第3話「絶望と奇跡」
どうしてこうなった?床を見ればスタッフさん、翼君、めぐみが血を流して倒れていて前を見れば人を平気で殺す殺人鬼が二人「もしかして光人を殺したことがないの?」「当たり前でしょ?誰がアンタらみたいに平然と人の命を奪える訳ではない」
「でもしょうがないんじゃない好きなものは好きなんだから」「人を殺すことが好きだって言ってるの?」「そうだよ私は人を殺すのも好きだし見るのも好き人を殺す瞬間は私が一番「生きている」と感じる瞬間だ」「それで罪のない人を殺して今度は周をってこと?」
「当たり私はずっと疑問に思ってた他の人の生活を見てよく飽きないよなって普通に学校いって普通に仕事して恋人同士になって結婚にしてそんな当たり前の生活が私はたった五年で飽きたもっと刺激的なことがしたくて小学一年時の帰り道一緒に帰っていた女の子を事故に見せかけて殺した」
「!?」「そして楽しくなって気付いいたら学校の人皆殺してた」「その事と周を殺そうとすることになんの関係があると言うの?」「さぁ私はただ私の心に従ってるだけだから光選んで私に弟君を殺されるのか?それとも私を殺して弟君を守るのか?光が選択出来るのは二つに一つどっちがいい?」
「そんなの選べるわけがないそんなに殺したいなら私を殺して」「光!そんなのダメだよ」「そうだよ光が選択出来るのは二つに一つって言ったでしょ?もし私を殺すならこれ使って」女は私に拳銃を床に滑らせて私の足元に投げた。
それを見た私は「私にどうしても殺されたいみたいにだね本当にアンタを殺せば周の命を狙わないと約束できる?」「うん約束する私を殺せば弟君の未来は守られる」その言葉を聞いた時私は拳銃を手に取り私は女の方に数歩歩いて私は銃を女に向ける。
「ダメ……ダメ光!!」女は銃を向ける私の姿を見て泣きそうになりながらほっとしたように笑った「周ごめんねこんな守り方しか出来なくて周愛してる」私は周の顔を見ながら言う。そして引き金を引こうとすると周が私の前に立って「もういいやめて!お願い光罪を犯さないで」
「周お願いそこを退いて周を守るにはこれしか方法がないの」「そんなことまでして守られたくない!俺は嫌だよ光が犯罪者になるなんて確かに光少し乱暴なところがあるけどでもどんなことがあっても卑怯な真似は絶対にしない、不器用だけど真っ直ぐな人」
「周……」「俺が慕うのはそんな人だから」女を見て「俺を殺してください、その為に来たのでしょ?」「何を言ってるの?」「へぇー光の未来を守る為に自分の人生を差し出すそう言いたいの?」「はい」「ダメ!そんなこと絶対にさせない周!」私は周の元に走り出す。
「黒岩!」女が叫ぶと黒岩って男が私に向けて片手をかざすと私の体が動かなかった「えっどうして私の体が動かないの?お願いだから動いてよ!!」「光そこでおとなしく見ててよ弟君が死ぬ姿を」「やめて!お願いだからアンタを殺せばいいんでしょ?」
「俺を殺してください、抵抗するつもりはありません」「弟君こっちに来て」「ダメ!お願い行かないで周!」「その前に光に最後の挨拶をさせてください」「いいよ私も鬼じゃないんだ二分だけあげるよ黒岩二分計って」「はいお嬢」黒岩は腕時計を見る。
周は私の元に来て「光」「周お願い行かないで私を一人にしないで」「光俺の目を見て」そう言い私の頬を両手で触れてる「俺はずっと光に言えなかったことがある光、俺光の存在にいつも救われてた、俺の為仕事頑張ってくれてどんなに忙しくてもいつも美味しいご飯作ってくれてありがとう」
「それは違う私には周が必要なの周が居ないと私は生きていけない」「光、俺の最後の願いを聞いてくれる?」「嫌だ聞きたくない」「光、生きて何としても罪を犯さずにそして俺を守れなかったと自分を責めるのはやめて今日の出来事を全て忘れて光は必ず幸せになって」
「一分経過」黒岩の声が聞こえてきて私は「嫌だそんなの絶対にさせない周が死ぬと言うなら私も一緒に……」死ぬと言おうとした時私の唇に何か温かいものが当たり周との顔の距離が0になっているのことに気がついた。〈えっこれってもしかして私、周と……〉数秒して周の顔がはっきりと見えるようになった。
「光、本当にありがとう俺は光に出会えて光と同じ時を過ごして最高に幸せだったよ」「周」「お嬢二分経ちました」「サービスタイム終了弟君こっちに来て」「嫌だ行かないで周!」それでも周は私の言葉を聞かずに女の元に行く。女は黒岩から拳銃を受け取ると
周は女の隣に行き女は拳銃を周の頭に突きつける「嫌やめて……お願いやめて周!!」私が呼んだ瞬間周が微笑み涙を流しながら「光、愛してる」引き金を女が引きパーンと銃声と共に周の頭が撃ち抜かれそのまま床に倒れるその姿を見て私の心の支えを生きる意味を一瞬で失った。「あー!」
「そうだよその顔だよ私が見たかった顔だどう?私が憎いでしょ?殺したいでしょう?、私は安藤糸だ殺したくなったら殺しに来て黒岩帰るよ」「はいお嬢」二人は出口に向かって歩いていったそしたら体が自由になって「周……周!」私は周の元に駆け寄るそして上半身を持ち上げ起こすと
