シミュラクルの糸への応援コメント
感動です!
不気味の谷は、現在では単純に視覚モダリティで語られますが、そんなものを超えてアンドロイドがもっともっと人間に近づいた時に、もう一度不気味さや嫌悪感が湧き上がってくる……それを見事に描かれていると思います。
『電気羊』のリックとレイチェルの会話にもありましたが、おそらくそれは性的な事象のように本当の身体性が問われる際に最も顕著に出るんでしょうね。
作者からの返信
もう一年以上前の作品ですから少し忘れてますが、そうですね、不気味な谷を越えた先のもう一つの谷。後から知りましたが、星新一賞第一作の恐怖の谷の概念をよりヒューマンな方向に舵を切ったような内容になりました。
当時これを書いた時期はBLMの話題がそこかしこに流れていて、同時にナナ・クワメ・アジェイ=ブレニヤーのフライデー・ブラックという本を読んでいて、仄かにポリティカルな話が書きたいと思っていたんです。ですがわたしは黒人ではないし、様々な旅行や外人とのコミュニケーションの中でも黄色人種としての差別的な扱いを幸いにして受けませんでした。そんな人間がアンドロイドに対する不信感を書いたらどうなるか、という試験的な試みによって生まれた作品でした。
私の想像を超えた感想をいただけて本当に嬉しいです。
下北沢のアバンチュールへの応援コメント
おお!面白い!これ好き!
作者からの返信
コメントありがとうございます!
自分の好みで書いたものですので面白いと言われると素直に嬉しくなってしまいます。花布さんのお話は書いていて楽しいです。
空間を繋ぐラティスへの応援コメント
N岡です。便利な道具を手にして欲望に走った人間が酷い目に遭うという一見オーソドックスな展開なのですが、さりげないセリフや地の文に素敵な表現がこっそり差し込まれていてついつい読み進めてしまう不思議な感覚が有りました。このストーリーを私が書いたら恐らく平凡なものになったでしょう。やはり凄いです。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
色々考えた結果オーソドックスなものになってしまいました、笑うセールスマンみたいな。でもそう言って頂けると助かります!地の文やセリフも少し頭を悩ませて書いたものなので嬉しいです!N岡さんにはN岡さんの癖というか、そう言うものがあって、それが面白味を出すので、同じものを書いてもきっと別の面白さが出来上がっていたでしょうね。
過去と今の幸福についてへの応援コメント
なにこれ泣いた。細雪よりもこっちの方が好きだ。この、指の隙間から溢れていく感じ。失って、もう二度と戻らないものへの憧憬。リグレットもそうですが、私はどうもこういうのに弱いらしい。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
好きになってくれてうれしいです!!!感謝、、、!!
今回も文体を変えて少し遊んでみました。
私は取り返しがつかないうだつの上がらない男というものが好きなんです。そう言う人間にも過去に一つはいい思い出があって、それに縋って何か変わろうと足掻いている者が好きなのかも知れません。映画のタクシードライバーとか。
嚆矢たるは人の味わいを語らうことへの応援コメント
風呂好きの柚木さんらしい素敵な短篇でした。人外という異質な物をスっとまるでそこら辺にいる変わった人くらいのテンションで話に滑り込ませるセンスに毎度のこと脱帽であります。
それから、読んでいて苦にならない、それどころか先へ先へどんどん読みたくなるこの文章。とても不思議です。リズムなのかなと思い、音に分解してみましたが、特にこれといった法則は見つけられませんでした。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
異物を変わった人くらいのテンション、確かにそうかもしれません!強く意識はしていないけれど、なるべく身近に感ぜられるようにはしていました。
文章はリズムや音読で自分が楽しいようにはなるべくするようにはしています、自信はなかったですが、そう言って頂けると嬉しい!かの石川淳は、狂風記という長編を書いた際、全て音読して音が気に入らなければ書き直したそうです、そこまではいけていないですが、なるべく音は大事にしていきたいです。
編集済
泯然としてなおへの応援コメント
心臓を掴まれますね。シンパシーのせいです。いま風に言うとわかりみが深い。私も家に火をつけて、電車に乗って遠くへ行く類の人間だからでしょう。途中の老人の言葉が響きます。でもそれが全てじゃない。「人が孤独であるのは、孤独であるときだけで、絶対的に一人であることはないのだ」という最後のフレーズに救われました。確かにそうだ。いつもどこかしらに誰かが居た。これからも多分そうなのでしょう。幸せなことです。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
シンパシー、それだけでも何か嬉しいものがあります。本来これは日記の方で認めようと思って書いていたものをこちら用に書き直したものでした。なのでこれは私自身の記録でもあります。私にも確かに誰かいた。ここにもコメントを残してくれるN岡さんのような方もいる。ありがたいです。
編集済
一人の男と無数の男への応援コメント
ハンガーからここまで膨らむのは本当に驚愕ものです……! 慄いています(汗)
男の皮……奇妙な悍ましさと美味しい手料理とお酒とのギャップに、えもいわれぬ雰囲気が漂っています。
合わない臭いは残念ながら本当に許容できなかったりするので、分からなくてもない、と思っていたら、いつの間にか別視点で許容されているので、これまた慄いています。
そして最後の皮肉……二度見してしまいました。流石です!
