の知人も逮捕された。そして内田さんは警察官五人を殺したので死刑判決が出た。「おはようございます」私はNSS本部に行く。「おはよう光ちゃん」佐藤さんが挨拶したあと






「「おはようございます光さん」」黒島さんと橋部さんは挨拶する。席に着くと「よう光」「翼君おはよう」そして二日前の警視総監室の出来事を思い出す。





〈翼君、翼君は一体に何を隠してるの?火事の事件の時から様子はおかしいと思ってたけどあの時の翼君の目あの目は敵視しているような目だった〉






「光なんだよ俺の顔をじっと見つめてなんか聞きたいことでもあるのか?」「えっ?何でもないよ」「本当か?」「……うん」〈今は聞かないでおこう、聞いたら翼君と警視総監が敵対することになるかもしれない〉






午前の仕事中予知が見えた周が女に胸を刺される姿が「周!今行っても間に合わないなら」ナイフを取り出して「光待て」翼君が私を引き止めようとしたがリライフした。私はお昼の十二時に戻った「リライフ成功」「何がリライフ成功だよ」翼君が私の元に来た。







「翼君」「待てって言っただろう?」「でもあのままだったら周は確実に殺されてた、周が死ぬところなんて見たくないの」「俺だって同じだ、好きな女が死んでいく姿見て何も出来ない男の気持ちを考えたことあるか?」








「えっ翼君?」「前にも言っただろう?俺はお前が好きだって」「それは確かに言われたけど……」「けど?」「でも私にとって翼君はお兄ちゃんみたいな感じで……」「言いたいことあるならはっきり言えよ」「だからその私は……」







私は翼君のことは好きじゃないと伝えようとした時スマホから着信が聞こえてきて「ごめん」私はスマホを見ると「また来てる」「挑戦状か?」「うんでも今回のプレーヤーの名前見覚えあるような」「成田風花って女優じゃん」「えっあの成田風花?」







「だって職業女優って書いてあるし女優で成田風花って名前は俺の知ってる中で一人しかいない確か成田風花ってラブストーリドラマの光と主演の座を最終オーディションで争ってたよな」







「あぁ思い出した、いつも私が勝ってたけど……えっそれで復讐の為に周を殺そうとしてるってこと」「たぶんな」翼君が言うと「それが本当だったら迷惑な話」「対戦者内容は?」「演技対決対決日は五日後」





「えっやっぱり根に持ってるんだな、光にオーディションで負け続けたこと」「だからって周は関係ないでしょ?」






「きっとそうだと思うが光はどうする気だ?」「それはやるに決まってるじゃんやらなきゃ周が殺されるから」「光……」「大丈夫だよ演技で勝てば済む話だから」メールが来て「!?何これ?」「ん?光どうした?」翼君が私のスマホを私の手から取り見ると







「これってどうゆうことだ?」「分かんないでもこれが本当なら私と周は……姉弟じゃない」「取りあえず香織に聞きに行くか?」「……うん」部署に行くと「香織聞きたいことがあるんだ」「いいよ別の部屋で話そう」私達は部署の会議室に行った。






「で?話って何?」「それは光が聞きたいことがあるんだって」「いいよ何でも聞いて」「あの……今から聞くことは嘘をつかずに本当のことを言ってください」「うん」「私と周は実の姉弟じゃないんですか?」








「!?」「これは安藤がメールで送ってきたんですけど本当みたいですね」「うん嘘をつかないと約束したから言うけど本当だよ周君はいえ周は私の息子だから」「「!?」」「周が佐藤さんの息子?だったら周の父親は誰ですか?」「父親は見守警視監だよ」





「えっ見守警視監つまり周と私は従弟ってことですか?」「そうゆうこと」「香織俺も聞きたいことがある」「どうぞ」「何で凛さんに周を預けた?なんか育てられなかった事情でもあるのか?」







「私は高校時代亮と付き合っていたでも亮には婚約者がいて警察学校を卒業したら親が決めた相手と結婚するそうゆう約束だったらしい私はそれを承知の上で高校生の間だけ付き合った」「それで周を妊娠したんですか?」私は聞く








「うん高校卒業して亮と別れた後に分かった」「でも何で養子に出したんだ?まさか亮さんの為か?」「うん亮優しいから私が自分の子供を妊娠したって知ったら夢を諦めてきっと私に結婚しようと言ったはず」






「夢って見守警視監は警察官になることが夢だったんですか?」「うんそうみたい理由を聞いたら初恋相手を守れると思ったからとか言ってたよ」「個人的な興味なんだけど亮さんの初恋相手って誰?」






「それがいくら聞いても教えてくれないのでもこう言ってた俺は好きになってはいけない相手を好きになったと」「そんな話はどうでもいいんです問題はこれから周をどうするかです」「どうするってまさか光周と離縁するつもりか?」







「そのつもり」「えっ離縁してどうするの?」「母親である佐藤さんに家庭裁判所に子の氏の変更許可をもらって裁判所を申し立てるんです」「それってつまり私の戸籍に周の戸籍を移すってこと?」「はいそうです」