「周しっかりしてしゅ……!!」頬に触れた瞬間触れればいつだって温かったはずの頬が今はとても冷たくて私は周がもうこの世に居ないことを知った「周……ごめん……ごめん……ごめん……ごめんね周守ると言ったのに守れなくて本当にごめんね周」
私は数分周を抱き締め謝り続けたしばらくして佐藤さんに電話した三十分後佐藤さんは部下を連れて来た。「光ちゃん!!何これ何で人がこんなに……一体何があったの?」佐藤さんは首を切り落とされた翼君達を見て言った。「佐藤さんこの殺害の仕方ってもしかして黒岩じゃないですか?」
佐藤さんの部下の山田さんにが言う「本当だ確かによく見たら黒岩しか出来ない殺害方法だね」「黒岩……どうしてその名前を知ってるんですか?」「えっ光ちゃん黒岩に会ったの?」「はい黒岩って男に会いました見たところ能力者みたいでした私はあの男せいで周を守れなかったんです」
「!?光ちゃんその腕の中に居るのってまさか周君?」「はい……私は周を守れなかった体が動かなくてただ周が殺されるところを黙って見ることしか出来なかった」「そんな周君……」佐藤さんは私のもとに来て周の頬に優しく触れる。
「泣いてる……きっと怖かったんだろうねごめんね助けてあげられなくて」そう言いながら涙を流す。「佐藤さんは何も悪くありません悪いのは安藤糸って殺人鬼ですから」「安藤糸?光ちゃん安藤糸に会ったの」「はい安藤が周を殺しました」
「えっもしかして誰かに頼まれたの?」「いえ自分から殺しに来たみたいでした」「そう……」「どうしてそんなことを聞くんですか?」「えっいや特に理由はないよ」「佐藤さん嘘つくの下手ですね本当に分かりやすい人」「そんなことない光ちゃんが勘が鋭いんだよ」
「安藤がどうしたんですか?」「実は安藤糸は裏社会では知らない者は居ないと言われているほどのトップの殺し屋で有名なの、安藤糸ってのは本名じゃないと思う」「もしかして戸籍が存在しないんですか?」「どうして分かったの?」「何となくそんな気がして……相手は殺人鬼ですから」
「確かに戸籍がなければ探す手がかりも見つけることが難しくなる未だに住宅すら分からないから」「佐藤さん光ちゃんには一度帰ってもらった方が良いんじゃないですか?光ちゃんも辛いと思うので」「そうだね……光ちゃん取りあえず家に帰って」「周はどうなるんですか?」
「周君は警察が預かる今回の殺人事件について調べないといけないから」「嫌です私は周から離れません周は私がこのまま連れて帰ります」「光ちゃん気持ちは分かるけどそれは法を犯す事になるそうしたら私は刑事として光ちゃんを逮捕しないといけない」
「周の居ない世界で私にはもう生きていく意味はありませんだからもう全部どうでもいいんです」「光ちゃん……鑑識に周の遺体を引き渡してでなければ強行手段出る」「それは周に乱暴なことをするってことですか?周に一体なんの罪があると言うのです?」
「光ちゃん……」「罪のない弟の命を奪われてそれで刑事に乱暴なことをするとと言われる姉の気持ちを考えたことがありますか?いつもそんな風に苦しんでいる被害者家族から被害者を引き離しているのですか?」
「ごめん……光ちゃんにはこれが酷なことだとは分かってるけどこれが私の仕事だから」私は佐藤さんに「本当にどんなでもブレない人ですね、分かってます佐藤さんを責めても何も変わらないってこと命を落とした周を鑑識に引き渡さないといけないってこと」
「引き渡してくれる?」佐藤さんに聞かれた私は周を見た後「……はい」と答える。私は佐藤さんと代わって周を引き渡す。立ち上がった私は振り返らず出口に向かう。「山田君光ちゃんを家まで送って」「はい」返事をするけど私は「いえ一人で帰ります」
立ち止まった私は振り返らず佐藤さん言う「それは出来ない今光ちゃんを一人にしたら光ちゃんは……」「お願いです一人になりたいんです」私はそのまま出口に歩いていった。家に着いた私はリビングに入って周りを見渡す。
そして今までの周とのやり取りを思い出す。「いつもソファで座って私の帰りを待っていつも私のご飯を美味しそうに食べてくれて私の何気ない会話にも楽しそうに話を返してくれて周……無理だよ周の居ない世界で私が生きる意味はないだからごめんね周……今からそっちに行くよ」
私は台所に向かい包丁を手にとって首筋に刃を当てる「周愛してる」首筋を思いっきり切って自分の人生を終わらせた。〈会いたい、また君に会いたいよ周〉目が覚めた時には私はソファーに座っていた「私は死んだんだね」「光何言ってるの?」隣を見れば周がいて
「周がここに居るってことはここは本当に天国なんだね」「天国?何訳の分からないこと言ってるの?ここは俺達の家だよ、それに俺も光も死んでない」「えっだってさっき……えっちょっと待ってここって私達の家」「天国って光も冗談言えるようになったんだね」「だって今日は七月十六日でしょ?」
「違うよ今日は十六じゃなくて十五日だよ」「えっそんなはずないよだって」私はスマホを取り出して日付を確認すると「一日戻ってる」君に会えたのは嬉しいけど時間が戻るなんて一体どうなってるの?
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