作者からの返信
コメントありがとうございます!
返信が遅れてしまいましたがご感想本当に嬉しいです!
この話は実際にあった私の身の回りの人間関係の変化をもとに着想したものなので、そこにひとつまみの騙りを混ぜ込んだような感じです。
黄泉鳥への応援コメント
この、どこまで読み進めても全然先が予測つかないのにも関わらず、最後の一行まで行くと満足感に包まれている感覚って何なんでしょうね。やっぱり呂高さんの頭の中は異次元で、でも行く先には必ず、心が洗われるような黄色いたんぽぽが咲いているんだなあと思いました。今回も最高でした……
作者からの返信
コメントありがとうございます!
お返事を書き込むまでに随分と時間が経ってしまいました。一人の人間の三つの分岐はそれぞれ同一人物と言えるのだろうか、という着想で書き始めました。私はSFそのものが書けるわけではないので、第三の鶫子のような話が必要になってしまうのかもしれません。
最高という言葉だけで、ご飯何杯もイケました、大感謝です。。。
編集済
ペロリアへの応援コメント
灰色で監視されている世界……ディストピアな印象を受けました。
だからこそ、もし私が主人公だったら同じく最後のような心理に辿り着くと思います。
人が多いならレーションを食べる。過去の戦争について、詳しく気になってしまいますね。
(解釈を誤っていたら、申し訳ありません……)
作者からの返信
コメントありがとうございます!
書き込んで頂いてから随分日にちが経ってしまいました。まだご覧になられる機会があるでしょうか。。。
灰色のミニマルな風景のディストピア、というのはイメージの通りですので、生前とされていて清潔だけれど、その分イレギュラーが著しく減少した世界、という印象を持っていただければと思います。
編集済
焦慮の箱への応援コメント
焦慮の箱がまさかエレベーターのメタファーだったなんて……! 冒頭の高揚感・中盤の焦燥感があったからこそ、エレベーターによって仲が引き裂かれるのは非常に悲しいと思いました。
拝読中は文中の単語を滅多に調べない私ですが、冒頭のブランドを逐一調べては「オシャレ!!!」って超興奮しておりました。猫嫌いの話もそうですが、登場する小道具すら愉しみになる私がいます。
現時点で一番好きなお話です!!
追記:「男の人の前だからカッコつける」という部分は心から名言だと思いました。人生の糧にします。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
私はどうも不条理が好きなようです、それは悲劇だったり、日常に紛れ込む幻想だったり。外的な要因、自分自身の力の及ばない部分による影響というものに関心があるのかもしれません。
最高級ではないけれど、高級で上品だけれどカジュアルの丁度良いブランドと言えばこのへんかなと思いました。V&Rはファッションそのものに関心がないと買わないブランドですし、主人公のそういうスノッブな部分を表せると良いなぁと思っていました。調べてくれてありがとうございます!
気に入って頂けて本当に嬉しいです!パワーになります!!
シミュラクルの糸への応援コメント
スゴイ、の他に言葉が浮かんできたのでコメント失礼します。
昌三の嫌悪感の正体を個人的に読み解くと、珠里にこころがあるのかどうかがラインなのだと思いました。
性処理って要するにマスターベーションで、猿が白昼堂々やっているように人間の観点からすると一つも不自然な行為じゃないですよね。だから、昌三が気持ち悪いと思うのって、珠里を『人間として見ているかどうか』なんです……これは昌三の意見とは真逆になるんですけど。アダルトグッズを使うことは人間として問題はない。そうじゃなくて、珠里を性処理用に使われることに抵抗があるわけですから、理性を省いて事実だけ見て『性処理用のアンドロイドはアダルトグッズの究極型な、ただの「モノ」である』とするなら嫌悪感はないはずなんですよね。昌三が珠里を『人間的』に見ているからこそ、自分の存在と近しいはずの彼女が、人間の性のはけ口として使われることに強い抵抗があるんだなと、僕には読めました。
これってすごく示唆に富んだ短編で、森博嗣の小説に、目の前の人が『アンドロイドか否か』を判別するための装置を作りだした博士が登場するんですが、将来的に、『人なのか機械なのか』という哲学的な問いの、一つの答を読ませてもらった気分で、ろこうさんすご過ぎです。
あくまで主観的にですけど、目の前の異性がこれと同じ状況に陥った場合に嫌悪感が芽生えるのかどうかで『こころの存在』を証明できるんじゃないか。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
まさに仰るとおりで、昌三が抱く嫌悪感と人ではないという感覚に矛盾が生じるように書きました。というのも無自覚的レイシズムというものは、相手を同じ人間と認識しつつも、その存在を嫌悪するようなアンビバレントな状態を無意識でで行っていると思うので。昌三はそれの逆のようの形で、相手をアンドロイドだと認識しつつも人間的な尺度で相手を観ようと無意識で試みている。不気味の谷期にあるというか。
身に余るお褒めの言葉、本当に嬉しいです、、、!
