第三回 初めて興味を持ったこと、それが℮スポーツだったの。
――とはいっても、この頃はまだ『℮スポーツ』というワードはあまり知られず、格闘ゲームで収まっていた。プレーするソフトは『ヒーローストリート』……もう定番だ。
実は、ゲームは初めてではない。
いじめっ子と一緒にゲーセンで、ゲームをさせられる。それは、お小遣いを狙った所謂賭けゲー。対象は中学生や高校生。僕が負けたら……WCの個室、僕の裸が拝める。これまで三回……でも勝ったら、お小遣いが貰える。……でも全額いじめっ子のものだ。
――でも、
それを見られたのだ! グイッと手首を掴んで離さない。……幾ら「痛い」と涙目で訴えても「いいから来い!」と怒鳴り、連れて行く、鍵っ子のお家に。中に入るなり、
「お前、自分が何やってるのか分かってるのか?」
「……援交じゃないもん」と、言うと。――太郎君、僕のこと思い切り引っ叩いた。
「お前、それ以上言ったら、マジぶん殴るぞ」
僕は……涙を流すよりも、キッと睨みつけていたようで、
「お前じゃない!
すると、太郎君の目に、
涙が浮かんでいた……ことに気付いた。
「お前……いや、
――いじめから、千佳子が辛いと思えることから、……少しでも。
「ごめ……ごめんね、
――
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