「いや無理だって周がなんて言うか分からないし光と実の姉弟じゃないそれを知ってあいつが冷静でいられるとは思えない」「大丈夫対決までにまだ時間があるその前にケリをつける」「光お前、今度は何を考えてるんだ?」「とにかく周のことは私に任せてください」





「周は私が母親って言ってもすぐには受け入れないと思うだって私は産んですぐに周を凛さんに預けた、いや捨てたんだ」「でも佐藤さんがつけたんですよね「周」って」「どうしてそれを……」







「前に母に聞いたことがあるんです、周の名ずけ親は別にいて私の最も信頼できる相棒がつけてくれたんだってそれに私は佐藤さんが周を捨てたんだなんて思いません」「どうしてそう思うの?」





「だって佐藤さん周のこといつも心配してくれていて周が危険な目に遭った時は全力で守ってくれていて周が夢に向かって頑張ってる時は周を応援してくれていて私はそんな佐藤さんだからこそ周のお母さんで良かったと思うのです」







「光ちゃん……ありがとう」佐藤さんの目から涙が溢れていた。「えっ何で泣くんですか?」「嬉しくて……まさかそんなこと光ちゃん言って貰えるなんて思わなかったから」「だから泣く必要ないですよ本当に佐藤さんはすぐに泣くんですね」






「いい大人が泣くなよ」翼君が言う私が微笑むと佐藤さんも泣きながら微笑んだ仕事が終わって私は七海さんに帰りが遅くなると連絡して周を電話で近くの個室の焼き肉店にに呼び出した。「光珍しいね光が俺を呼び出すなんて」「周に話したいことがあってとにかく座って」






「話って何?」「周に伝えないといけないことがあって」「何?」「あのね周落ち着いて聞いてほしいんだけど私も今日初めて知って私も訳分かんないんだけど私と周は本当の姉弟みたい」「えっそれ本当なの?」






「それは私にも分からないだから確認するためにも一緒にDNA検査受けないかと思って」「いいよ受けよう検査」「本当に?」「うん一つ言っておきたい、もし俺達が姉弟じゃないなら俺はもう遠慮なんてしない」「えっそれは一体……」





「分かってるでしょ?俺の気持ち」「その話は離縁した後に話そう」「それって俺と付き合うことを考えてくれるの?」「……」私は何も微笑む周も微笑む「せっかくだし食べていこう」「うん」次の日そして周の DNA検査を受けて兄弟じゃなかった。







私達は役所に行って離縁届けを出した。役所を出た後「これで俺達姉弟じゃなくなったね」「そうだね、ねぇ周、周にもう一つ話しておきたいことがあるの」「えっ何?」「周の本当のお母さんと待ち合わせしていてこれから一緒に会いに行ってくれない?」





「いいけど誰なの?」「会いに行けば分かるよ」近くのカフェで待っている佐藤さんの所に周を連れていった。「えっ光俺の実の母親ってまさか」「そうだよ佐藤さん」周はとても驚いていた「取りあえず座ろう周、話はそれから」






「周君……ごめんね急にこんなことを言ってずっと謝りたいと思っていただけど私は結局言えなかったもし真実を知ったらきっと周君は私の前から消えてしまうそう思ったら怖くてどうしても言えなかった」涙を流す佐藤さんの姿を見て






「泣かないでください佐藤さん確かに驚きはしましたが別に佐藤さんを恨んでません」「周君……」佐藤さんが呼ぶと周は微笑んだ







「俺は知っています貴女が悪い人ではないとだって佐藤さんはいつだって俺が黒岩って犯罪者からも何度も守ってくれました、こんな俺をいつも心配してくれて助けてくれましただから俺は嬉しいです佐藤さんがお母さんで」「周……」






私は周の言葉を聞いてほっとしたそして私は周に「周さえ良かったら佐藤さんの戸籍に移らない?」「戸籍を移す?」「そうでも佐それは周がどうしたいか考えてから答えを出して」周は佐藤さん見てから「うん」と返事をした。






「私はもう行くから後は二人でゆっくり話し合って決めて」私は席を立ち歩き始めると「光ちゃん!」私は振り返って佐藤さんを見ると立っていた。「ありがとう」そう言って頭を下げた。私は微笑みながら頷いてまた歩き始める。






そして佐藤さんからその日の夜電話で周と戸籍が一緒になると聞いた次の日の夕方周に電話して今回の対戦内容を伝えてそこに周も参加することを伝えた。私は佐藤さんの家に行った自分が考えた台本を渡した。「でも俺この物語の設定いいと思うよ」






「本当?ありがとう」「そういえば対戦相手とも俺相手役をしないといけないだよね?」「うんそうしないと周は殺される可能性がある、でも私がそんなことさせない一緒に勝とう」「うん」そして本番当日私は指定された会場に行く。






控え室に行くと成田風花が立っていて「久しぶり見守光」「私はアンタのことなんて綺麗さっぱり忘れてたよアンタまでこのゲームに参加するまで」「相変わらず弟君にしか興味ないみたいだね」