午前九時のインパンクチュアリへの応援コメント
「明るい終末」的な、静かで穏やかに見える出だしから、突然挿入されるショッキングな情景、さらに井上の行動は、常に太陽の下で秘密を持てない世界に住むことへの抵抗のようにも思えました。
人間には、やはり闇も必要なのでしょう。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
明るい光や太陽というものが必ずしもポジティブなものではなく、またネガティヴなものも人の中に希求されるものであると考えて書きました。順応するもの、抵抗するもの。私はネガティヴを食むものなので、明るいものへの抵抗を少し美化するきらいがあるかもしれません。
午前九時のインパンクチュアリへの応援コメント
いつも思っていたのですが、
音楽をそのままテキストにしたような一編ですね。
この話はそれがより色濃い印象でした。
っていうかお題、夏だったんすかw
作者からの返信
コメントありがとうございます!
音楽的というのは意識していないのですが、自然そうなっているというのは何だか嬉しいですね。音読しながら書いているというのもあるのかしら。
日本が夏の朝九時に固定されているという設定なので、テーマ夏、ということでここはひとつ。。。
午前九時のインパンクチュアリへの応援コメント
こりゃすげぇや。
長編読みたい。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
言われてみれば確かに長編にしやすそうな世界観ですね!機会があれば我儘の彼岸に登場した様々な世界観のいずれかを使って中編や長編を編み直すのは面白いかも。やってみようかしら。
一人の男と無数の男への応援コメント
もうこの先コメント欄に書けるのはカタカナの「スゴイ」しかないんじゃないか。冒頭の嫌悪感が、最後にはさらっと自然に、魔法みたいに逆向きになっていて、もうこれはラブコメだと思いました。たまたまレビューからこの短編集にたどり着けたわけですが、レビュー書いてくれた人、まじでありがとう。作者様、好きです。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
嬉しすぎるコメントに感涙しております。。。
ラブコメと言って頂けるとスッと腑に落ちるようです。最初は無数の男だけが登場する話だったのですが、ふと昔の知り合いが、職場の人が臭くて泣いてしまった話を思い出して練り直しました。
多くの人に刺さる作風ではないですが、好んで読んで頂けるのは本当に嬉しいです。ありがとうございます。
午前九時のインパンクチュアリへの応援コメント
ウッ、今回も美しい。。。グッとくる描写を挙げるうちに全文になりそうなくらい、美麗な言葉に溢れておりました。何というか、美しさと、映像喚起力も高く、イメージがすっと頭に浮かんできます。それはとても鮮やかで、煌めいております。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
お褒めの言葉ありがたや。。。映像喚起力が高いって言われるのは嬉しいですね!特に人に読みやすく書こうと意識しているので、イメージに繋がるという評価は最上のものです!感謝ッ!!
猫嫌いの英靖への応援コメント
主人公が猫たちに怒った結果、少女が引き続き過ごしやすい状況になった。しかも現代ファンタジーのような要素がありながら、『大金が入る』などの御都合がない。
この絶妙さがまた良いですね……。
それと、Y-3特有のスタイリッシュなデザインを柚木さんの素敵な文章で表現されているのも嬉しくなりました。
前話の人魚もそうですが、一文一文がわかりやすくて想像しやすいし、文章がとても綺麗です! 次話以降も楽しみにさせていただきます(*'▽')
作者からの返信
コメントありがとうございます!
大きなことが起こらない、日常の変化がささいなものである、私はそんな怪奇が好きなのかもしれません。幻想文学のようなものも好きなはずなんですが、自分だとなかなか書かないものですね。
ありがとうございます、Y-3のことを書いてて、昔、まだY-3がなかった頃、ヨウジのショップ店員がアディダスとのコラボしか売れないと嘆いていたことがあったのを思い出しました。
一文一文がわかりやすいと言われるのは大変嬉しいです。自分はだいたい音読して音を確かめながら書くことが多いんですが、可読性に関しては気をつけてはいますが自信があるわけではないので、そういう言葉を頂けるととても心強いです。
黄泉鳥への応援コメント
「正体不明の実験電波」この部分だけが、作品のトーンにそぐわないように思われます。ここだけ直せば、完ぺきではないかと思います。サイエンス・フィクションではないので、科学的にはめちゃくちゃでもいいので、こういう目に遭うという理不尽さに、何か説得力と深みの感じられる原因があれば。
ごめんなさい、カクヨム様のコメントではこういう指摘は封印しているのですが、あまりに惜しいと思いましたので。もし不愉快に思われたなら、お詫びいたします。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
そうですね、確かにその部分は弱いな、と思いました。今一度推敲してみますね。ご指摘ありがとうございました。
キミの思い出への応援コメント
美しいガラスの器って、本来の使用目的以外のものを入れて飾りたくなるような気がしますね。スノードームみたいに。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
返信遅れてすみません。
私もグラスをプランターにして植物を育てているので、その感覚なんだと思います。スノードームの例えは美しいですね。その憧憬から本作は生まれています。