「それは違う、周にしか興味がないんじゃなくてアンタのしてることが気にいらないだけ」「相変わらずストレートだね見守」「そんなことはないアンタがひねくれてるだけだ用が済んだら出て」







「相変わらず嫌み満載だねでも今日は必ず勝つからアンタが引退したこの二年私はずっと演技と向き合ってきただからアンタに負けない」「それはどうかな毎回私に負けてたアンタにそんなこと言われても何の説得力もない」「その言葉後悔させてやる」






「やれるものならやってみろ」私が言う、成田は出ていった。そして本番になり司会者が「それでは対決を始めます先攻は身が成田風花さんですタイトルは「二人の思い出」ですどうぞ」






ステージを見ると周と成田が立っていて二人は台本に合わせて演技する〈確かに二年前とは全然違う表現のしかたも話し方もしっかり物語にあってる成田はこの二年間本気で演技だけに全てを注いで来たんだ〉私は成田の色んな表現を見て思った。






そんなことを思っていたら周から成田にキスをした。「!?」私はすぐに目を背けるそして演技が終わって私の番がやってくる司会者が「続いては元アクション女優でかつてはラブストーリクイーンと呼ばれた見守光さんでタイトル「どうか私を忘れて幸せになって」ですどうぞ」






その言葉を合図に演技を始まる「今日は周に言いたいことがあるの」「えっ?」周は役名で呼ばれないから驚く「周私ねずっと思ってた周が沢山の人から命狙われてその度に守って来たけどでも私はもうすぐ死ぬの」「えっ光さっきから何を言ってるの?」





「本当だよ私はあるまだ未知で特効薬が見つかってないウイルスによって今私の体は蝕まれてる」「何を言ってるのか全然分からない光は本当に余命宣告受けてるの?」「うん本当は警察官の仕事は一番しちゃいけないんだけど周をプレーヤーから守る為には仕方がなかった」






「光、だったら今すぐ辞めて俺のことももう守らなくていい自分の体を最も大事にして」「周はやっぱり優しい子だね私が死ぬと思って必死に引き止めようとしてる、でもね周、私はもう二十八回死んでるの」「えっ嘘だよ、だって今目の前にいるじゃん」






「私はミラクルって能力で特殊能力者以外だったらどんな能力でもコピーできるどうして使えるかは謎だけど誰かの能力だったリライフを使って私は死ぬことで時間を戻していた」「ちょっと待って光今自分が何を言ってるのか分かってる?」「分かってるよ」






「もしそれか本当なら今すぐ止めて警察官もすぐに辞職して」「しないよ絶対」「俺はそんなこと望んでなんじゃない俺はただ光と普通だけど穏やかで幸せな日々を過ごしたかったただそれだけを望んでいた」涙を流し始める





私の目から涙が溢れる「ごめん周、周に辛い思いをさせたい訳じゃないの私はただ周の未来を守りたいだけなの、私だってこんな能力使いたくない、死にたくないでもやらなきゃ使ってでも守らなきゃ周の未来は本当に終わっちゃう」






「俺は光の未来を犠牲にしてまで生きたいとは思わない」「分かってるよこんな守り方が間違ってるってでも私にはこれしかなかった私は無力だから能力無しでは周を守ることができない本当に無力な人間だからごめんね周、今までずっと言えなかったけど周が好き、大好き」




私が言うと周は私を抱き締める「俺も光が好きだよこの胸が裂けるほど裂けていいほど光が愛してる」「嫌だよ離れたくない……こんなに好きなのにやっと恋人同士になれると思ったのに今の私には無理だよ私だって五年後も十年後もずっと一緒に生きていけれると思ってた」







「無理じゃないよ一緒に生きよう光二人仲良く昔みたいに一緒に生きていこう」「それはできない」「どうして……」






「だって私もうすぐ死ぬだよ、少しずつ体が動かなくなっていって立つことも歩くこともできなくなって最後は死ぬのを待つしかないそんな朽ち果ていく姿を見てられる?周にこれ以上辛い想いをさせたくないだからここで終わらせる」



私は周から離れて「周、辛い気持ちは全てを私が引き継ぐだからどうか私を忘れて幸せになって」「嫌だよ光!!?」私は周に長いキスをする三分経って離れて「周眠って」「ひ、か、り、」周はガタンと倒れるけど私は周を支えてゆっくり座り周の体を抱き抱える。






「周……周は明日目覚めるその時には周は私を好きな気持ちも私との思い出も全て無かったかのように忘れている、周、こんな私を好きになってくれていてありがとう、余命宣告を受けた私に一緒に生きようと言ってくれてありがとう、私に初恋をくれていてありがとう」






私は周の頭を撫でながら「私に生きる意味をくれていて本当にありがとう、愛してる……周愛してる、この世界中の誰よりも愛してる、大丈夫だよ周私のことを忘れても私を好きじゃなくなっても何度でも何度でも私が必ず守ってあげる」







私は周のおでこに優しくキスをしてそっと床に体を置くと立ち上がりそのままステージを降りた。




























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